日本近現代社会経済史資料(002)「日本の外交文書」

ガイコウモンジョと呼ぶ場合が多い。

1.刊本の『日本外交文書』

  • 日本の外交文書は2つのタイプがある。
    • 1つ目が本(『日本外交文書』)。2つ目が簿冊(「外務省記録」及び「戦後外交記録」)
  • 『日本外交文書』 
    • 第1巻第1冊 1936年に刊行 明治元年〜から 1巻につき1年分収録 多いときには分冊となる。
    • 2006年までに計197冊
    • 明治、大正、昭和期1(昭和2〜6年)の編纂はすでに完了 
  • 1940年までは順調に進み、9巻12冊の刊行を終えていたが・・・
    • 第二次近衛内閣による行政整理により中断する
  • 戦後は続きの明治10年から出すはずだったが、編纂することは困難だった・・・
    • そのため戦後は、明治20年の第20巻から刊行した(1947年3月)
  • 明治期の『日本外交文書』は1年分を1巻に収録。
    • これを「編年方式」という。
  • 昭和期3(昭和12年)以降はテーマ形式になる
    • 主要ファイルが消失していたから。(※なぜ消失したかは不明)
  • 昭和期3以降は編纂方式が変化!!
    • これは「特集形式」と呼ばれる。
  • 戦前期のシリーズは208冊 明治・大正・戦前 
    • 本になっている。
    • 現在インターネットで見ることができる
    • 本は白と黒があり、黒は「編年方式」、白は「特集形式」

2.外務省外交史料館所蔵「外務省記録」、「外交記録」

  • 刊本とは全然違うものです。
外務省外交史料館
  • 外務省外交史料館 → 行ったことがないと恥ずかしいよ! 
外務省記録
  • 「外務省記録」
    • 外務省創設以来第二次大戦終結までの約80年 在外公館との往復電報・公信類をはじめとする外交活動にともなう史料
    • 「外務省記録」が一次史料なので、『日本外交文書』ではなくこちらを使わねばダメよ。
  • 明治・大正期 
    • 1門(政治)、2門(条約)、3門(通商)等の8門
    • 合計 約2万2千冊
  • 昭和戦前期
    • A門(政治・外交)、B門(条約)、C門(軍)等16門
    • 合計約2万6千冊
茗荷谷研修所所蔵記録
  • 戦時中 → 茗荷谷研修所所蔵記録
    • 茗荷谷にある外務省の施設に、戦時期の外務省記録が別置されていたのでこの名が付けられた。現在は外務省外交史料館にて原本を公開している。
戦後外交記録
  • 戦後 → 外交記録
    • 2010年5月、「外交記録公開に関する規則(PDF)」を制定。
    • 作成・取得から30年経過した行政文書は公開するとの原則を明記。
    • 戦後については全部で何冊あるかはわからない。

 

3.マイクロフィルム『日本外交文書』(北大附属図書館所蔵)

  • 北大のマイクロフィルムは、タイトル詐欺なので注意。
    • 『日本外交文書』というタイトルで訳されているが同タイトルの刊行本ではなく、中身はオリジナルドキュメントである『外務省記録』が収録されている。
    • なぜマイクロフィルムの中身には『外務省記録』が記録されているのに、『日本外交文書』というタイトルとなってしまったのか!? →「謎」

今日のまとめ

  • 刊本
    • 『日本外交文書』
  • オリジナルドキュメント
    • 「外務省記録」(アジ歴のwebサイトで見られる)
    • 「戦後外交記録」(外交史料館のwebサイトで目録は見られるが、実物は行くしかない。行け)
  • 北大のマイクロフィルム
    • タイトルは『日本外交文書』だが中身は「外務省記録」