雑録

蒼の彼方のフォーリズム EXTRA1(真白アフター)の感想・レビュー

ぼっちだった真白が本編で構築した社会関係資本からリターンを受け料理と御洒落を修行するはなし。
人生とはハムスターの滑車のようなものでゴールがなくとも走り続けねばならない最悪の箱庭。
そんなひたすら頑張らねばならない消耗戦において「努力し続ける」ことができる真白の強さをここに見よ。
走り続ける辛さに耐えられず投げてしまった主人公くんを目覚めさせるのは真白の泥臭いカッコ良さ。
めんどうくさい系少女な真白はへこたれて落ち込むも、いつのまにか起き上がり立ち向かっていく。
分割商法で短くはありますが、イチャラブキャラゲーFDとしては良くできていたのではないでしょうか?
立ち絵変化で髪型や服が変わるのがとても可愛い。あとうどん屋物語も好き。うどんピザ。

ファンディスクにおける真白アフターのみどころ!

  • ぼっち系少女が構築した交友関係により支援される展開がハラショー!
    • 有坂真白はぼっち系少女でした。しかも孤高ぼっちではなく、内気で人付き合いが苦手なものの温かみを求めてしまうタイプでした。それゆえ気まぐれに真白をかまってあげたみさきちに懐いてしまい、その縁で主人公くんとも知り合います。みさきちにちょっかいをかける邪魔な存在、それが当初における真白にとっての主人公くんの存在の在り方だったのです。本編の題材であったフライングサーカスも、真白はみさきちがやるから私もやるとくっついて参加しただけに過ぎませんでした。しかし様々な本編イベントを経て真白は自らフライングサーカスが好きになり、その活動を通して多くの人間関係を築き上げていったのです。ファンディスクでは、その仲間たちが、真白の修行に付き合ってくれるのです。真白が成長していく姿をとくと眺めようではありませんか。--真白は自己肯定感が非常に低かったため、邪神ちゃんというイマジナリーフレンドを創り上げて対話し、わざと自分を否定させるという癖を持っていました。真白は自我崩壊の危機を邪神ちゃんとの自己否定と自己弁護により防いでいたのです。そんな真白が歪んだ方法ではなく、前を向いて積極的に立ち上がれたところでは思わず一人で拍手喝采してました。

  • 「もうゴールしてもいいよね?」だと!?人生にゴールなんてなくて永遠に努力するんだよ!!
    • 私たちプレイヤーは真白が料理と御洒落の努力をするおはなしを眺めることになります。ただ単に真白のテキストを読んで可愛いなぁと思うだけでもキャラゲーとしては充分なのでしょう。しかしそれだけでは終わらずちょっとしたイイハナシダナー展開にもなるのでぜひご覧ください。ただのキャラゲーと一味違うのは、人間が生き続ける限りしなければならない努力の終わりなく果てしない頑張りの絶望感を、真白が肯定的に捉えさせてくれるのです。かつて主人公くんは楽しいからとフライングサーカスをはじめ、努力と才能により実績を残しましたが、次第に努力する辛さに耐えられず全てを放り投げてしまったのです。主人公くんは心の安寧を得ましたが、それはフライングサーカスそのものと縁を切ってしまうことになりました。そんな諦めた主人公くんに対し、真白は辛くても苦しくても上手くいかなくても絶望してもなぜか立ち上がってくるのです。そんな真白に惹かれた主人公くんは本編でトラウマを乗り越えることに成功するのですね。この生きている限り永久に努力をしなければならないという煉獄のような状況を、真白は健気に明るく肯定してくれるのです。救いのない世界で生きていくための強さを教えられた気がしたのでした。