コンテンツを扱う際に作品をよく知らずに利用しようとだけすると、人間の負の側面に直面することになり様々な問題が発生するので、危険性を考慮に入れておかねばならないというはなし。
- コンテンツ消費とポルノ要素問題
- 町興し・地域振興に活用しようとしたコンテンツにポルノ要素が含まれていたため失敗した事例として有名なのが『ヨスガノソラ』と『まいてつ』です。良識ある一般市民の方々が持つ公衆道徳上、モラルとして人間の性的欲求を直視することを忌避するのは仕方のないことかもしれません。
- しかし、このポルノ要素はコンテンツと切っても切り離せない関係なのです。人々がコンテンツに注目すると、キャラクターに愛着が湧き、消費されるようになっていきます。現在もキャラクターとコラボして商品を売り出したりする手法はどこにでも見られるかと思います。けれども、そうなれば、人間の欲望を喚起する装置として機能するようになり、人間の三大欲求と結び付くのは避けられないのです。それ故、キャラクターが性的欲求の捌け口となり薄い本(青年向け同人誌の隠語)が作製されるようになります。そしてこの同人誌は、著作権問題と絡み合いながら、コンテンツを盛り上げる一要素となっているのが現状です。
- 聖地巡礼と称して作品の舞台にまで訪問するほどのコアでディープなファンを呼び込もうとするのですから、彼らと分かり合い歩み寄るためには、一方的に規制するのみでは成功しないでしょう。よって、そのコンテンツを「利用」しようとする際には、きちんとどのような同人誌・薄い本が出回っているのかを調査・分析する必要があるというわけです。納得できない場合は、そのコンテンツを利用するのはやめた方がいいでしょう。
- 以上により、ここでは『サクラクエスト』の同人誌がどのような傾向を持ち、どのように消費されているのかをまとめていきます。
- きらら系統百合女子モノが同人誌の題材となる際の傾向
- 『サクラクエスト』の同人誌を中古同人ショップ・同人誌通販サイト(とら・メロン・まんだらけ・駿河屋など)で調べたところ、一般的に入手しやすいのは8作品でした。そのうちの6作品が凌辱もの、2作品がイチャラブものです。このような傾向になる理由としては、所謂きらら系統における百合女子系であることが挙げられます。すなわち可愛い女の子たちが、キャンプしたり登山したりお店したりするキャッキャウフフ空間を第三者の視点から眺めて消費する作品群のことです。『サクラクエスト』も女の子たちが観光振興に奮闘しますが、脇役に男性が出て来たとしてもメインプレイヤーとしての男性は捨象されています。そもそも百合女子尊み空間を醸成するために男性は徹底的に排除されているといっても過言ではないでしょう。それ故、キャラクター内で男女の恋愛要素に発展することが極めて乏しくなるのです。この時に生じる問題が、薄い本にした際に竿役となる男性が不在となることです。ガチ百合をテーマにすることも出来そうですが、大抵見ず知らずの男たちや作品内のサブキャラ男性陣に輪姦されることになります。またイチャラブものでも、作品内で男性が登場しないため、新たに竿役が創造されることになります。
以下、『サクラクエスト』の同人誌まとめ
イチャラブもの(まだ敷居が低い方だと思う)
- 暫時『しおりクエスト』(2017/03/30)
- 早水ゆと『しおりちゃんとおうちデート!』(2017/12/31)
- 地元にUターンしてきた青年が竿役。しおりさんのために公務員試験や家業手伝いで好感度を蓄積し結ばれた後の話です。見どころとしては、しおりの持ち味である「だんないよ」で方言プレイしているところでしょうか。娯楽の少ない田舎では、すぐに濡れ場に突入するといいますが、慣れない異性との付き合いで間が持たなくなった瞬間、そんなに気を使わなくていいよ、ゆっくりしようと行為に及ぶことになります。ラストにはオマケとしてしおりと凛々子の百合モノがあります。
凌辱もの(敷居高い・一般の方にはあまり向かないかもしれない)
- 田中竕「露出クエスト」(2017/04/25)
- うたたねひろゆき『だんないよ マイ・フレンド』(2017/05/28)
- 表紙詐欺で百合目当てで買ってしまう人がいそう。実態はしおりさんが間野山市のジジイたちに輪姦されるはなし。次々と店がシャッターを下ろし、若者の人口流出がとまらない中、若い者はなっておらんと息巻くジジイたち。そんなジジイたちは、自分たちの遺伝子を残そうとしおりを輪姦して孕ませようとします。欲望の捌け口となるしおりですが、笑顔で受け止める毎日。しかし、新しい血も必要ということで、由乃もジジイたちの対象となり、しおりに抱きしめられて終わる。最後の一コマでしおりが病んでいる表情が破壊力抜群です。
- 鳩矢豆七『王国のお仕事』(2017/06/18)
- 夏庵『性ナルマチオコシ』(2017/08/13)