CLANNAD AFTER STORY 第4話「あの日と同じ笑顔で」の感想・レビュー

「駄目なやつらは駄目なやつらでつるんでろ」それがCLANNADのコンセプト社会的敗残者の連帯。
今回は「兄のためと言いながらも理想像を勝手に押し付けヒロイニズムに浸る」妹が登場する。
芽衣ちゃんはただ春原にかまって欲しかっただけなんだ!!
「兄と妹の絆」が今回の見どころ。


芽衣ちゃんのお兄ちゃんはスポーツ万能サッカー部で大活躍!!地方の片田舎から都会の有名私立進学校に進学し、まさにスーパーヒーローだったの。遠く隔たった時間と距離は兄への理想化を生み、さらには兄と触れ合えない寂しさを醸成させていた。そんな折、春原はサッカー部で問題を起こし栄光のレールから外れ、敗残者の道を歩むことになる。芽衣ちんにとってはまさにうってつけのチャンス。駄目な兄が心配といいながら、実は「兄が自分を気にかけてくれる」という事実を一生懸命確かめたかっただけだったの。お兄ちゃんは、芽衣自身のためになら、きっと輝けるって。そこがそもそもの問題のズレ。芽衣ちゃんの目的が「春原を更生させる」ためだったら、ゆきねぇの助言どおり別にサッカーじゃなくてもいいわけですよ。何か特別なことがなくても一生懸命生きようしているならば。しかし芽衣ちゃんはお兄ちゃんにかまって欲しいためにサッカー部へと赴くのであった。



芽衣の行動が理想像の押し付け自己満足だとしても、その行動を尊重するのが我らが岡崎夫妻。無理は承知でもサッカー部に頭を下げる。不良が頭を下げるという事実に自尊心を擽られたサッカー部らは、彼らに嫌がらせをすることでエクスタシーを得ようと「玉拾い」の任務を与える。映像ではボールを芽衣にぶつけるシーンは一回だけでしたが、そこを嘲笑うサッカー部の描写は秀逸。結局、玉拾いなど余興に過ぎずサッカー部復帰などというのは最初からないというわけさ。サッカー部に兄のことを馬鹿にされ、そこで芽衣の心情が露呈「来るもん、お兄ちゃん、絶対に芽衣のこと助けに来てくれるもん」というコトバが全てを象徴していますね。つまりは芽衣ちゃんは「お兄ちゃんに構って欲しかった」だけ。これまでの一連のイベントはそのサインだったの。そしてサッカー部の行為はついに暴力にも及ぶ!!しかし芽衣のピンチには颯爽と春原が登場し勧善懲悪モノが始まります。最後は、春原と朋也の男の対決。芽衣のかまってオーラにどうして気づいてやらないんだと責めると朋也だったらいいと思ったと応ふ。芽衣ちゃんのかまって欲求も満たされ、不器用な男たちは殴り合いで和解。「進学校で落ちぶれてしまっても、辞めずにここまで何とか来られたのは馬鹿をやる友達がいたから」ということでハッピーエンド。