しろくまベルスターズ 鰐口きららシナリオの感想・レビュー

しろくまベルスターズ♪のきららシナリオは「夢のための選択」というおはなし。
自分が望んだ将来の進路を選ぶかそれとも女を選ぶのか。どっちを選んでも未練が残るが、それもまた人生。
まぁ、結局はご都合主義で、予定調和にハッピーエンドなの。
あとこのシナリオ展開と会話テキストにおいて冬馬さんの頭のネジが数本吹っ飛んでる気がします。

鰐口きららのキャラクター表現とフラグ生成過程


鰐口きららは大家のお孫さん。郷土愛に富んだしっかりもので、今日も愛する店子のために大活躍。しかし座学は苦手で地方公務員初級一浪中。それにも関わらず勉強しないで現実逃避。決して頭は悪くなく、街のために役に立ちたい献身に満ちているが、試験に受かんなきゃね。もともときららはサンタとしての素質を持っていたが為に、冬馬たちのクリスマス訓練を目撃してしまう。冬馬はきららが秘密をばらさないか気が気ではなく、きららに口止めをしてもらうために近づいていく。だがそのうちにきららの魅力に惹かれていくのだが、なんというかきららシナリオの冬馬さん、他のシナリオと比べて頭のネジが吹っ飛んでるくらいのテキストとプロットの展開。むしろきららさんとの情交よりも婆さんのはなしの方がメインと思われるほどなので、11話まではなんとか我慢だ。一日に数クリックしかする気が無くてリアルクリスマスは過ぎちゃったぜ。もう30日だ。閑話休題、フラグ成立までの内容としては、口止めのためデートをしたり、廃棄された人車を修理して街に寄贈したり、寄贈した人車の見張り番をしたりして好感度を上げていく。きららさんとの日常描写における冬馬さんの人格が崩壊していく様が凄まじいね。



メインとなる婆さんの話は「夢の残骸」。フラグが成立し処女喪失した後、乳繰り合うのも束の間、冬馬の転勤の噂が持ち上がる。そのとき、どうしても冬馬が外からやってきた異邦人であることが強く意識されてしまい、将来ずっと一緒にいられないのではないかとギクシャクしてしまったときの小話に挿入される。きららの婆さんの旦那は、物書きだったが、婆さんのために夢を捨てた。しかし、夢を捨てきれることなんてできなくて未練たらたらの生涯を送ってしまった。毎日毎日駄文を書き散らし、夢を捨てたものの捨てきれず、這い回る様子はなにを残したのか。ななみシナリオのジョーさんもそうだったが、この手のはなしはどうしてもシンクロ率が高くなるからいけねぇやぃ。で、冬馬にも女のために夢を捨てるのか、夢を捨てても未練に縛られるぞという呪詛がかけられるというわけさ。冬馬は呪いが解けぬまま煩悶を抱えてクリスマスイブを迎えるが、当人が幸せでないと力を失うのが御伽噺の住人。きららとの情交に不安を抱える冬馬は飛べなくなって真っ逆さま。しかしそのとき堕ちながら街の灯りを見て、その明るさは空のものだか地上のものだか区別がつかなくなる。そのとき悟った、空も地上も同じで、離れていても繋がっているのだと。きららと共鳴した冬馬は一念発起、力を取り戻して復活。婆さんたちの願いである、鳴らない塔のベルをもう一度鳴らすという願いも叶えてハッピーエンド。