メモリア「香奈美=レインズ」シナリオの感想・レビュー

メモリアの香奈美シナリオは「終わりの無い日常の大切さ」を噛み締める日常ゲー。
その分、シナリオも日常描写が多く起伏が無いといえないことも無いけどそれが大切なんだよ!!きっと。
香奈美が人工生命体で記憶蓄積の調整のために忘却しなければならない設定を上手く生かしている。
懇ろな関係に!!⇒記憶リセット、人格変異⇒主人公くん関係構築に頑張る⇒懇ろな関係に!!⇒記憶リセットの繰り返し!!
あと日常描写はほぼカレー。カレー食いたくなったけど、今日の夕飯はシチューだった。

香奈美=レインズのキャラクター表現とフラグ生成過程


香奈美=レインズはぽわぽわカレー少女。学食のパン購買とアイス屋でバイトをしているところから主人公くんと仲良くなる。当初は、福神漬けを買うために漬物屋で初見するのだが、どうやら向こうは覚えていないみたい。こうくりゃ、展開は記憶モノ。香奈美シナリオでは主人公くんも一緒にアイス屋でバイトをすることになり、日常を積み重ねていくうちに懇ろな関係になっていく。あと、カレー。本当にこいつらはカレーが好きだな!!香奈美先生のカレー教室をするうちに自然と恋心を抱くようになっていく。だがしかし、二人の間には越えられない壁があった。なんと、香奈美は人工生命体で異世界ジャンプの実験体であった。異世界ジャンプには人間の記憶が必要であり、香奈美は自分の記憶を捧げるが役割だったのだ。週に一回、ある程度の記憶を消去しなければならない香奈美。それをしなければ記憶媒体に負担がかかり弱っていく。主人公くんは、香奈美のために異世界で暮らすことが出来るのかと選択に迫られる。香奈美のためならと今までの生活を捨て異世界ジャンプ。



異世界渡航することに成功した二人だが、香奈美は渡航のショックで記憶どころか内向的で引っ込み思案な性格に人格変異してしまっていた。主人公くんを見て怯え戸惑う香奈美。その姿に、心を抉られる主人公くんだが、もう一度関係構築に頑張り、漸進的に打ち解けていく。だが、香奈美はプロトタイプで記憶蓄積装置そのものが老朽化しており、廃棄される運命にあった。再構築した関係も次第に失われていくことに戸惑う香奈美は、主人公くんを現世へと無理やり戻してしまうのであった。渡航のショックで香奈美との記憶を喪失した主人公くんと初期化のために記憶除去した香奈美はもう一度出会うところからやり直し。だけど今度の香奈美は、プロトタイプとしての役割を終えていたため、純粋に転校生として学園にやってくる。心が通じ合ってれば何度でも関係は構築できるよと、再び日常を積み重ねていく。いや、はっきり言って日常描写に眠ゲーという称号を送られるのも分かるほどですけど、このシナリオでは敢えてそれをテーマにしているのですから耐えろ。終わりのない怠惰と惰性と倦怠こそが実は重要なのだと。記憶を失っても何度でも取り戻すことができると、香奈美と主人公くんは三度結ばれハッピーエンド。