雑録

sola 第11話「ムソウレンガ」 の感想

幻は夢のようなもの

今回は、異形の存在である森宮姉弟と一般人である石月姉妹の別れを描いたお話。
日常から乖離しその存在が忘れられてしまうという手法には、見ていてONEを思い出した方も多いのではないでしょうか。この手法は確立されて久しいですが、やはり愛惜をそそるものです。特に主人公が消え去る際における、ヒロインの何も出来ない無力感や記憶にさえ残らずただ哀しみだけが残る喪失感などの表現には持って来いの手法。


例の如く、世話焼き女房を気取り依人の理解者と自負していた真名さん。町を駆けずりようやく彼を見つけ、日常としての最後の時をすごしたにもかかわらず(過ごしたからこそか?)、別れの際には何も言ってもらない。そんな彼女が、依人の存在も完全に忘却してしまうところは一見すると憐れだ。だがしかし、忘れてしまった後も、理由も分からず哀しくて涙を流している。その涙には、しっかりと依人との絆が刻まれていたのだ!!きっと歳をとってから、ふと夕焼けをみると、青春の思い出がフラッシュバックし、鮮やかな思い出が漠然と蘇るのであろう。そして、依人の存在を思い出せないまでも無意識に涙が溢れ出てくるのだ・・・


一方、こよりは蒼乃との別れの際におりがみを習って、蒼乃の存在を残そうとする。折り紙をすれば、蒼乃のことを思い出せるようにと。技術の伝授には想いが生じる。まるで自分の分身をこの世に残すようだ。蒼乃の存在は無かったことなんかにならない。確かにこよりに受け継がれた。さらに、気丈に振る舞い別れを受け入れようとしても、それが出来なくて葛藤するこよりの姿は健気だ。


日常の中象徴である石月姉妹のお陰で、異形の存在である森宮姉弟との別れが映えたお話でした。
一人で寂しく生きてきた茉莉と、辻堂という頼れる存在がいる繭子の対比も映えていました。