Dear My Friend 「小麦シナリオ」の感想・レビュー

試験管ベービーであるが故に迫害された傷心跳ねっ返り少女のおはなし。
他ヒロインに比べて視点切り替えが多く、小麦の内面描写に多く割かれている。
あまり本編シナリオ以外では絡まない冴香姉さんがいい味だしてくれるのも小麦ルートの特徴。

小麦のキャラクター表現とフラグ生成過程


一年生の教室で一人寂しそうにたたずんでいる少女が小麦。だが口の悪さは折り紙つきで、喧嘩っ早いのも伊達ではない。だが、悪態を付いてしまうのは愛情表現の裏返し。興味がないなら話さえしませんよ。その分恭一に対して悪態を付きつつもはにかみながら照れ照れ恥ずかしそうにおずおずともじもじしながら話しかけてくる日常はグッとくるね。麻衣の立ち絵も破壊力があったが小麦の立ち絵もなかなかなもの。そんなわけでチーム恭一と口げんかしながらいつの間にかメンバーに入ってくる。元ミッション系のお嬢様学校に通っていた小麦ちんは少し世間知らずなところがあるの。だが、付き合っていくうちに程度が尋常でないことに気づく。なんと彼女はバレンタインさえしらなかったのだ。それはお嬢様学校という要素だけでない生い立ちにも秘密があったから。



バレンタイン初体験や風邪引き看病をしながら好感度を稼いでいくと、過去晒し生い立ちイベントが発生。小麦が試験管ベービーで父親の顔は見たこともなく、母親は興味本位で赤ん坊を作成したに過ぎなかったとか判明。しかも前のお嬢様学校では自然の摂理に反すると同級生どころかシスターにまでも迫害されて、今の学校に転校してきたというわけさ。漱石さんは言ってんだ。Pity is akin to love.可哀想は惚れったってことよ。だが、小麦ちんは自分が可哀想視点で好きな恭一に見られることを嫌い、試験管ベービーであるという事実を乗り越えられていない自分にも情けなくなっちゃうの。そんな自虐ちっくな彼女を全て受け入れる覚悟を示した恭一は追いかけて抱きしめて押し倒す!!自分が誰かに必要とされていると知った小麦はオープンハートしハッピーエンド。