水葬銀貨のイストリア「サブヒロインズ個別回収編」の感想・レビュー

真ヒロインである玖々里を犠牲にして日常に回帰すると夕桜&ゆるぎのサブヒロインズ√になります。
夕桜√は賭博を生業にしていた主人公くんを解放するはなしで、娯楽として賭博を楽しめるようになります。
ゆるぎ√は花火部の先輩が祖父を亡くして精神崩壊するのですが、プラネタリウムのデジタル花火で即復活。
なんというか数合わせ。別にサブヒロインズの個別√はなくても良かったのではないかという感じです。
特に花火部については折角「花火」という題材を取り扱ったのに色々と活かせていなくて残念な感じでした…

夕桜√概要


  • 賭博師としての主人公くんを(社会的に)抹殺するはなし。
    • サブヒロインズ√では賭博から足を洗った主人公くんでしたが、妹の夕桜の保護と引き換えに、再び賭博師をするように飼い主に命じられます。しかしこれをよく思わなかったのが、主人公くんに裏切られた祈吏という少女でした。主人公くんは自分の正体を隠して賭博師として活躍していたのですが、祈吏は主人公くんを尊敬する一方で、その賭博師は憎んでいたのです。(当初祈吏は主人公くん=憎んでいる賭博師と気づかなかったので)真実を知ると怒り狂うことになったのですね。
    • と、いうわけで、主人公くんが再び賭博を始めると、祈吏は感情を露にして主人公くんに襲い掛かってきます。主人公くんはこれを返り討ちにしても良かったのですが、ここでイモウトが立ち上がります。祈吏に対して主人公くんを賭博の道から救ってくれと願うのです。つまりは祈吏は「賭博師」としての主人公くんが嫌いなだけなのだから、主人公くんが賭博に負ければ、飼い主も主人公くんの利用価値を失うので「賭博師としての主人公くん」は死ぬだろう、と提案したのです。怒り狂う祈吏に対し、夕桜がDOGEZAを決めるのが夕桜√の一番の見せ場ではないでしょうかね。
    • そんなわけで主人公くんは賭博に敗退。主人公くんが負けた理由はカネを稼ぐためだけに賭博をやっていたのであって、賭博そのものを楽しめなかったということ。こうして主人公くんの代わりに祈吏が飼い主に日々のシノギを払ってくれることになり、主人公くんは枷から解放されたのでした。ちょっとご都合主義感も満載ですが、2年後には祈吏と主人公くんの関係性も修復し、主人公くんも「楽しんで」賭博を行うことができるようになりましたとハッピーエンドを迎えます。
    • あと夕桜√では水族館に行きベニクラゲが不老不死であることが唐突に挿入されるのですが、『はるくる』がそれをループものの題材にしていたのをふと思い出しました。

ゆるぎ√概要


  • 花火部の先輩に関するはなし
    • 花火部の先輩の祖父が死んでしまいます。先輩は祖父が大好きだったので、その反動も大きく精神崩壊してしまうのです。そして花火を見ると辛いので花火なんて嫌いになっちゃっとかいうアリガチな展開。先輩のことが好きだったゆるぎは、もう一度花火を見せれば先輩は復活するかもしれないと息巻きます。しかし、学生である主人公くんたちが打ち上げ花火などできるわけもありません。そんななか、かつての仕事仲間である灯さんから大型娯楽施設のパンフレットを貰います。なんとそこのプラネタリウムではデジタル花火をやっており、なんとそのショーの再現に協力したのが先輩の祖父だったことが判明します。こうして先輩と一緒にプラネタリウムで花火を見ると、おじぃちゃんの花火だーということで、先輩は即座に復活するのでした。安直!!こうしてハッピーエンドを迎えます。
    • ゆるぎ√では先輩を通して「愛する祖父の死を乗り越える」ことや「打ち上げ花火」を題材にしているので、これらをもう少しきちんと深めた内容になっていれば、もっと面白かったかもしれません。や、ホント花火に関してはもう少しどうにかできなかったものかと。