eラーニングアワード2013フォーラム

ICT教育の研修として「eラーニングアワード2013フォーラム」に参加した。よく言われていることだが学校はすでに知識習得の場ではなくなりつつある。また、教員が一斉授業やグループ授業でタブレットを使うという時代も過ぎ去っている。現在は、生徒たちがネット講義で自律的に知識を習得し、集団の場では協働学習を行うことが求められているのだ。(まぁ協働学習をタブレット使ってやってるだけじゃんかとも思うが・・・)そして教員はファシリテーターとして進行・まとめをする役割に変化している。

自ら学びたくなる授業「ゲーミフィケーション×授業」実践

ファミコンを例に挙げ、なぜマリオやドラクエは面白かったのかを分析し、その要因を授業に生かそうとする試みの紹介である。受験勉強をゲームに例えて攻略していく戦略的な思考はこれまでにも見られたが、教員が積極的に授業をゲームとしてプロデュースしているところが評価されたのであろう。ポイントは以下の6つ。(1)能動的参加・(2)賞賛演出・(3)即時フィードバック・(4)自己表現・(5)成長の可視化・(6)達成可能な目標。私の授業の場合ならば「達成可能な目標」は毎週1頁終末課題を出し講義の最初に小テストをしていることが当てはまるであろう。「成長の可視化」は小テストの結果をグラフにして毎回掲示してステータス表示できるので可能である。問題は一斉授業だと能動的参加と自己表現であろう。講義の中に作業系の学習を取り入れて対応していきたい。

一人一台のタブレット環境で学びはどう変わるか

社会が変わったのだから社会の形成者としての資質も変わる。だが、学校の授業は一斉授業のままだ。これでは21世紀型スキルには対応できない。そのためICTを使い、これからの時代に必要な能力を身につけなければならならず、「生徒が主体的に学び、学び合う授業」が求められている。生徒はICTで以下の能力を身につけることができる。(1)情報を収集したり選択したりする(2)自分の考えを文章にまとめたり、調べたことを表や図にまとめたりする(3)分かりやすく発表したり表現したりする(4)繰り返し学習や個別学習によって知識の定着や技能の習熟をはかる。一人一台タブレットを持つことによって「学ぶ実感」と「学習意欲」を活性化できるという。

5分の空き時間でもストレスを感じさせないe-Learning

知識の定着のためにタブレット端末を使用する例。必要に駆られて効率よく知識を定着させなければならない後ろ向きな人たちに、どのようにすれば知識を増やしてもらえるかを研究したもの。ここで重要であると思われるのが「ストレスの少ない受講」と「効率的な知識習得」である。まず前者であるが、必要なときに必要な情報が即座に得られなければならないということである。講義の動画に辿り着くのにログイン作業をしたりリンクを探す手間がかかるとダメ。簡単に必要な情報が探せるようにしておかなければならない。後者の「効率的な知識習得」であるが、コンテンツのカテゴライズかを考え、一つの動画が5分を超えてはいけない。空き時間を利用して手軽に見られるものにしなければならない。スナック感覚で行えるスナック学習である必要がある。

教育におけるWindowsタブレットの活用方法

結局のところ、タブレット端末は道具にしかすぎない。あくまでも現在の人材育成に求められる「21世紀型スキル」を身につけさせるのに効率的なのがタブレット端末の利用なのである。「21世紀型スキル」を身につけさせるには、協働学習やアクティブラーニングを行う必要があるが、それをタブレット端末を用いてやれというのである。一人一台タブレット端末を支給し反転授業を行うのも、全ては授業が「知識の習得」の場ではすでになくなっていることによる。勉強は自分でするものであり、学校の授業とは考えをより深めていく場であると。そう考えると昔の大学の演習と変わらない気もする。論文をあらかじめ読んでいって講義では議論をするという形式を小中高でもやれということであろう。タブレット端末を使って。