1.Editing of "History of Fukui Prefecture"
- 本州とnorth-sea-roadで一番違うことは何か?
- 出版される冊数が圧倒的に本州の方が多い。
- 福井県の風土
- 本州の地方史編纂
- 必ず時代ごとに部会を作る。
- 資料編と通史編
- 通史編の方が冊数が多くなる 福井県史は資料編19冊、通史編6冊。North-sea-roadは別。資料編よりも通史編が多くなる。North-sea-roadは資料がないから。資料編が多い方が研究者の間では価値・評価が高い。
- 資料編
- 写真で集めていることに注目。資料を写真に撮って持ってくる。
- 保存の責務
- 人材育成
- 小葉田さんのすごさ
- 監修者として実際に全巻を読んで序文を書いている。
- 従前の福井県史
- 1922年、1957年に編纂されたものも利用価値として高いものがある
福井県史編纂の研究成果
(1) 羽二重から人絹へ
- 福井県では羽二重シルクが有名となる
- 高級絹織物。羽二重は白い生地、輸出されて加工される
- 羽二重からレーヨンへ
- レーヨンは人絹。第一次世界大戦で羽二重は売れなくなり、レーヨンへ転換する。人造繊維の走りとなる(羽二重は蚕から作る)。レーヨンの原料はパルプ。紙も作るがレーヨンも作れる。1937年、日本はレーヨン生産量で世界一となる。レーヨンの糸を大量に作るようになる。
- 島崎織物・勝山機業兄弟は比較的大企業。
(2)横浜商人からの自立
- 設立時
- 絹の流通
- 長野産・岐阜産生糸→横浜商人集積→横浜が輸出向け生糸と国産向け生糸に振り分けて出荷→福井では横浜商人から生糸を購入し、羽二重に加工→もういちど横浜へ→横浜が世界へ出荷
- 原料生糸の調達経路。
- 長野産・岐阜産生糸→横浜商人集積→横浜が輸出向け生糸と国産向け生糸に振り分けて出荷→福井では横浜商人から生糸を購入し、羽二重に加工→もういちど横浜へ→横浜が世界へ出荷
- レーヨンの出荷
- 全国の工業地帯でレーヨンが作られる→福井では横浜商人を介さずにレーヨンを獲得→レーヨン織物→神戸で出荷
- 大企業が地方を従属させた!という研究者もいる。
- 全国の工業地帯でレーヨンが作られる→福井では横浜商人を介さずにレーヨンを獲得→レーヨン織物→神戸で出荷
(3)人絹織物高級化投資
- 製造方法
- textile(糸)→製織(織物)→refinement(精錬)→dyeing(染色)→完成
- 島崎織物は、精錬や染色で儲かるのに何故か製織機械を買っている!!なぜ?→レーヨン織物の高級化投資を行っている。営業報告で機械の購入が全てわかるので、そこから分析できる。
- textile(糸)→製織(織物)→refinement(精錬)→dyeing(染色)→完成
- レーヨン不況
- レーヨンは売れるけど安いからいくら売っても儲からない。だから「高級化」を図った。「撚糸」を目指す。
質疑応答
- 福井で養蚕業が発展しなかった理由
- 福井では地元の生糸を使わず横浜商人から生糸を買って、羽二重を作っていたが、それは何故か。
- 福井では織物業が盛んになったのが明治になってから。それまで養蚕業が盛んではなかったので、横浜から生糸買った方が早い
- なぜレーヨンの技術革新に拘ったか
- 羽二重は半製品で欧米で加工される。一方レーヨンは加工済みの製品でアジア向け輸出でマーケティングの余地があった。
- 福井では地元の生糸を使わず横浜商人から生糸を買って、羽二重を作っていたが、それは何故か。