NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー「軍事同盟 国家の戦略」の感想

軍事同盟のおはなし。
日英同盟と日独伊三国軍事同盟について特集。
そこから日米同盟について考える。


日本が近代世界に組み込まれておよそ150年。世界市場において中核となるか半周辺となるか周辺となるか。近代国民国家を日本は目指すことになる。つまりは世界市場において工業化の波に対抗するため西欧近代国家体系を確立していく。国民統合や国家機構の強化は世界の中核に対抗する地域での相互競争の手段だったのである。軍事同盟から見てみると、日本は当時、覇権衰退の危機にあったイギリスと初めての同盟を結んだ。イギリスは第二次産業革命によりドイツやアメリカの挑戦を受け、南ア戦争や義和団事件などで動揺し、ロシアの拡大に汲々としていたのである。そのため、日本を利用して極東をおさえるために日英同盟を結んだのである。日露戦争、第一次世界世界大戦と続く中で、イギリスは日本の拡大を怖れるようになってくる。特に対華21カ条の要求における中国への進出は、イギリスに日英同盟を捨てさせ、アメリカを中心とするワシントン体制(4カ国条約、9カ国条約)に移行させる要因の一つとなった。


その後、日本が新たな外交路線を見出しのがドイツとの連携であった。イギリスの凋落が決定的となりドイツとアメリカの覇権争い。日本は日独伊三国軍事同盟を結ぶが、ここからはお約束の「欧州情勢は複雑怪奇」タイム。日独伊で軍事同盟結んでソ連も巻き込んで4カ国でアメリカに対抗しようとする日本を尻目に、ドイツはバルバロッサ作戦で独ソ不可侵条約など破棄する気マンマンでソ連を狙う。気づかぬ日本は日ソ中立条約なんて結んじゃって意気揚々としてたら独ソ戦開始というわけさ。あとなんかレーダーのおはなしが出た。最新技術の導入をドイツに期待し過ぎてがっかりする日本。軍事同盟は外交の一種なのだと云々。そっから日米同盟に話が繋がって、日本を守るとか言うアメリカ海軍の演説を流すことで視聴者にアメリカとの関係を喚起させるという風に終結するという展開であった。