メモリア「アリサ=クラウス」シナリオの感想・レビュー

メモリアのアリサシナリオは、箱入りお嬢が父親から自立するおはなし。
この作品の特徴として日常の積み重ねとヒロインの支えが挙げられるので、主人公くんが割と受身&日常描写なげぇ。
父親から自立する女の子をやるなら主人公くんVS義理父さんが最大の見ものなのにあっさり解決しすぎ。
ショコラ並みにとは言わんでも、対決描写はもうちっと頑張ったのが欲しかった。あと異世界編蛇足感否めない。

アリサ=クラウスのキャラクター表現とフラグ生成過程


アリサは官僚の娘の箱入りおとなし娘。父親に反発したいお年頃で、社会経験と称してアイス屋でバイトしたり手作り弁当を用意したりと自活を目指す。でもそんなのは父親から見ればママゴトに過ぎなくて。アリサは自分が何不自由なく暮らすことにコンプレックスを抱いてヒロイズムに浸っていたの。そんな中、主人公くんとは何気ない諾々とした代わり映えのない日常を淡々と過ごすことで、好感度を積み重ねていく。お互いが奥手なので、劇中での脇役やヒロインズからもヤキモキされちゃうの。プレイヤーの方が、ずっとヤキモキつーかイベント起こらないの?と思いながらEnterキーをぽちぽち押すよ。で、主人公くんが記憶喪失で擬似家族として愛情を注がれていることを知ったとき、アリサは自分が自己陶酔していただけに気づく。父親にお仕着せされてることを理由に悲劇に浸るそんな自分が好きみたいな。そのことに気づいたとき、主人公くんに惚れていたのでした。



愛娘を溺愛するアリサのダディは、主人公くんとの関係を知るや、携帯電話取り上げたり、バイトやめさせたり、学校退学させようとしたりする。嗚呼、このまま父親に唯々諾々と従っていていいのかしらん?自立した女性は愛する男のために立ちあがる。お家を捨てて逃避行。しかし、そんな幸せ誰も望んじゃいないよ。本人だけが幸せなんてのは勝手なエゴで一時の感情に身を委ねては危険なの。きちんと親父と話し合おうぜ、と思っていたらなんともはや。父親が事故にあっちゃって音信不通。親孝行したいときには親は無し。失って初めてパパの愛情に気づくのでした。父親が重症だと知らされヤキモキする毎日を送るアリサ。だったら会いに行けばいいじゃない。けれど、会いにいくには危険が伴い主人公くんは、覚悟を迫られる。愛する女のためならと危険を承知で面会するも、実は重症でもなんでもありませんでしたよっと。雨降って地固まる。父親と娘は和解しハッピーエンド。最後にはとってつけたかのように主人公くんと結婚式、娘も出来てよかったね。