クドルート

1:試験勉強編

・クド、小毬と英語のお勉強
◆クド、家庭科部を引き継ぐ。

  • 昆布にうるさいクド

昆布はですねぇ、昆布巻き用です。
マルテン堂の昆布はとても美味しいのですっ
北の本場で採れたものはミネラル繊維たっぷりですっ
んーっ思い出したら食べたくなってきましたっ
昆布の煮物は私の得意料理の一つだったりします。
学食の昆布は少し物足りないんですよねぇ
試食して美味しいと判断してもらえれば、この昆布を使ってもらえるかもしれませんし。
学食の料理も美味しくなりますっ
趣味と実益を兼ねる一石二鳥ですよー
オムレツ焼くより、だし巻き玉子作る方が得意ですよ
自分で言うのもなんですが、クドリャフカお手製玉子焼きはお昼の時間引く手あまたなのです
まさにメジャーをねらえますよっ!
玉子焼きメジャーリーグでばんばん稼げますねっ ====

  • クド、テストは苦手

理樹の学校は中間試験はなく、模試と期末で点数が決まる。
模試は任意だが、受けなければ期末一発勝負。
クドは入学試験:レポートは高評価、試験はあまり良い出来ではない。
はいはい、一緒に勉強シナリオですね。期待してるぜ。
クド「っくん…受けた方がいいですよね…やっぱり」
小毬「どうしてもイヤだったら、無理に受けることないんじゃないかな。」
クド「その代わり期末試験考査が余計たいへんです・・・
う〜んきめました。ってパスタがでろんでろんになっています
しかもリキが食べ終わっています。
小毬さんがいつの間にか隣に!!
は、はろ〜、小毬さん。はう、あー、ゆー?



小毬のアドバイスにより、クドは一緒に勉強することに
クド「でも、みなさんもテスト勉強があるのではないでしょうか。」
小毬「大丈夫、教えながら復習も出来るし、一石二鳥だよ」
クド「そうですか…ご迷惑でなければ、お願いしたいです」

クドのこういう謙虚さがいいね。他人の迷惑をきちんと考えられて良い子。


小毬「There is no royal road to learning!」
クド「リキ、リキ」
理樹は片袖を引っ張られる。
クド「小毬さんはなんていってるんですか?」
理樹「学問に王道なし、っていう格言で」
来ヶ谷「小毬君、その格言はは最適解で学問は成し遂げられないという意味だぞ」
三枝「クド公がテスト頑張るの邪魔しようと思って・・・」

ヒデェ、ひでえよ三枝さん。


みんなの苦手な科目
来ヶ谷:数学(簡単すぎてツマランそうだ)
小毬:古典と現代文(絵本少女なのに)
鈴:数学
クド:英語
三枝:全部

数学よりも理科化学物理生物地学の方がツマランしワカンネ。
仲でも私の化学を憎む心は一大だね。


いよいよ勉強開始
組むメンバーを決める

⇒1:来ヶ谷・小毬
2:三枝・西園
3:理樹・筋肉


西園さんを選ぶと・・・
西園「ひとりで3人を相手に…」
思いっきりクドに性教育をすると勘違いしています。

来ヶ谷「さてまずは保健体育だ。クドリャフカ君ここを音読しろ」
クド「はいゅ、えーと、おしべとめしべのように」

来ヶ谷「言語などというものは非常に生物的なのだよ
突然変異的にある場所から発生した言葉が一般化することも多々ある
変化しないもの、廃れる事がないものであれば、古文などというものは存在しない
その変化が最適化であれば、それを誤謬などといい排除してしまう事のほうが問題だというわけさ
語源から勘違いされたものが定着してしまうのはどうかと思うが」

ああ、ナイスだよ、来ヶ谷さん。いちおう俺も日本語学を専攻しているのだが、一度うちの先生と国語教育学の教授がそれで揉めたのですよね〜あれは面白かった。うちのセンセが来ヶ谷さんと同じような論を吐いたら激怒しちゃってね〜しかもその国語教育学の教授は一般教員から文部科学省に入った成り上がりでドクターでもないのに教授になってるんだぜ?知識がないのにプライド高いってね・・・

