CLANNAD AFTER STORY  第2話「いつわりの愛をさがして」の感想・レビュー

早苗さんじゅうななさい!!
今回のCLANNADは春原が妹の芽衣ちゃんを安心させるため彼女を作るというおはなし。
しかし鬱台詞「3年の2学期になってもまだ進路も決まってない」にやられて集中して見られません。



本格的な2期の最初ということもあり、春原が各ヒロインにアタックすることで、朋也がこれまでにへし折ってきたフラグを紹介するという演出。実際こんな話に時間を割いていられるのかというシリーズ構成。偽彼女の話を持ちかける春原に対する杏のつぶやき「おとこってどうしてこうデリカシーがないのかしらね」という台詞が全てを象徴しているね。かつて朋也への好感度がマックスできゅんきゅんしちゃって寝具を夜露でぬらしてしまっていた杏ちんにしてみれば、渚と朋也のシンパシーを感じ取って身をひかざるを得なくなったのに、それにもかかわらず友達としてなんとかよろしくやってんのに、そこの古傷を抉られちゃあ破壊力抜群。渚死亡後も朋也が大好きで一途な思いを胸に秘めている杏ちん…他の面々も朋也との情交から新たな一歩を踏みだしており、誰も彼と同じ舞台には立っていなかった。生徒会長として皆に慕われる智代、他人との交流に意義をみいだせるようになったことみ、不良の聖母ゆきねぇ。過去に朋也と関わった人たちは皆、先に進んでいたのだ。寂しさを感じるとともに、社会の抑圧、くずの掃き溜めから脱出できたことを祝福する表情はいい表現だ。取り残されているのは、朋也と春原、それに病弱で2留トリガーが発動してしまう渚だけ。人は変わらずにはいられないです。



結局のところ、似非彼女は早苗さんに決定。流石は元聖職者の中学教員。おそらく今まで何人もの問題児をその母性で導いてきたのでしょう。春原の本質(田舎出身で背伸びせざるを得なかったこと、スポーツ推薦で入ったのに退部し存在理由が希薄化してしまってること、進学校で勉強についていけず屑扱いされていることetc...)を一瞬で見ぬき、良い方向へ進めるように進路指導、偽彼女を買って出る。ここからは早苗さんのコスプレショーを見たり、渚の前髪ピン止めか可愛いなぁと和んだり、早苗さんにグッときている朋也に渚が嫉妬したりとほんわかで進む。その一方で、疑心暗鬼に陥り思考が狂っていく芽衣の様子が描かれて行く。芽衣サッカー部イプ事件を映像でやるとなると凄まじい予感。女子小学生に向かって部活サッカーでブイブイ言わせる高校生が本気でボールを蹴ってくるんだぜ?その様子はまさに集団リンチ、それでもなお、お兄ちゃんのために尽くそうとする芽衣の姿を視聴者にみせつける。さらには、そんな行為には意味は無くてただの芽衣の自己満足にしかすぎないという現実の厳しさ。鬱ゲー!鬱ゲー!今まで原作をかなり明るい方向に変えてしまった脚本さんのことだから、薄っぺらいことにならないことを願うぜ。