雑録

あの晴れわたる空より高く「導木ほのかシナリオ」の感想・レビュー

ほのか√は、町工場における高度な職人技術に対する熱い想いがテーマな「へら絞り」ゲー。
製造業を支えるブルーカラー!いまこそ中小企業の底力を見せる時だ!!
本作とは関係ないけど製造業の悲哀は「とろ鉄」を読んでいると一層理解が深まるかと。
(特に不渡りをくらって倒産寸前になるところとか)
昔気質のおやっさんが良い味出してるおっさんゲーでもある。

導木ほのかのキャラクター表現とフラグ生成過程


  • 最初から好感度マックスだがフラグが構築されない理由編
    • ほのかは明るく賑やかしの漫才系後輩。主人公くんとは幼馴染みで幼少期から懇ろな関係を築いてきました。しかしながら進学を契機に疎遠となり殆ど会わない状況が続き、本編の冒頭で1年ぶりの再会を果たします。ほのかと主人公くんは最初から好感度がマックスでしたがフラグが構築できない過去を抱えていました。過去語りタイムの始まりです。主人公くんは中学時代までは漁師の父親を尊敬しており自分も漁師になるのだと息巻いていました。釣り部を創設し、漁師スキルを磨く毎日。その釣り部へ漁師のお嫁さんになると称して入部してきたほのかと乳繰りあいながらも楽しい時間を過ごしていたのです。ここでほのかは仲の良い先輩後輩の関係に我慢ができなくなり、主人公くんの恋人になりたいと願うのですが、間が悪いことに告白した瞬間に主人公くんの母親が亡くなったという電話が入ります。母親を亡くしたことじたいも主人公くんにとって衝撃だったのですが、父親との関係もまたギクシャクしたものとなってしまうのです。それというのも、主人公くんの父親は漁に出てしまい、死に目どころか葬式にも摩庭なかったのです。主人公くんは絶望を感じる一方で、自分とほのかの関係もまた父親と母親のようだと恐れるようになり、ほのかの告白を蹴ってしまったのでした。こうして主人公くんとほのかのフラグはクラッシュされ、仲の良いセ先輩後輩の関係で居続けることになったのです。



  • かなりシリアスな展開をしているのになぜかギャグ
    • 主人公くんとほのかの関係に煮え切らないロケット同好会ビャッコのメンバーたちは、さまざまな画策を行います。そしてとうとう二人の間にフラグが成立!かと思ったらボタンの掛け違いによって、なぜかセフレ展開に。主人公くんはほのかを恋人にしたつもりであり、自分が父親に抱くコンプレックスや、家族を蔑ろにしてしまいそうであったことの恐怖を吐露するのですが、ほのかには間違って伝わってしまう悲しさよ。やってることはかなりシリアスなのに中身がギャグ過ぎる流れです。そして主人公くんの妹やほのかの兄貴にもセフレと勘違いされたままおやっさんに通報されるという始末。まぁ最終的に誤解は解けるのですが。そして物語の最終局面においてもシリアス的ギャグ展開が遺憾なく発揮されます。過労で倒れてしまったおやっさんに対して町工場を継承する決意を示し、婚姻届を記入するのですが、それは婚姻届に名前を書かせるための策略だったのだ!という感じ。最後までギャグで落としました。



  • 町工場スキル
    • 黎明夏帆シナリオが理詰めでロケット開発を行うのに対し、導木ほのかシナリオでは町工場の技術を勘と経験で覚えることの重要性が描かれていきます。ほのかを選ぶとロケット開発では機体部門を担当することになります。フィン(尾翼)とフェアリング(ロケットの先端部分)の製造と組み立てを行い、ロケットがどのくらいの風速まで耐えられるか勝負するというものです。シナリオは当初、機体のデルタ翼の開発やVaRTM工法における問題点の解決などに焦点が当てられているのですが、なぜか途中から「へら絞り」ゲーになります。ほのかの実家の町工場が不渡りを食らってしまい、納品した会社が報酬を払わず倒産してしまったのです。おやっさんは頭を下げて仕事を受注してくるのですが過労で倒れてしまい、パラボナアンテナ99個を主人公くんとほのかで作らねばならなくなったのでした。腕力が足りないほのかと技術が足りない主人公くんは二人三脚で「へら絞り」を行いパラボナアンテナを作っていきます。もうこいつらヘラ絞りしかしてないぜ!!製品は納期に間に合わせることに成功したのですが、気づけば既に大会前日。しかし、彼らにはこれまでの製造で身につけた「へら絞り」技術があったのです。最後まで諦めなかった二人は技術を駆使して機体製造を行います。ここでライバルキャラが職人技術に難癖をつけてくるのですが、そのキャラは幼い頃に事故に遭い細かい作業ができなくなった為に工作機械の開発に血肉を上げるようになったエピソードが紹介され、これまでのウザさが解消されるのです。最終的に苦難を乗り越えた二人の機体はマッハの風に耐えきり優勝を果たしたのでした。優勝者インタビューではおやっさんに「ごあいさつ」をする流れになり、娘さんをください!と叫び町工場の跡取りとなることを宣言します。