ラズベリーキューブ 体験版の感想・レビュー

キャラゲー。コンセプトは「個性溢れるヒロインとたったひとつの大好きを見つける」こと。
「個性溢れる」とされる攻略キャラは、借金大家お姉ちゃん、農業ガール、不思議系かまちょ、ミリオタギャルツンデレ
確かに、農業ガールとミリオタはキャラクター造形でも珍しいタイプかもしれない。
キャラゲーなのでテーマ性が乏しい以上、キャラ表現に面白さが依存するため、人物像を如何に掘り下げられるかが勝負。
前作と違いヒロイン同士の接点がないので、閉じた世界になるかもしれない。
(→メーカー内部でも指摘がでたのか、30日前のカウントダウンムービーでネタにされている)

雑感


  • 主人公くんの人物設定と舞台装置の説明
    • 主人公くんは母子家庭で育つが、非行に走り反社会的行為ばかりして母親に迷惑をかけてしまいます。それでも母親は息子を育てるために過酷な労働に従事し、とうとう身体を壊して死んでしまうのです。母親の死に際に手を握った主人公くんは、その枯れた細い手から母親の苦労を感じ取り、改心するのでした。そして天涯孤独となった時、故郷で遠い親戚が経営するアパートでの居住を進められた主人公くんは、それを受け容れて地元へ戻ってきます。主人公くんは今までの生活を悔い改め真面目に生きて善行を積むことを誓ったのです。こうして問題を抱えていたり、ファンキーだったり、ぶっとんでいたり、農業したりと個性あふれる攻略ヒロインズを手助けしていくのでした。あと主人公くんのキャラ付けとしてギター好きが属性として付与されているのですが、体験版ではシナリオにおいて全く関係してきません。この伏線はどこで回収されるのだろうか。



  • 借金大家お姉ちゃん 海道美琴
    • 海道美琴さんは主人公くんが住むことになったアパートの大家さん。家庭的な親戚のお姉ちゃん系ヒロインです。冒頭の出会いは借金取りとの戦いから始まり、300万円の借金を返すようにチンピラに脅されているところを助けることになります。主人公くんが割と理詰めでチンピラと戦うところが好きですね。「違法金利なんて合法的に踏み倒せるんですよ」の決め台詞が炸裂します。美琴さんのシナリオを動かす原動力は、借金劇を中心とする家族の在り方。父親が借金を残して蒸発し、気丈に振る舞うも、恐怖や孤独を感じており、主人公くんと家族を分かち合おうとするところがたまりませんね。それとなくぶっ飛んだアパートの住民たちも美琴さんをフォローしており、このメンバーズとの珍騒動が期待されるところ。無自覚に家族として主人公くんを求めていた美琴さんが、アパートの電球を変える際の肉体的接触で主人公くんを意識してしまう所からフラグ構築はスタートします。寂しさを吐露してくる場面は破壊力抜群ですので、皆様にも是非見て欲しいところ!!借金を返すために内職もしており、そのため勧誘を断るために主人公くんと付き合ってるフリなんかもします。4キャラの中ではバツグンに安定感があり、一番攻略したい系のキャラとなっています。



  • ミリオタツンデレ不良ギャル 結月悠
    • 結月悠は父親のミリオタカフェを一人で切り盛りするミリオタツンデレ不良ギャル。仕事のため学校をサボりがちなのですが、通っている学校が比較的治安の良いところであるため、異端扱いをされています。しかし、ミリオタを隠しているというだけで、本当はただのツンデレというかチョロインというべき存在です。不良扱いされている自分のことを、ヘーキでフツーに接してくれる主人公くんに、きゅんきゅんきちゃいます。さらには主人公くんの家庭環境を知ることになり、情が移っていきます。そんな中、さらに主人公くんの心の優しさを知ったものだから、さぁ大変。好感度は鰻登りですとも。バイト先を探している主人公くんに、自分の店でバイトして欲しいと思いながらも、言い出せない悠ちゃんさんの可愛さをご堪能ください。そして主人公くんがパン屋のバイトに落ちると、それはもう嬉しそうに主人公くんをおちょくってくるのです。しかも、それが一転して、パン屋の店主の誤解であったことが判明し、やっぱりバイトをしてくれないかと請願されると、悠ちゃんさんは大わらわという寸法さ。ここで選択肢がでるのですが、私は簡単になびいて欲しくないので、早朝バイトの弁当詰めのバイトの方を選んでしまうのであった!!製品版でルート分岐して二つの√があったら、間違いなく買うと思う。



  • 農業ガール 狩野みなと
    • 狩野みなとは、ガチ農業ガール。いや農業ってのは実に大変な専門職なんです。戦時中、農業など誰でもできると根こそぎ動員した結果、食糧生産が落ち込んだ失策はあまりにも有名。ただ単に土に種を植えれば野菜が生えてくるわけではないのよ。と、いうことで農業ガールを扱い、さらに「農業の魅力」をシナリオの原動力として据える以上、農業パートがいい加減だと、スッゲーツマランものになってしまうわけです。農業描写の専門性をいかにエンターテイメントに落とし込むかがシナリオの面白さの鍵となるでしょう。キャラの魅力は、元気でまとわりついてくるウザかわいい後輩ポジションといったところでしょうか。主人公くんを園芸部に入部させるために、日夜まとわりついてきます。人から必要とされることは、善行を積もうとする主人公くんの心を満たすものでもあり、労働後に銭湯で汗を流しコーヒー牛乳を飲むという青春を堪能します。個人的には、カラス除けのワイヤーを二人で作る所が良かったです。野球部にイチャモンつけたりサッカー部にケンカ売ったりする所からも、みなとのウザ可愛さを読み取ることができます。


  • 不思議系かまちょさんは、コミュ障ぼっち→桜庭・ヴィクトリア・瑠莉
    • コミュ障のせいか、言葉でコミュニケーションを取ろうとせず、陰湿なイタズラで主人公くんの気を引こうとします。主人公くんとの幼馴染フラグが立っており、おそらくライター側の意図として「主人公くんにだけは心が開ける」という展開にもっていきたいのでしょう。しかし、その効果が体験版の時点では描かれていないため、イマイチキャラの魅力が伝わってこないのもまた事実。一応、プレイヤーが不思議系かまちょさんから離れていかないように、心情描写をサブキャラが解説してくれるというギミックが仕込まれています。「硬式のボールじゃない意味を考えて。そこに乙女心が介在しているから」「厄介さもまるごと受け止めるのが、できる男の条件よ?毎日、決まった時間にメッセージを送るだけじゃダメ。サプライズもしてあげて」などなど。「コミュ障ぼっち」が個別√でどのように変わるかが見所となっています。