小毬「I wished that it was the peaceful world tomorrow.」
ヲイヲイ、反実仮想の構文だよな。平和に満ちた世界は無理なのか…
クド「私はあれがピースしていた明日の世界を洗いました!!」
クド「わ、わふー…ひょっとして全然違いますか?」
小毬「辞書使って一単語一単語覚えるほうが良さそうだね」
クド「す、すみません・・・前向きに善処するべく努力する方向でがんばります…」

理樹「昼休みもチョコチョコ手伝ったほうがいいかもしれないね」
クド「あ!では、お昼休み付き合っていただいたお礼に、お弁当を提供しますっ」
理樹「え、いいよ、そこまでしなくても」
クド「いえっ!そういうわけにもいきませんっ。お礼はきちんとしなkればっ
・・・あまり舌を満足させるものはできないかもしれませんけど…
でもっ、自信があるメニューもありますっ」
・・・
弁当イベント。
弁当に水筒が・・・これは味噌汁か?味噌汁なのかぁぁぁ?
いや違った!なんときしめん。弁当にきしめん

放課後になりおずおずと理樹のところへ来るクド
理樹「あわてなくても僕は逃げないよ」という理樹くんはなんと男らしいことか
で、家庭科部の和室でお勉強。
家庭科部は受験で忙しい寮長さんとクドのふたり。かつては学食の不味いメニューを改善するために活動していたとかいないとか。
クド、あたらしい携帯を買う
クド「軽くて、薄くて、ぺったんこですーっ!
クド「ぺったんこですーっ」
理樹:スカートの奥をつい垣間見てしまった僕は自己嫌悪に陥った

地理にかこつけてクドの出身地話。
クドは商社の祖父さんに預けられていて諸国をついて廻ったのだとか
祖父さんはロシア出身。直ぐに中央アジア強制移住させられたのだそうだ。ここら辺はソルジェニーツィンの『イワンデニソーヴィチの一日』や『ガン病棟』が詳しいです。面白いし新潮文庫に入っているのでクドの祖父さんマニアな方は是非。
そしてクドはテヴアという南の国で生れた。どこそこ?と地図帳をひらいてもナッシング。理樹ともシンクロしたようで同じ疑問を抱く。
なんでも地図にも載らない小さな国だとか。フィクションファンタジー

恭介のヤマ張りメモで勉強して地理と歴史はばっちりな予感。
クドから焼きおにぎりを夜食用に貰う。

・他人からの視線と自己存在の不一致
理樹、筋肉にのたまいて曰く、
>>クドはさ、和食を作るのが得意なんだよね
>>本人も作るのは好きみたいだ。でも、そういうのを好きな自分に違和感を持ってる(家庭科部の活動にしろ、周囲の目を気にしているようだ。)
>>…クドの家族自体は国際色豊かな人たちらしい
>>僕たちから見たらそういうギャップのあるのがクドなんだ、って思うんだけな…でもそれが本人にとって不本意だとしたら

筋肉くんは何か思うところがあるようで・・・
真人「…そういうことは誰にだってあるだろうさ」

解るぜ真人!!俺も小学校の頃親に無理やりピアノ教室に通わされていてそれを上級生に「似合わねぇ」とからかわれた時の気持ちといったら!!


次の日
英語の授業って本文よんで訳すだけってどうよ?
英語教育の限界が感じられますな。
クドはそんな日本の英語教育の哀れな犠牲者に。
そして発音がボロボロでへこむ。
理樹はクドの髪の毛を上からわしゃわしゃと撫で付けた。
さらに落ち込んで昼食を食べるクドにさらなる追い討ちが!!
見知らぬ上級生に箸で和食を食べているところを馬鹿にされる。
立ち上がる理樹。いまだお前の力を見せてやれ!!
クド「別に悪気はないのです。誰だって珍しくてヘンなものを見つけたら、話のネタにしたくなるものです。そういうものなのです。…だから、リキが起こる必要はないのですよ。私はマイ箸を持っていくヘンな子なのです。」
クドは僕に笑って見せた。けれどそれはどうにも無理のある表情にしか見えなかった。
クド「でも、リキが腹を立ててくれて、少しだけ嬉しいです。私は傷つけられていません。ほんのちょっと凹んだだけです。・・・リキが隙間を埋めてくれたので…私は、もうへこんでいません」
・・・
理樹「…クド、テスト勉強してたこと、誰かに何か言われたの?」
中越しの返事はどうみても嘘をついているものだった。

