すかぢ『幼女さまとゼロ級守護者さま』(GA文庫、2017年)の感想・レビュー

主人公くん無能力系学園異能バトル。勿論無能力は評価システムギミックなだけであって俺TUEEEEです。
視点交換ザッピングギミックにより途中までウザキャラを演じている道化師が本物の主人公。
とてもよくウザさが表現されており、あまりにも露骨なため、読者はここで気付いてね!という合図。
途中まで真面目にダンジョンの謎解きをしていたにも関わらず、最後はちゃぶ台返しとなるのもお約束。
やたらと変な漢字にカタカナのルビをふる中二設定とタロットの説明を越えられれば面白くなるので頑張りましょう。

雑感

  • 主人公くんがピエロ演じてるところの種明かしがクライマックス
    • 中二系異能バトルってやったら設定が凝っていたりとか、やたら難しい漢字を無理やりなカタカナで読ませたりと読み進めるのが大変。バトル描写もよく分からないので投げてしまうことも多いのですが、頑張って読んでいきましょう。ある程度読み進めていくと次第に面白くなってきます。ダンジョンの謎解きは一見メインでありながら実は茶番であり、一番面白いのは主人公くんのネタ晴らし。作品全体のギミックとして本編の途中まで語り手となっている、真っ当な主人公っぽいキャラが実は噛ませ役。この噛ませ役に対してウザキャラを演じるのが本当の主人公くんというわけさ。主人公くんの至上命題は幼女さま第一主義。そして幼女さまは博愛主義。そのため誰も犠牲になることを望まない。誰も死なせないためにパーティーの一致団結のために、主人公くんはわざとウザキャラを演じ、いじめのスケープゴートとなることで、集団の一体性を醸成することに成功する。途中まではサクサクと攻略が進むのだが、真っ当な主人公くんっぽいキャラが実は幼女さまを害する存在だということが判明。しかもここでちゃぶ台返しが起こり、パーティー内では誰も手が出せない強キャラが出現。で、ここで主人公くんが颯爽と活躍し俺TUEEE的な展開で強キャラを倒し、今までピエロだったことを明かしてオチとなります。
  • 真骨頂はあとがきかもしれない
    • かつてサクラノ詩の開発が10年凍結されていた時に、けろQ/枕が新作を出すたびに「サクラノ詩はまだですか?」というのが一種のお約束となっていました。様式美。しかしながら本当にサクラノ詩が発売されてしまい、お約束のやり取りができなくなったかと思っていたら、特典のインタビューでファンディスクとして『サクラノ刻』が10年以内に出るとの発言が述べられているではありませんか!やったぜ、様式美復活。これから新作がでたら『サクラノ刻』はまだですか?と言おうと思ってこのラノベを読んでいたのですが、あとがきでこのことについて触れられてしまっているではありませんか!!何でもこのラノベの発売が決まった当初にお約束のやり取りがもう既にあったらしく、それがあとがきで「ループ世界の住人」としてネタ化されているのです。