時間停止と不可避な運命「光井瑠璃」シナリオの感想・レビュー

主人公くんのアシストで母親の束縛から解放された少女が恋心に悩むお話。
フラグ構築後は白亜がメインとなり、SF要素が入った『ONE』展開です。
途中から並行世界の観測者による未来の確定と世界の修復の話となります。
……完全に白亜さんを未来から世界改変に来た主人公くんの娘だと思い込んでました。
with ribbonってこのメーカーの作品だから同じ題材を2回使うわけないですよねー。

光井瑠璃のキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • 面倒くさい系少女:光井瑠璃
    • 光井瑠璃は主人公くんのクラスメイト。表面的には良い子ちゃんの優等生を演じ、クラスでは人当たりも良く明るいキャラを設定し、主人公くんにも友人のように接してくれます。しかし、自分の意志を主張することを苦手としており、母親から束縛され、唯々諾々とした毎日を送っていたのです。そんな中、主人公くんが時間停止時計を持っていることを知ると、お手軽に非日常を体験できるとテンションマックスになっていきます。それ故、塾をサボってプールで遊んでいることがバレてしまい、しかもお嬢様学校への強制転校もあって、万事休す!しかし、ここで主人公くんの助けが入り、感情任せの喧嘩を避け、母親と合理的な話し合いをすることができたのでした。以来、瑠璃は主人公くんへの好感度がマックスとなり、和解した母親からも今だそこだ押し倒せと支援を受けるようになったのでした。瑠璃√前半は自分の好きという感情を持て余しウジウジする瑠璃を眺めることが主眼となります。

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  • 並行世界観測・修理固成・未来改変
    • 後半は瑠璃がメインではなく白亜が主役を張ります。主人公くんへの好意を素直に表現できない瑠璃に対し、白亜はブチ切れ。つい干渉して手助けしてしまいます。そうなんです!正史では瑠璃のせいで、世界が滅茶苦茶となってしまったのでした。正史の主人公くんはイモウトの足を治すために医療系の道をひた走り、何でも治せる復元細胞を開発することになるのですが・・・。瑠璃が自分の好意を伝えられなかったことが、悲劇に発展してしまうのです。瑠璃は主人公くんのことを愛しているにも関わらず、素直に言えなかったため、自分の父親の会社の施設を与えることを見返りにして主人公くんと結婚するという形をとるのです。瑠璃の家の力で主人公くんは復元細胞を開発できましたが、時すでに遅く30代となっており、イモウトの青春はもう二度と取り戻せないと知って絶望するのでした。こうして、絶望した主人公くん、兄を政略結婚で寝取られたイモウト、愛すればこそ愛がない結婚をしてしまった瑠璃と三人に悲劇が舞い降りたのでした。
    • 白亜はそんな未来を回避するために未来改変を行おうとしている修理固成サイドの人間なのですが、過去に干渉できる権限は限られていました。その限度を超えて、光井瑠璃を支援してしまうのです。その罰により白亜は、その存在が主人公くんたちの記憶から消去されることになりました。由緒正しきエロゲ文法「ONE」展開ですね。何とかして白亜を探し出そうと薄れる記憶に抗いながら時間停止時計を使って獅子奮迅するのですが、時間停止時計にも回数制限があり、100回使ったため時間停止空間に封じ込められてしまいます。
    • 主人公くんはせめて光井瑠璃だけでもと、自分が犠牲になり光井瑠璃の時間停止を解除させます。するとどうでしょう、現世では主人公くんの存在もまた徐々に忘却されていくのでした。主人公くんや白亜の存在を忘れたくない!そう願ったヒロインたちは、自分たちがどんなに主人公くんを愛しているかを語ります。世界を修復させようという修理固成の力は、なるべく変動の幅を少なくさせようとします。もし、主人公くんの存在を消そうとしても消し尽くすことが出来なかったらどうなるでしょう。主人公くんの存在があるという方が正当化され、修理固成の力は主人公くんを復活させるのです。こうして主人公くんも白亜も現世に舞い戻ることができてハッピーエンドを迎えたのでした。

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