ことみの両親が世界的に有名な学者だとしたら、飛行機事故が起こった時に警察や血縁者は何か対応をしたであろうとの疑問について。
これは「ことみが電話線を遮断し、家の鍵を閉めた」ことから「警察や血縁者から放置されたのではなく、自らが周囲をシャットアウトした」との結論がでた。
では、原作ではどのように描写されていたのだろうか。
ことみがハサミで電話線をぶった切った描写。
なんど受話器を置いても、すぐにまた鳴りだした。
いっしょうけんめい耳をふさいだけど、電話は鳴りやまなかった。
とってもとっても、とってもとっても、こわかった。
指がぶるぶるふるえて、歯ががちがち鳴った。
(中略)
私はお母さんの裁縫箱から、裁ちばさみをとりだした。
服の布地を切る時にお母さんがつかっている、とっても大きなハサミだった。
『電話さん、ごめんなさい』って、心のなかであやまった。
電話の線を指でつまんで、ハサミでじょきんって切った。
それきり、電話は鳴らなくなった。
ことみの血縁者についての考察
ことみに血縁者はいなかっのかという疑問点について。
原作ではことみの父母の同僚であった紳士(セバスチャン)が後見人となっている。
このことから
- 「血縁者はいなかった」
- 「研究職としての一ノ瀬夫妻の同僚が後見人になることを申し出た」
の2つが考えられる。
この可能性については、原作ことみシナリオの5/3(土)における朋也と紳士の会話で推測することができる。
以下抜粋。
夫婦は常々、空気のきれいなこの町で、子育てをしたいと言っていた。何よりここは、博士の生まれ故郷だった。少々の不便があっても、博士はこの町から研究所に通うことに拘っていた。結果的に、それらが全て仇になったのかもしれない…
ちょうどあの日、些細な偶然が全て悪いほうに重なった。一ノ瀬家の家政婦が急病になって、代理の引継ぎがうまくいかなかった。
電話がつうじなかったせいで、あの子の所在さえ性格に把握できていなかった。私たちは皆、うろたえ、そして混乱していた。今はもっと大切なことがあると、誰もが信じようとした。自分以外の誰かが、あの子の傍にいるのだと思い込んでいた。・・・だがそんなことは、言い訳にもならない。過ちの代償は、重大だった。誰かが傍にいるべき時に・・・そうしなければならない時に・・・。あの子は、独りきりになってしまったんだ。(中略)機会があったら、彼女に伝えて欲しい。赦してもらえるとは思っていない。ただ・・・私たちは、あの時のことを、今でも後悔している、と。
以上により、一ノ瀬家は地元で暮らしており、それにも関わらず親類との交流が見られないということから、周囲には近しい縁者はいなかったと思われる。