メモリア 一周目強制ハルナシナリオの感想・レビュー

メモリアの一周目は強制ハルナルートで「記憶喪失における個人の人格の存在をめぐる煩悶について」のおはなし。
喪失後に形成された人格は、前の人格とは別物で、取り戻すことはアイデンティティ崩壊の危機!!というありがちな展開。
記憶喪失前に主人公と情交を結んでいた女:ハルナは、苦悩の中、現在の主人公を受け容れる。
それを知らされた主人公は、自己の存在と向き合う覚悟をして、危険を冒すことも省みず、世界の神秘に立ち向かう。
しかし、その決断も実らず、権力者たちからの干渉を受けてしまい、一周目終了で、サブヒロインのルート解放。

ハルナ=エレンディルのキャラクター表現とフラグ生成過程


ハルナ=エレンディルは素直クールな犬耳っこ。主人公くんとは記憶喪失以前からの間柄で、街で偶然再会することに運命を感じるの。だが主人公くんはハルナのことなんてこれっぽちも覚えてなんかいなかった・・・。ハルナは研究職についており、それは世界の秘密を解き明かし、主人公くんの記憶を取り戻すためであった。だが主人公くんと接するうちに彼は彼でありながら、もう既に別人であることを知る。別人であると分かっていながらも、日常を積み重ねるうちに次第に惹かれていき、昔の彼が好きなのか、現在の彼が好きなのか、思い悩む。この日常描写が一ヶ月続き、割と長く感じるので眠ゲーと称されるが耐えろ。テキストは結構良いが、それでも気を抜くとダレますよ。しかし、この日常の再帰にこそ、ハルナが現在の主人公くんに惚れ直していく要因があるのだ。耐えろ。人に惹かれていくのは、大きなイベントなんてなくて、限りない日常の積み重ねこそにあるのよということでしょう。きっと。そして、ハルナは煩悶の中、現在の主人公に惹かれる自分に罪悪感を感じ、そっけなく距離を取ろうとする。ここからが主人公くんの活躍のしどころですよ。朴念仁主人公が今までの日常に居た女を喪失することで、どんなにかその女が大切であったかに気づくのだ!!という王道パターンも良い感じ。


ハルナを信じ、真冬の積雪の中で待ち続けることで、その心意気を示す主人公くん。悪友が差し入れもってきてくれたりとか、さり気なく男友情シーンも入るよ。丸二日程度放置された主人公くんだが、ハルナは対抗ヒロイン智枝に背中を押されやってきた。ハルナのために男気を見せる主人公くんにきゅんきゅんきちゃうの。もう、昔の彼だの今の彼だの関係無しに、主人公くんそのものが好きなのとフラグ成立。まぁ、いちゃいちゃしながら乳繰り合いやることやりながらも、時々情緒不安定になってしまうハルナちん。その限界はアルバム拝見タイムにちょうど発動。今の主人公くんを成り立たせている時間に自分が居なくて涙するハルナちん。そのしぐさからハルナが過去の主人公くんのことを知ってることはもう明らかだよね。記憶を取り戻すことは、現在の自分を否定すること。これまでの自分は、周囲の人々に支えられて人格形成してきた。それを一瞬のうちに無にきせるのか?苦悩する主人公くんにやっぱり周囲は暖かく、背中を押してくれるのです。ハルナは研究の最中に記憶を取り戻す方法を解明しており、覚悟を見せたのならレッツチャレンジ。しかし、世界の秘密は主人公くんの記憶と密接に関わっていたと思わしい描写が入る。時の権力者は記憶が戻ることを危惧し、干渉してくる。主人公くんの記憶はどうなるのか!?というところでOP⇒サブヒロインズのルート解放。謎解きして来いとのことですな。