雑録

ラズベリーキューブ「狩野みなとシナリオ」の感想・レビュー

みなと√良作。農業ガールと共に耕作に勤しみ、休耕となってしまうみなとの祖母の田畑の継承を目指す。
農業描写グッド。畑の世話や収穫、種まきや苗付け、夏期の水田管理や合鴨農法、ビニールハウス作成が楽しめる。
みなとのキャラクター表現が実に良く、農家一筋の元気系小犬後輩が目覚める乙女心がおススメ。
おばあちゃんっ子のみなとが、死期が近い祖母に抱く想いは切なさ炸裂してしまいそう。
主人公くんがみなとと共に農夫に目覚めていく過程も面白く、頼れる兄貴分を遺憾なく発揮する!
専門特化はテーマ掘り下げがぐだるとキャラゲーと堕すが、みなと√は農業愛が貫かれており非常に良かった。
カインズでの買い物描写とか、コスモスどうなったんやとか、祖母の田圃の稲刈りも見たいな!とかはFDに期待。

狩野みなとのキャラクター表現とフラグ生成過程


  • 1学期編
    • 元気系小犬後輩は農業ガール!
      • 狩野みなとは猪突猛進。自分が決めた事には邁進するタイプで園芸部の農地拡張のためには、つい熱くなっちゃうの。主人公くんは転校初日に畑を手伝って以来、みなとに目を付けられます。グイグイくるみなとに押されながら、主人公くんは次第に絆されていきます。デート先はカインズホーム!!
      • みなとは農地拡張のため、周囲のグラウンドを使う運動部と揉め事をおかしがちで、それを上手く主人公くんがフォロー。徐々にふたりの農作業は息もぴったりになっていくのです。そんなみなと√でおススメなのが、単なるお子ちゃまだったみなとが恋愛感情を理解するようになっていく様子。おめかしのためにオシャレ服を選んでもらってオトメ心を炸裂させる場面はニヨニヨしてしまいます。そして、みなとが主人公くんに対し、もしかしたら憐みから自分の農作業を助けてくれるているかもしれない・・・という疑心暗鬼に囚われるところは必見です。主人公くんは過去の親不孝の贖罪のため、善行を積む目標を立てているのですが、それを知るみなとは自分を助けてくれるのもその善行の一つに過ぎないのでは?とグチュグチュなやんでしまうのです!
    • 主人公くんの頼れる兄貴っぷりでフラグは成立
      • 1学期編では、みなとが修学旅行で京都に行っている間に台風がきちゃうイベントが発生!主人公くんが身体を張って畑を守ります。帰って来たみなとは主人公くんの傷だらけの姿を見て、さらにきゅんきゅんしてしまうのです。そんなみなとは期末テストで勝負を提案。1年と2年で学年違うのにどう勝負するの?とツッコミどころ満載ですが、総合得点で競うのだとか。高校って学年ごとに科目数違わないか?という疑問は抱いてはいけません。みなとは各教科平均50点超えたぜイェイイェイと喜ぶのですが、主人公くんは実は授業ちゃんと受けてて勉強する系人間だったのでみなとは完敗します。
      • 負けたら何でも言う事を聞くといっていたので、みなとはどんな命令をされるかドキドキしていましたが、結局はアパートの家庭菜園の拡張を手伝って欲しいというもの。自分だけ空回りしていたみなとはショックを隠し切れません。みなとは自分のことを名前で呼んで欲しいと願っていたのに、主人公くんがアパートの大家さんをフツーに名前で呼んでいる姿を見せつけられ大ショック!しょげてしまうみなとに対し、それを慮った主人公くんが男を見せます。みなとのおねだり三連発のところは是非皆さんにもプレイしてもらいたい描写です!!



  • 夏休み編 みなとの祖母の田舎へGO
    • 本シナリオの最大の見せ場!!夏休み中、主人公くんはみなとに誘われて田舎へGO!そこでは農作業を手伝うことになるのですが、それは口実で、ホントウはおばあちゃんに会って欲しいというのが目的。みなとのおばあちゃんは完全に寝たきりではないものの、体調を崩しやすく、もう既に死期が近かったのです。しんみりした雰囲気になりながらも、夏期中における水田イベントを元気にこなしていきます。雑草駆除や合鴨農法などが展開されます。特に合鴨の場面では、合鴨がカラスに食われやすいことや、大きくなった合鴨はイネを倒したり食べたりしてしまうので、成長したら合鴨は食べることがツラツラと語られます。愛情をこめて育てた動物を、自分たちで食べることに慣れてしまうという通過儀礼・・・。そして今回主人公くんをおばあちゃんに会わせたかったのは、今年で休耕になってしまうからということが告げられます。主人公くんはみなとの気持ちを理解し、将来の進路を決定!!!農業を勉強して田畑を継いで立派なファーマーとなる決意をします。みなとのおばあちゃんからみなとを託されるシーンがこれまたステキなんです。そして、みなとが好きだったというコスモスの種を貰います。イイハナシダナーと田舎から戻るのですが・・・このコスモスの種、みなとからは結構ぞんざいに扱われてしまったり・・・。一応、みなとに農家以外のことにも関心を持て!というメッセージにはなるのですが。
    • その他、夏休みには夏祭りイベントが2回もあります。1回目は川越のお祭りだったのですが、みなとが熱を出してしまいダウン。2回目は神社のお祭りでこちらは成功します。風邪をひいているのに無理してしまうみなとのいじらしさや浴衣を着てはしゃぐ様子、神社ックスなどがいい味だしてます。



  • 2学期編 ビニールハウス建造と野球部とのいざこざ
    • 2学期に入り部活も秋に向けての農作業が始まります。みなとの提案でビニールハウスを作ることになり、一生懸命働きます。しかし、その様子を見て快く思わない存在がいたのです。それが野球部であり、自分たちが血反吐を吐いて練習しているのに、園芸部は目障りだと因縁をつけてくるのです。何とか和解を模索する主人公くんは、生徒会長に仲介してもらい、農地に隣接する運動部と話し合いを行います。問題の炙り出しと現実的な解決方法の呈示により妥協が成立し、野菜パーティーで親睦を深めます。
    • しかし野球部だけは納得せず延長戦。主人公くんは穏便な解決策を図るのですが、野球部部長は主人公くんを殴り暴力沙汰に。問題を大きくしたくない主人公くんは、野球部に情けをかけ、部活動停止にならないように自分が泥をかぶるのですが・・・何やら怪しい雰囲気に・・・。なんと、園芸部の畑が滅茶苦茶にされてしまったのです。一瞬CLANNAD的世界観が頭をよぎりました。CLANNADの世界では個人に襲い掛かるどうしようもない理不尽・不条理が題材にされており、運動部からの横暴に屈服します。バスケ部との対決では渚が突き飛ばされて折角作って来たサンドイッチはぐちゃぐちゃになり、サッカー部からは兄の復帰を嘆願する春原の妹がリンチを食らうのです。
    • そんなわけで野球部との対決が危惧されていましたが、シリアスな方向には向かいません。犯行はイノシシによるものであり、荒らされた畑の復旧作業を手伝ってもらう中で、遊びで農業をやっているのではないことが伝わり、野球部問題は解決に向かいます。最初は一人で孤独に戦ってきたみなとが、主人公くんと二人三脚して、その活動が周囲に認知され、その野菜が評価されたのです。エピローグでは、野菜バーベキューを催す園芸部の姿が見られ、ハッピーエンドを迎えます。