雑録

国史概説011「昭和(2) 植民地工業化論」

(1)統治者たちの植民地研究

  • 戦前日本は植民地を持っていたので、植民地研究が行われていた。
(1)-1.満洲
  • 外地は朝鮮、台湾、樺太南洋群島(公式植民地) 微妙なのが関東州。日本が発表する統計だと関東州とは貿易
  • 満洲は外国
  • 満鉄附属地については日露戦争後の日本勢力(満鉄が行政権を持つ) → 日本の領土ではないが、行政権を持っている。
  • 植民地研究という言葉はない。当時の日本は日本の植民地研究だとは言わない。
  • ただし植民学(殖民学)はあった。植民地経営、移民推進のための学問。有名なのは新渡戸稲造矢内原忠雄
  • 戦後は植民学はなくなる。植民地研究は戦前は盛んに研究され、戦後はいったんなくなる。
  • 満洲関係者が、戦後"〇〇年史"を刊行 → 関係者によるものなので、肯定的
    • 満史会『満洲開発四十年』(全三巻)1964
    • 戦後の研究者⇔記憶・回想  日本人の満洲研究はその人の立場により評価が異なる、認識ギャップが存在する。
  • 最近になって歴史認識問題はますます激しくなっている。 →90年代以降、冷戦が終了し、植民地支配・帝国主義を全面的に肯定する日本の教科書が問題となる。
(1)-2.朝鮮
  • 朝鮮近代史料研究会(1958年5月7日)
    • 総督府官僚:財団法人友邦協会 → 友邦文庫という名前で保管している(現在は、学習院大学にある)
      • 満洲国の日本官僚は霞が関からの派遣。 朝鮮総督府総督府から直接雇われ一生総督府で勤務するので結束力が高い。
      • 友邦協会の中心人物は穂積真六郎 引き上げの時のお世話役で多大な貢献がある。 朝鮮統治の歴史を正確に伝えたい。 だから大学院生を集める。
    • 穂積が結集した大学院生たち →姜徳相、宮田節子、梶村秀樹 旧総督府官僚(129人)にしゃべってもらって質疑応答する(500回)。 
      • 統治者である役人と戦後の研究者が人脈として結びついているので、珍しい。
      • だが、大学院生たちは穂積の思惑とは異なり、植民地には批判的。実証的な研究が進む。
      • 録音テープがすべて残されており、『東洋文化研究』(学習院大学東洋文化研究所)に録音記録が掲載されている、解説もついている。

(2)帝国主義論による植民地研究

(2)-1 民族闘争の重視
  • 民族闘争・階級闘争を重視
    • 76年の当時にあっても古臭い論調(当該教授は78年入学)
    • 現在の評価では民族闘争は今は歴史として大きく扱われない 戦ったのなら大きく変わるはずなのに全然変わってないから 
    • 3.1運動以後は公然とした独立運動はしづらかった
    • 間島、共産党に注目 → 日本の朝鮮人たちは日本共産党に入り、間島の朝鮮人たちは中国共産党に入る
    • 階級闘争、民族闘争をやたらと強調する 
  • 現在の韓国の歴史教科書では、李承晩が強調され、間島パルチザン共産党の動きは無視されている。
(2)-2 帝国主義論が規定する植民地像
  • 実証的な植民地研究は進まなかった?
    • 植民地の役割・意義:原料供給地、製品の市場 
    • 一般論的に帝国主義論ではこの説明が規定されていて、経済的な関係を実証的にみようということは軽視される
    • 実証面で劣っている 理論的に決まっているので細かいところを検証しないで書けてしまう
    • 説明がおおざっぱすぎる、演繹的な論証 理論から要請された説明で終わってしまう 緻密な分析はされない

(3)近代化論・従属理論・世界システム

(3)-1.ロストウの近代化論
  • 70年代の日本では帝国主義論全盛期なので、80年代以降日本で評価される
  • 「伝統的社会」→離陸→「成熟社会」→「高度大衆消費」
  • 当時の日本では、日本以外のアジアが先進国になるとは思われていなかったので反発が起こる
  • 共産主義は離陸をする際の一つの選択肢(病的な姿) 歴史的発展段階を否定するが、離陸の一つとしてはありうる
  • 当時の日本では無視されるが、現在の世界ではロストウの説はあたっている。
  • 全て時間が解決するので、革命運動や民族運動などはしなくても待っていればよい。
(3)-2.従属理論
  • 日本では80年代に流行る
  • 先進国⇔低開発国 フランクは不等価交換だという。 先進国が得をし、低開発国は損をする。
  • 「低開発の発展」とは!?→「低開発」の状況がますますひどくなる。貧しくなる。 
  • 世界経済は発展するが、不等価交換により低開発国は酷くなる → 80年代はアフリカの飢餓が深刻だった
  • マルクスの不等価交換は資本家と労働者の間での適用。 
    • 資本家 → 賃金     → 労働者
    • 資本家 ← 労働力商品  ← 労働者
      • 本来は等価交換なのに資本家が搾取しているので不等価交換
  • 80年代にNICs(→のちNIES
    • Newly Industrializing Countries(Economics)
    • 韓国、台湾、シンガポール、香港
    • (マレーシア、タイ、)
    • ロストウが見るように待ってれば途上国も発展する? → しかしアフリカは飢餓
(3)-3.世界システム
  • ウォーラーステイン
  • 存在するのは世界経済のみ。1国1国の経済を独立して扱うのではなく、世界経済を一つのシステムとみる
  • 中枢−周縁−周辺 或る地域に着目すると、フランクとは異なり、動いている。変化を説明できるようにした。

☆以上は簡潔に説明できるようにしておく!!

(4)東アジア植民地工業化論

(4)-1.朝鮮
  • 植民地近代化論(論敵からの呼称)
    • 植民地近代化論(韓国経済の源流は植民地期)
      • +東アジア資本主義論(掘和生)
  • 収奪論(論敵からの呼称)
  • 二つの立場を克服する道 植民地(的)近代論 →資料12を見ておくこと。
    • 近代という言葉にプラスの価値を置かない マイナス評価
  • 資料11 木村光彦、安部桂司→植民地支配を高く評価する
    • 数字だけでみれば工業化はしている 
    • 当該教授 工業化=近代化ではない
(4)-2,満洲
  • 満洲については資料9を読む。