地域密着!博物館実習 B part 3日目「お役人様」

八月最後ということもあってかお客さんがいっぱい。
でもこっちは、私とパートのおばちゃんしかいない。

今日も今日とて受付で切符切り。館内案内ロボットと化し、釣銭ととみにパンフを渡しながら展示室についてくっちゃべる。スマイルは忘れず、接客用の高いボイスに加えて、子どもが来たら対幼児用猫なで声?を発動する。これはもう学芸員ではなくサービス産業だよ。一定量の知識と善良な道徳があれば誰でもこなせるワーキング・プアや非正規雇用者、単純労働者がやるお仕事。今日も刺身の上にタンポポを乗せる仕事が始まるお。一方パートのおばちゃんは役所に出す歳出・歳入関係の書類をパコパコ打つ。ねぇ、これホントにいつも一人でまわしてんの?俺居なかったら絶対人数的に経営できない気がするほどの忙しさ。そこへ、パートのおばちゃんが作ってる書類を取りにわざわざお役人様襲来。


田舎の地域密着さはある意味恐ろしいものも内包している。それは、地域共同体において全員顔が割れているということ。お役人様は、展示案内をする私を普段は見かけない異質の人物だと見なし、スーパー説教タイム開始。学芸員でもないのに、いきなり研究の何たるかを語りだす。こっちとしてはポカーン状態だが、年寄りが説教好きなのはよくあること。ここは、相手の話に相槌を打ちまくるモードで対応だ。さも、説教を聴いてますよ、真摯に貴方のいうことはとても勉強になりますよということをアピール。説教はだいぶ続き、話の趣旨は「論文だめ。実地最強!」というものを延々小一時間マシンガントークされる。向こうはしゃべりたいだけだったらしく、一通り私を展示に引っ張りまわすと意気揚々と帰っていった。その間、業務が滞ってしまったのはいうまでもない。