マジスキ 〜Marginal Skip〜 ニースライト・ヒースラヴァーシナリオの感想・レビュー

マジスキのニースシナリオは、孤高を孤独と読み換えて周囲に壁を作っちゃう女の子を救済するおはなし。
ありがちなプロットだけど、そのトラウマの要因を本作のテーマである魔法に起因させているところが巧い。
人を拒んできた少女が最終的には人一倍主人公くんを求めるところまでに成長する!!

ニースのキャラクター表現とフラグ生成過程


ニースはちょっと美しいけれど陰を見せるところがあり他人と壁を作っちゃう女の子。だから最初のうちはちやほやされるも周囲は彼女から去っていく。折角、転入してきたのだから楽しく過ごして欲しい。そんなきっかけが少女救済の第一歩。物語の前半は、ニースが孤高から自立することがテーマ。一体ニースが人を避けるのはどうしてなの?当初は両親の離婚問題や姉への劣等感かと思われたがちょっと違うみたい。喪失を怖れるからこそ他人と仲良くしたくないというありがち厨二病プロットだからこそ、どのようにキャラクター性を引き出せるかが見所となる。ニースが壁を作っちゃう理由は彼女の魔力に起因していた。ニースはその特殊能力として無意識的な空想具現化スキルを有しており、友達がいない寂しさを空想の犬や友達を作ることで紛らわしていた。しかし、空想は本質に先だたないので、本当の友達やペットが出来たときに空想は消え去っていた。空想とはいえニースにとっては大切な思い出。それ以来無意識的な発動の危険性もあって、ニースは執着を立つ苦行を重ねながら生きてきた。そしてまた主人公くんの存在も幼少期においてニースが生み出した幻影なのではないかという思いに囚われ好きなのに好きといえないもどかしさ。結局、主人公くんが自分が生きた証を示すため、空想世界へと飛び込みマジックキャンセルに成功。見事存在性を示し、ニースのトラウマを解除して結ばれる。


自分に素直になれたニースは主人公くんと結ばれて以来にゃんにゃんしまくる毎日。しかしそんな乳繰り合うバカッポォーライフも束の間、問題発生。この世界観には終末思想があり世界の破滅をもたらす神が主人公くんに内包されていたのだ。神の内包は後天的なもので一度死んだ主人公くんを蘇生したのがニースの空想具現化だったというわけさ。マジックキャンセルしたということは、神の暴走の直撃にあうこと。身体の苦しみの喘ぎに加え、破壊神を内包するという理由で処刑が決定されてしまう。そこを暗黒魔王に唆された暗黒中隊長に、ラスボスに魂を売り渡せと煽られ、破壊神復活という展開。最終的には、主人公くんが自己犠牲で暗黒魔王を倒し破壊神の暴走をストップさせ世界の危機を救う。主人公くんの代償により世界は救われたがニースの心は砕かれ、空っぽになってしまう。またもや空想具現化で主人公くんの傀儡を生み出すの!?そんなニースに姉貴のパンチが炸裂する。だったら☆黄泉の国へ行けばいいじゃない!!冥途の世界へニースは突入、地獄の皇女と決戦だ。ニースが死者の未練に打ち克ったのに主人公くん何振り返ってるんですかぁ?このマザコンめ。死んだ母の呪縛に囚われる主人公くんを救えるのは妻のニースだけ。嫁姑対決にニースは勝利し、主人公くんを現世へと取り戻す。もう他人と壁を作って好きな人を我慢するのは嫌なの。主人公くんは私のものなのと孤独属性を捨て去りハッピーエンド。