雑録

花の野に咲くうたかたの「桜花さんグランドエンド」の感想・レビュー

桜花さんエンドは観測理論。可能性世界は観測することによって初めて確定される。
桜花さんとは屋敷にいた人々の記憶の残滓を主人公くんが思念体として確定させたものだった。
愛する女を具現化させるため主人公くんは異能を駆使ししてセカイを創り変える。
こうして桜花さんをヒトとして観測し、存在が決定づけられてハッピーエンド!
雰囲気としては水月の雪さんや撫でディスの琴子をやっている感じに近いかな?

グランドエンド概要


  • 桜花さんと憑依合体
    • 桜花さんは本作品のメインヒロインであらっしゃられる家屋敷妖怪。数多の文芸作品に触れることで高い推測力を獲得し、飄々とした口ぶりで全てを見通した振る舞いをしています。しかしその分ちょっとしたことで見られる桜花さんのドギマギがプレイヤをニヨニヨさせてくれるでしょう。そんな桜花さんですが、全ての個別ヒロインを攻略するとルート規制が解放されます。個人的にはもっと伝記伝承編を絡めてシナリオ統合して欲しかったと思うのですが、現実では汐音ルートからの派生でちょっと悲しい。汐音シナリオでチンピラと戦う場面があるのですが、ルート解放後には桜花さんと憑依合体できる選択肢が出現しますのでそれを選べばOK。桜花さんと憑依合体するとあら不思議!主人公くんは桜花さんの世界観の視点を経験し、桜花さんも主人公くんの世界観を共有するのでした。こうして無双状態となった主人公くんですが、その行為は付加をかけさせすぎるものでした。主人公くんはチンピラを蹴散らすと意識不明の状態になります。ここで改めて主人公くんの異能とは何かが問題になってくるのでした。主人公くんの異能はどうやら街全体で祀っていた伝承の宝具と密接な関わりがある様子。とりあえず桜花さん個別エンドを見たらトップに「花の野に咲くうたかたの」が出現するのでチョイスしてセカンドOPを見ましょう。スタッフさん!ここは別ソング用意してやってくれよぉぉぉ!!!



  • 主人公くんの異能の真相編
    • 本作品の舞台の街には「鏡石」の伝承がありました。それはヒトの記憶に関する御神体。本殿のオヤシロ以外にも「鏡石」は複数あり、様々な祭具が存在していました。その「鏡石」が主人公くんの異能に影響を与えていたのです。幼少期に主人公くんは事故で失明したわけですが、現在も実は治っておらず失明したままだったのです。では現在主人公くんはその目に何を見ていることになるのでしょうか?それは山頂の本殿を確認していった時に明らかになりました。第二次大戦の爆撃で山の頂上にあった本殿が消滅したことは個別ヒロインパートで明らかになっていましたね?桜花さんルートではそれを確認しにいくのです。するとそこには「ギアガの大穴」よろしく認識できない黒い穴があいていたのです。ですが改めて第三者をそこに連れて行くと穴は消え、普通の森に変化します。このギミックの理由は「主人公くんは他者が見て観測した記憶の残滓を見ていた」からだったのです。つまりは主人公くんは他人が観測したものしか認識できず、本殿跡地が大穴のように見えてしまったのは、近年誰もその地を観測していなかったからなのでした。言い換えると第三者が実態は森だと認識確定したことによって、主人公くんもまたその大穴はただの森であると認識したのでした。まとめると、以下の通り。幼少期の事故において主人公くんは骨董品の破片に押し潰されたのですが、その骨董品の中には「鏡石」も混じっており、その破片がまだ脳内に刺さっている。これが主人公くんの異能の真相です。

道隆が見ている色は記憶
…ではそれ以外の見えている世界とは?
道隆の目は相変わらず失明したままだ
見えているのは記憶―
他人が見て観測した情報がこの世界に残り続けて
それを再現して映している


  • 観測理論と桜花さん
    • 桜花さんは「主人公くんが観測した桜花荘に残った記憶の残滓」であることが判明しました。それだけなら良かったのですが憑依合体を行い、お互いの世界を共有したことで主人公くんの異能が異変をきたすのです。このまま桜花さんを観測し続けると主人公くんは失明どころか廃人になってしまうとのこと。ここで桜花さんを消失させる選択肢も登場しビターエンドを迎えることも可能です。しかし最後まで桜花さんを求める選択肢を選ぶと、主人公くんはセカイの認識を創り変えることにチャレンジすることになるのです。桜花さんは主人公くんの為を思って姿をくらますのですが、主人公くんは桜花さんとの逢瀬の記憶の足跡を辿っていきます。この過程において個別ヒロインたちが登場し、桜花さんに世話になった記憶を想起させるのです。お約束の大団円展開。桜花さんは最早主人公くんが観測しただけの存在ではなく多くの人々に認識を残していたのでした。ヒロインズたちに背中を押された主人公くんは自分の命を賭してでも桜花さんの存在を定義づけます。主人公くんはその異能を解放し、桜花さんがヒトとして決定される観測を行ったのです。セカイを創り変えた主人公くんが目を開けるとそこにはヒロインズたちと桜花さんの姿が!!こうして記憶の残滓から人間にクラスチェンジした桜花さんと共に歩んでいくよとハッピーエンドを迎えます。



記憶を扱う祭器。
それを祭った神社の前身を持つ桜花荘という場所
ここに積み重なった数多の記憶
それらを束ねられる道隆の記憶を観測できる目
これら全てが積み重なって生まれた偶然に過ぎないんだ

ヒトとして定義づけたのは道隆だ
君が観て、ボクは存在を決定づけられた訳だ