雑録

夜巡る、ボクらの迷子教室「新島きなシナリオ」の感想・レビュー

イジメ克服モノ。教員が過去に学級経営で失敗したトラウマを発動させると、脛に瑕持つ少女がイジメ体験を吐露。
お互いに瑕の舐め合いをしてフラグが成立!!しかし今度は少女がイジメっ子と再会しトラウマ発動!
イジメをテーマにした作品はH2Oや素晴日々、俺つばなどがありますが、やはり共感的屈辱を抱いてしまいます。しんどい。
このシナリオもイジメ描写に力が入れられており、エスカレートしていく様子がえぐいしヒロインの生殖器に漏斗でゴキブリin。
最終的に根本的な解決はなされず報復して殴って退学。生存理由を無くした少女に俺のために生きろエンドとなる。

瑕の舐め合いでフラグ成立


  • 学級経営に失敗すると授業まで成り立たなくなるので教科指導の前にまず生活指導があるのだが、大学直系エスカレーター私立では腐敗しておりそれもまた難しい。
    • いや、ホントどの√でも「大学直系エスカレーター私立の腐敗」が残酷なまでに描かれていますが、きな√ではかつて教員を退職に追いやった受け持ち生徒たちが平然と古傷を抉ってきて、教員は精神崩壊します。
    • 大学直系エスカレーター私立というのは非常に厄介であり、作中で表現されている言葉の通り、「生徒は生徒であって生徒ではない」のです。つまりはお客さん。甘やかされて育った富裕層のボンボンであり、世の中を舐め切っており、何をしても結局は親がカネで何とかしてくれるとう思想の持主なのです。そのため授業で学ぼうという姿勢は全くなく、勉強など面倒くさいと思っており、教員など娯楽の提供者か何かだと認識しているのです。こいつ、なんか面白いことをしろよとエンターテイメントを求める対象として教員を見ているのです。
    • しかも母集団が首都圏規模でしかない中学入試や高校入試の時点で勝ち組となったため、小学校や中学校程度の内容で自分が頭良いと勘違いし、ぬるま湯につかり切って錆びつき玉磨かざれば光なしという現状を見ようとしないのです。つまり学力が一番高かったのは入学時でありあとは落ちていくだけにもかかわらず、変なプライドばかり高いという特性を持ちます。
    • それゆえ大学直系エスカレーター私立の生徒は自分の欠点や過ちを認められないという傾向になり、注意しただけで不貞腐れてしまうため、生活指導がこれまた非常に厄介です。「失敗しながら指導されて基本的生活習慣や社会的な道徳を身につけていく」ということができないというわけです。
    • そんな教育界の癌のような存在でしかない大学直系エスカレータ私立の存続が許されているのは、大学側が安定した資金の供給源として生徒を捉えているため。生徒=学費納入マシーン。学歴をカネで買う富裕層がいるからこそ、大学を経営したり本当に必要な優秀な人材を授業料免除等によって集めたりすることが出来るのです。
    • そんな構造的腐敗性を持つ大学直系エスカレーター式私立でまともな「教育」をやろうと意気込んでしまったのが主人公くんの運の尽き。「教育」をせず「なぁなぁ」で済ますことが求められている状況の中で、本気で「教育」をしようとしまったがために、自己分裂に陥ってしまうのです。いやホント人事担当者は一生懸命教育活動やろうとしている人材を大学直系エスカレーター私立に採用すんなよと言いたいです。学校に忠誠を誓うコネ採用や卒業生を採用してください。
    • 以上により、主人公くんは学級経営に失敗してしまい、挫折し、退職することになったのです。そんなトラウマを抱えながらも新天地でリスタートを切った主人公くん。困難を乗り越えようやく軌道に乗り始めるのですが、そうは問屋が卸さない。かつての教え子に再会し無残にもおちょくられ精神崩壊してしまったのでした。


  • 新島きなのイジメ描写
    • 精神崩壊した主人公くんと瑕の舐め合いをするために、新島きなは自分が受けたイジメの経験を吐露していくことになります。まぁ良くある展開なのですが、徐々にエスカレートしていくイジメの残酷さがとても力を入れて表現されています。イジメ描写で定評があるのはH2Oにおいて出身階層により差別を受ける事例とか、素晴らしき日々や俺つば第1章において抵抗しなかったため低位カースト認定されて蹂躙される事例とかなどがあります。きなの場合はカースト上位者の気まぐれで排斥の対象となり、仲良くしていた友達が離れていき、私物隠し(上履き隠しや筆入れなど)から、私物破損(机イタズラ、教科書や体操服破り)にまで発展し、肉体的暴力を振るわれるようにまでなります。そして極めつけは女性の生殖器に漏斗を突っ込まれ、そこにゴキブリを流しこまれるというもの。こうして凄惨な過去を分かち合った二人は瑕の舐め合いをしてフラグが成立するのでした。
    • しかし新島きなは過去のトラウマに立ち向かわねばなりません。なんと自分をイジメていたイジメっ子と再会してしまうのです。しかし相手は自分のことを覚えていませんでした。きなは自分がPTSDに苦しんでいるのに、いじめっ子が人生を謳歌している姿を見てブチ切れ。暴力に訴えてしまいます。この世の中は手を出したら終わりで傷害として処理されてしまいます。弁護士雇って過去のイジメを穏便に制裁とかできればよかったのですが、きなは退学になってしまいます。
    • 以上により自分が何のために生きているのか分からなくなり生存理由を喪失したきなはイジメっ子の殺害を企てるようになるのですが・・・。そこで主人公くんが生きる理由がないのなら俺のために生きろ!と提示し個人的解決エンドとなります。退学はしたけれども主人公くんが個人的に高卒認定試験をサポートし、最後は大学に受かります。最後の最後でちょっと安易だったかもしれません。