星空のメモリア 共通シナリオの感想・レビュー

星空のメモリアは幻想系天体観測モノで少女救済!!
過去に囚われる主人公くんが天体同好会解散を防ぐため大奮闘。
第一部は7〜8月の2ヶ月間(長ぇ)で少女救済をしながら部員を集め、第二部は2学期からで個別ルートが始まります。
シナリオも上々で、テキストのテンポも良く、絵もほんわかで可愛い。

過去の思い出と死神少女メア=S=エフェメラ


主人公の小河坂洋は母の死を機に叔母の下へと引き取られ、数年ぶりに妹を具して故郷に戻ってきた。彼が抱くのは思い出の中の少女の記憶。幼少の頃、知識先行の頭でっかちで友達もろくに作れなかった洋の支えとなったのが、夜な夜な共に天体観測をしていた年上の少女の存在であった。彼女との交流の中で洋は次第に他人と触れ合う喜びを覚えていく。だが別れは唐突、母の都合で引っ越さなければならなくなった洋は一抹の寂しさと再開の約束をして郷土を去るのであった。少女により人付き合いの尊さを覚えた洋は成長し、引越し先でも苦労はしたものの友達を作ることが出来た。その成長の感謝を胸に、少女との約束の土地である展望台へと舞い戻る・・・そこには思い出の中の少女とそっくりな女の子が居た。だが成長していないその姿や死神コスプレに疑問を抱く。この少女は自分の幻覚なんじゃないかしらん?少女はメアと名乗り悪夢を狩る存在とのたまう。メアと交流を重ね愛着が湧いてくる最中、洋はメアに鎌で刺され、自分の思い出の少女の名を忘れてしまうのであった。ここまでプロローグ。

南星明日歩の願い「天体観測サークル廃部を救え」


明日歩ちんは明るく元気で純情乙女なムードメーカー。学校へ転入した洋が学校に馴染めるよう計らってくれたのは天体観測同好会の明日歩であった。彼女はなんと同じ小学校で、当時は取っ付きにくかった洋にきゅんきゅん惚れてたの。色々と世話を焼いてくれ洋の用事にも付き合ってくれる。洋の当面の目的は「思い出の少女を探すこと」と「記憶喪失や幻覚のことをよく知ること」そして「バイトを探すこと」であった。卒アル調べを一緒にやっていくうちに洋が思い出の少女に囚われている姿を目の当たりにする。そうそうの姿は明日歩自身が洋にしている行為とまるっきり同じだったのだ。故に洋の恋心を理解できるため、明日歩は感情を伝えられなくてドキマギしちゃう。洋が思い出の少女の影響で神話や星座に詳しいことが明日歩に知れると、同好会に誘われる。そこへ降って湧いたかのような解散のお知らせ。明日歩の頑張りや星に対する思い入れに惹かれていった洋は明日歩と共に部員探しをすることに。明日歩の揺れる恋心を堪能せよ。

蒼衣鈴は南十字星に特別な思い入れがあるの。


部員獲得の候補となるのが洋の隣に住んでる蒼衣鈴ちん。引っ込み思案で他人に壁を作り「ウザイ死ね」が口癖で他人を近づけなかった。そんな蒼さんはタロット装備で星占いに興味があるお年頃。夜な夜な望遠鏡を担いで校舎にも忍び込む。そんな彼女なら天文同好会に誘えるんじゃない?他人を拒む蒼さんは別に星が好きではないとのたまう。そう、蒼さんは思い出の記憶に縋るために夜空を見上げるからであった。でも蒼さんが観たいのは南半球の星空。日本は北半球だからその星座を見るのは無理で、星を見るという行為には興味がなかったのだ。そんな蒼さんの想いに応えることで、天体観測同好会入部の約束を取り付けた洋は、メンバーと一緒にお手製プラネタリウムを作る。蒼さんは自分の想いを洋が見抜き、それを実現してくれたことに心動かされ入部を決意するのであった。

家族問題を抱えながらも明るくアホっ娘妹;小河坂千波


主人公:小河坂洋の妹が小河坂千波。活発でブラコンなアホっ娘妹。『ゆきうた』の菜乃を彷彿とさせるぐらいアホっ娘で日常描写のテキスト会話の要を占める。プロローグで三回もお兄ちゃんループをやられたときには流石にマタかよ!!状態になったが、これもきっと纏わりついてくる妹を持つ兄のような気分もばっちり。しかし今ではこんな愛くるしく活発になったが、どうやら千波ちんはもとからこのような性格ではなかったみたい。そこにはどうやら小河坂家の家庭事情が起因している模様。死んだ父の墓参りに行こうとしなかった千波、引っ越す前はやたらと反抗期で母と洋を困らせてばかりいた千波、千波を産むために親族との縁を切ったという過去。そういうのを全部ひっくるめて、洋は千波を大切に大切にシスコンといわれるぐらい大切に接しているの。今では両親の死を受け入れる強さを見せる。

双子×神社×巫女=霊能力姉妹!姫榊こもも&姫榊こさめ


一転してファンタジーチックな展開になるのが、姫榊姉妹編。ふたりは巫女巫女霊感能力者で、死神の存在のメアとの関係を軸に話が進む。姉のこももは金髪ツインテールときたらツンデレでしっかり真面目な生徒会役員。妹のこさめはほんわり穏やかな同好会会員。こももと明日歩は犬猿の仲だけど、こももが生真面目さんだから何かと文句は言うものの結局は仕事に私情は挟まない。洋が同好会を存続させようと策略をめぐらして「お願い」をするのに対してもやぶさかでなく良い感じな関係を築いていく。こもものおかげで屋上の使用許可が取れたり、メアを市民との交流と称して同好会のメンバーに加えられることになったりと大助かり。こももは、そんな「お願い」の見返りに洋に神社の雑用を言いつけることになり、夏休みの一定の時間を共有するようになる。しかしまったりと好感度を積み重ねるこももと洋の裏側で、こさめは裏で策謀を働かせていた。どうやら死神メアが存在する展望台は姫榊姉妹にとっては鬼門な場所のご様子。人外であるメアを存在抹消するため、洋とメアを罠に嵌め聖なる長刀で切りかかるファンタジー展開。結局、人外退治の罠は、こさめが全て一人で罪を被ろうとしての行為で、それを見抜いたこももおねえちゃんパワーでこさめを諫めるの。こさめを心配したこももは天文観測同好会の部員になり、これで2学期から部活に昇格。フラグ分岐で個別ルートが始まります。