CLANNAD AFTER STORY 第5話「君のいた季節」の感想・レビュー

今回のCLANNADは「光の玉回;収美佐枝さん」シナリオ。化け猫・猫又・恩返し。
過ぎ去った青春を懐古しながら、若者の世話して暮らす美佐枝さんの人生っぷり。
散ってしまった想いを心に抱きてその想い出があるから今を生きていけるとか云々。



アバンの幻想世界で光の玉の伏線が張られたように、光の玉は人々の心の塊。みんなの想いの絆が重なれば奇跡だって起こせちゃう。渚DEADエンドを防ぐため、今回は美佐枝さんの光の玉を回収に勤しみます。しかし、このままサブキャラシナリオの回収やっていくと、渚が死なないうちにループしないで光の玉が発動しそうだ。そんなただの親子三人ハッピーエンドになりそうでシリーズ構成に激しく不安を抱きつつも今回の内容のほうへ。寮母である美佐枝さんを軸に人間関係が構成されるのは、春原と智代の二人。思春期男子寮の聖母と学園OGで元生徒会長であることから美佐枝さんには色々な人間の思慕の念が募る。そんな大人気な美佐枝さんがどうして結婚もせず、独り身で独身寮の管理人なんてやっているの?それはとっても気になる様子。その心境はAIRにおける観鈴死亡後の晴子さん保母さんライフに通じるところがある。忘れられない傷心を抱えながら、「学校」という特殊な空間で、まだ将来のある若者の成長に関わりながら手助けをしたいんだ!!



で、Bパートから本格的に美佐枝さんシナリオに突入。何故か美佐枝さんの飼い猫に懐かれる朋也は、そのネコの想いの波長を受けて過去回想へと巻き込まれる。良く訓練された鍵信者ならば、生霊・死霊・動物擬人化などでも十分対応できるはずだ。Kanonの狐人化;真琴とかね。そんな例に漏れず、入院中美佐枝さんによって励まされたという患者さんの飼い猫が美佐枝さんに恩返しに行くというありがちな展開。で、美佐枝さんの想い人のために色々と世話を焼いているうちに二人の想いは高まっていき、尚且つ美佐枝さんの憧れの人物には既に彼女が居ましたよっと。さらには、その男から美佐枝さんを傷つけないようにその事実を伝えるよう諭される。好きな人が告白もしないのにふられて傷ついてしまったと、ネコちんは美佐枝さんのために涙を流すのであった。美佐枝さんは過去の想い出に縛られ現在に一歩を踏み出せずにいると捉えることもできようが、人には多かれ少なかれ人生で一番濃密であった時期というものがあって、その後はどんなに輝ける生活を送ったとしても云々ということを教えてくれているんだ。過ぎ去った時(渚との生活)を心に抱いて懐古をしながら現実を送っていくしかないと結論に至る渚死亡後の汐養育物語への布石となっていますね。