次の日
・クドとお昼ご飯in中庭
確かここって西園さんがいつも食ってたトコじゃない?
キャットフードを食べるクドの犬ヴェルカ。

家庭科部の和室でテスト勉強。個別ルートだと時間表示なくなるから曜日感覚なくなる・・・
>>クドは極端に『本番』に弱いだけで、素材としては悪くない。むしろ優秀だった。記憶力もそうだし、興味のある分野ではびっくりするほど熱心だった。そしてクドは単位制により一個下であることが判明。


そんな時、イソップ童話の蝙蝠をアレンジした絵本を見つける。
「これで上手くいくならいいんだ。ぼくは、きみの役に立ってとても嬉しい。それだけで、ぼくには十分なんだ」
・・・
この言葉はクドを表象しているかのようで。
嗚呼、いつの時代も『泣いた赤鬼』には心を揺さぶられる。

クド「リキは、蝙蝠さんと仲良くなりたいと、思いますか?

どっちつかずの、どっちでもない『コウモリ』
鳥の世界にも、獣の世界にも馴染めない。
だから、コウモリは夜空を飛ぶ。
独り、さみしく。

◆エロゲをやる対象とその内容の傾向について
エロゲをやるような人間は往々にして一般人ではない。
そのためマイノリティとして孤高を維持しているわけだ。
そのため、どこか社会に無意識的な蔭を抱いている内容になる。
一般人が何気なくすることも、当事者にとっては酷い哀しみなることは。同じ穴の狢だけが理解できる傷の舐めあい。


ようするにだ。
一般的な女子達はクドが試験勉強をしていることを賭けの対象にしておったのだ。人がもがき苦しみ這いつくばって頑張る姿を嘲笑い、なおかつ賭けの対象にしようというのだ。しかも、クドは英語が赤点の面白ハーフであれば良いというのだ!!


真人「なぜ今更気にするのか、を考えてみたほうがいいんじゃねぇのか」

理樹「僕がいたから?」
真人「自分が色々言われるのはいい。でもお前のことは別だ。」
理樹「・・・それって」
真人「一緒に居たい人間と一緒にいるとこ、笑われたらそら傷付くだろ」

◆クドの為に立ち上がれ理樹!!
普段なら授業が終わったら来るクドも、今日は自分の席から動かなかった。その背中がすごく悲しそうだった。
クド「リキ・・・でも」
理樹「いいんだ、僕がしたいんだから。クドは?クドは、僕と…勉強したくないの?」
ぶんぶんっ。クドは首を振った。
クド「そんなこと・・・そんなこと、ないです」
クドの顔から戸惑いと遠慮の色が消えていく。
そうだ、他人のことなんか気にする必要はない。
僕がクドにしてあげたいことを・・・したいことをすればいい。
決戦は、明日。
理樹「僕は、クドと勉強しているのが楽しかったから。誰かから、色々言われたとしても、僕は気にしない」

強い、強いよ理樹は。俺は小6の学級崩壊したときに、苛められグループを見捨てた。だからといって強いグループにも属することもせず、ひとり図書館に通う日々が続いた。見捨てたことは一生の贖罪。彼らと一緒に戦えなかった。それ以来、集団に属することに恐怖を抱き此処まできている・・・


テスト当日。本番に弱いクドを励ますためにご褒美作戦
理樹「テスト、終わったら遊びにいこうか」
クド「そ、それは、その、でーとのお誘いですかっ」


クドを落ち着けるために自分の席に座らせる理樹。
・・・
席替えがある度に、僕はいつも思うことがあるんだ。
同じような教室の風景。なんでもない風景だけど
ちょっとしたことで、違って見える。気分的な問題に過ぎないんだろうけどさ。僕の視線の先には女の子はいつだって見えるようになった。
その子はいつだって一所懸命で、いつも真剣なんだ。
クラス中に睡魔が蔓延してるときも、その子は大抵ぴしっと背を伸ばしている。
だから、だからクドが頑張ってることは、僕はよく知ってる。


クド「大丈夫ですっ。リキが後ろからぱわーくれますから」
・・・
終了後、一緒に遊びにいく計画を朝ごはんのときにしようと約束。

情交編

「あめりかん」な遊び:ストレルカのフリスビーきゃっち
スキッパーキは断尾をするんですよ。
眠り病発動!
ずっと理樹の寝顔を観察するクド。
クド「今日は、ずっとリキを独り占めできました。かほーものです、私は。」
・・・
クド「りきぃ、もうちょっと、独占、させてくれますか?」
・・・
クド「放課後、もう一度だけ、リキと一緒にのんびりお散歩をしたかったのです。」
理樹「もう一度?」
クド「春先に…転入して初めての時に、一度案内してくれましたよ
私は自分のことバレたら笑われると思ったから、無言だったですけど
ホントは、おしゃべりしながら歩きたかったんです」

クド「リキ・・・靴紐解けてます」
やー・るぶりゅー・てぃびゃー
・・・
理樹「・・・僕もクドのこと好きだよ。それに僕は革靴だよ」
そしてふたりは


模試が返ってきた。
赤点回避をしたクドに御褒美をあげることに
理樹「なにがいい?」
クド「キスがいいです!」
ぶぅはっ。なんて積極的な
クド「だって、私からはしたのに…」
クドは俯いてすんすん、と鼻をならした。
クド「御褒美、欲しいです」
〜接吻タイム〜
クド「リキぃ。だいすき、って言ってもらってから、のほうが良かったのかもしれません…」

??「リキ。ふ・あむ・あい?」
理樹「クド、どうしたの?」
クド「おー、いっつ・あらいと〜。正解です。はらしょー」

クドとキスをしてから、クドの何気ない仕草に僕はいちいち反応してしまう。


クド「私の生れた国では、いくつか変わった風習があるのです。
これはそのひとつ
これは、ただの薄力粉にココア・パウダーを入れたものです
そうです、ただの水。それらで作る黒い食紅です。
あ、黒いのに食紅ってのも変ですね?
これを使って、お互いの体に『紋』を描きます
ストルガツキーオリジナル。
私の、もうひとつの名前です。
クドリャフカ・アナトリエヴナ・ストルガツカヤ
噛みそうな名前でしょう?
私は『こんな』ですし…名乗ったあと笑われたりするので、あまり口にしません…
秘密にしておいてください、リキ」

そして二人でかき混ぜあう。
クド「り、リキ、くすぐったいですっ、んっ」
右手同士の指を絡ませて、ぐにぐにと中身をかき回したりした。
クド「ん…ん…あふっ…んっ…」

誕生日のある週のうちでしか行えずかつその相手は…相手は、その、つまりですね・・・自分の好きなひとじゃないと、ダメなんです…
そうです。
そういう、意味だったりなんだったり、するのです…あはは


リキが恥ずかしいことをいうので、私も恥ずかしいことを言います。
とても好きなエフトゥシェンコの詩を。おかあさんが教えてくれた詩を

『世界の良き歯車となれ』


クドは無言で、シャツのボタンを外すと、するり、と両腕から抜いた。
ぱさり、と長袖シャツが落ちる。
後ろ手でブラのホックを外すクド。
しゅる、とブラが肌を滑った。
「…前はその、恥ずかしいので、背中と腕でお願いします
優しく、してください」

それはシンプルすぎる、自分を相手に刻み込む、という行為。
僕が描いた線は、クドの中の僕であり、
クドが描いた線は、僕の中のクドなのだ
クド「紋様が落ちても、刻まれたものはずっと残って繋がるのです」

シャトル墜落編

二人の絆を深め合ったところで問題が起こるがKeyのお家芸
この時点でとても理樹、植物人間説を濃厚にしています。
それともクド予知能力説か・・・
文脈判断からして、クドの故郷でやろうとしている核燃料型ロケット打ち上げが失敗することを予め知っているような。

クドは毎晩毎晩、覚えてはいない夢に魘される。
キス
多分抱えている問題から目をそらすためだけの行為。

クドのおはなし
クドの母は宇宙飛行士。うひゃあ、ソヴィエトロシアですか?
スプートニクショック。
で、お祖父さんは宇宙飛行士の仕事を反対していたため、英語もロシア語も教えず、日本語を教えた・・・
「日本に戻ってきた最初の動機は
おかあさんを見ていると、自分がおかあさんのこどもじゃないみたいに思えて。
逃げてきた、ようなものです
でも、日本に来ても、私は結局変な子のままです
どちらでもない、どれでもない・・・
そんな時おかあさんからお誘いの手紙が来たんです
今度、打ち上げがあるみたいです・・・
この間、手紙を出したとき、行かない、と書いてしまいました。
私、すっごい、嫌な子です。」

理樹はクドに電話をしてみるようにアドバイス
クドは成功して真夜中の和室で理樹に報告。
嗚呼多分これ、クドママ死亡伝説じゃね?
クドの海草好きは黒髪コンプレックスのせい。

ぎゃゃー!!!!クドママ死亡伝説。スペースシャトル事故。
落ち込むクドと不安で心が捻じ曲がる理樹。
そこへ我らが西園さん登場。理樹にたいしてこう述べる。
西園「能美さんが好きなんでしょう?
ならば・・・直枝さんがすることは一つではないですか?
幾山河 越えさる行かば 寂しさの 終てなむ国ぞ 今日も旅行く
・・・
私たちは、望む場所には、手が届かないことが殆どです
ですが、もしかしたら、直枝さんと能美さんはそこに辿り着こうとしているのかもしれません
そのためには行かなくては
留まっていては、決して手に入らない。
・・・
大切な人が去るのは、辛い。
でも、帰りを待つことが出来るのは幸いです。待つことが出来る人は…幸いです
・・・
ただ、もし辿り着くことが出来たら、そのときは教えてください」

僕は、クドに「帰るべきだ」と言おう。
あの事故…災害の中での安否確認は今帰らないと多分出来ない
今それをしなかったら、クドはずっと後悔すると思う。
後悔しても、やり直せないんだ。
あの混乱の中では色々なものが短時間で失われてしまうことだろう
帰って確かめられるのは今しかない。
でないと、クドの大切な何かは永遠に取り戻すことは出来ないだろう。

クド「リキは、ずるいです
好きなひとが、背中を押すのなら
歩かなくちゃいけないじゃないですか
飛ばなくちゃいけないじゃないですか
・・・行かなかったら、私
ダメな子じゃないですか・・・


恭介「能美の感謝の言葉は荷物を運んだだけじゃないんだぞ。」
クドルートたど真人もかっこいいぜ。
クド「寂しくて、辛くて、苦しくて、悲しいときはどうしたらいいのか
リキは知っていますか?」
理樹に出来ることは体を重ねることだけだった・・・


とうとうお別れ
クド「…すぱーこーいない・のーちー」
・・・
部屋にモノが残っているという
そしてクドからコロリョフさんに倣って帽子のボタンを預かる
・・・
に・ぷーか、に・ぺーら(幸運を祈ります)
・・・
クド「ぷらしゃーいちー」

暴徒集団が空港に侵入し、国連軍は空爆
救助活動は、空港の損壊とともに打ち切られた。
・・・
暴徒は災害の引き金となった航空宇宙曲関係者をはじめ、政府関係者を公開処刑
・・・
そして突如電話が鳴る。
クド『…おかあさんが…おかあさんのせいだ、ってみんなが
(ドンっ)
うう…ひどい…うぅ…こわい…こわいです…リキ、たすけて
(ガシャン)
たすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけて
(ベキバキボキ)
ううっリキたすけて(プツッ)』
・・・集団レイプか。

クドの残した荷物を受け取る
そこには宇宙関係の書物が入っていた・・・
夢の中でクドの呟きを知る
クド「言っちゃえば、すべておしまいになってしまうのに
世界は自分だけのものではないのだから
・・・でも…それでも、だから、好きって言えてよかった
リキに捨ててもらえれば、もう、じゅうぶんです。
・・・
私の…いのちで、みんな助かるでしょうか
かみさまはたすけてくれるでしょうか
好きなひとのために、なにもかも見捨ててしまった私の罪滅ぼしになっているでしょうか
それとも、これは、じごうじとく…いんがおうほう、でしょうか
もう、なにも考えれません
あ、ひとつ考えられそうです…
これで役にたったでしょうか
私は、ちゃんとした歯車になれたでしょうか
世界を・・・動かす歯車に

僕は、ようやくクドが何を望んでいたのかを本当に理解した。
ちぐはぐで、ばらばらな、自分。
人が普通考えるのものから適合していないと感じる想い。
違うと思う。
クドが自分を役立たずな歯車だと、考えていたこと
それは違うと思う。
そこにいるだけで、人は世界を動かしているはずだ。
求められてそこに合わせるだけの生き方を人は歯車だという。
世界は大きな時計のようなもので、
歯車一つ、螺子ひとつなくなってもどこかからか補充されて、
時計は時を刻む。
いつまでも、いつまでも。
それは半分だけ正しくて、半分だけ間違っている。
僕は違う、と言ってあげたかった。

クドの声は聞こえる。
・・・僕は何もできない
クドは僕と違う場所に居る
・・・僕は何も出来ない。
クドは独りで世界を回している。
・・・僕は何も出来ない
でも
ーーーーだから、僕は、伝えたいと思った。
聞こえなくてもいいと思った。
伝わらなくてもいいと思った。
僕がクドに言わなくてはならないから、言うまでだった。
だから、叫んだ。
クド!
クドリャフカっ!

おこらないでください
こうするしかなかった
それぐらいしなくちゃ、みんな納得できなかったんです
理不尽さに。喪ったものの大きさに耐えられず
だから、かみさまに、いのるんです
かみさまなら…なんとか、してくれるかも しれないから
どこかにいる、かみさまが、きっとたすけてくれるから
だから
わたしは
そのための
いけにえ・・・というわけです
・・・かくごはできていました
おとうさんも、おかあさんもそうだったのです
おかあさんのせいで・・・島が・・・世界が壊れちゃって
だから、ふたりが・・・
わたしは、あとでしりました
修学旅行へいく直前のことです
私は帰る事が出来たのにしなかった
自分勝手もいいところです
ダメな子です・・・役に立たない子です
それどころか、できるのにしなかったのです
くやんでも、くやみきれないできごと
だから、“今度”は
“こすもなーふと”にはなれませんでしたが
だから、これは、私ののぞんだ結果です
私はしあわせです
とても、とても、とても
かえらなかった理由
・・・あなたがいたから
さいしょに名乗ったときに・・・はじめて笑わずにいてくれたひと
ええ知っています・・・みなさん、悪意はないのです
他人(ひと)のすることは・・・人のねっこには、悪意はないのです
分かっていても・・・笑われることは辛かった
でもリキ・・・あなたは笑わなかった
それだけです
ほかのひとたちとちがって・・・わたしには。それだけでした
たった、それだけ。わたし、おばかだったので
大事なときに、まちがえてしまいました
“それ”はあとから手に入れた、堕ちたロケットの欠片
私の気持ち“きもち”の残骸です
リキが捨ててくれれば・・・もう、こころのこりは、ないはずです
ない、はず・・・です
・・・なのに、私、私、どうして、こうかい、してる・・・んでしょう・・・
私・・・みっともないです・・・じぶんかってで、どうしようもない子で
こんこと考えているの知られたら嫌われちゃいます。
でも、いいですよね。・・・こんなところに、リキがいるはずないですから。
ひとりごとです・・・
ひとりごとです、ひとりごと。だからっ・・・
うぅ、うっ、うくっ

クド
人が望まぬ、歯車になろうと、在ろうとした女の子
クドの体はちっぽけで、脆弱で、
今にも折れそうな水晶の針のようだった
僕は叫ぶ
僕らは何も持っていなかった
この理不尽な世界に、状況に対応する術を何も持っていなかった。
でも、間違っていると思った。
“自分の気持ち”を手放して自分を殺すこと
それが世界に役立つことだ、なんて納得したくなかった
そんなことを目的にしたくなんてなかった
だから、あきらめない
手を伸ばせば、クドっ

クドリャフカは還ってきたのだ
世界をぐるりと一巡りして。