雑録

夏海公司『ガーリー・エアフォースⅣ』(KADOKAWA、2015年)の感想・レビュー

ヒトではないただの機械兵器である演算装置少女との恋愛観についてのお話。
3巻からゲストヒロイン消費方式でしたが、4巻ではロシアのベルクトが登場。
ロシアは異星人侵略者を呼び寄せる撒き餌としてベルクトを開発。
ベルクトを憐れみ恋人となったロシアの科学者が日本にベルクトを亡命させる。
だが、撒き餌効果のせいで日本に異星人侵略者が猛襲してきてしまう。
これを打開するため戦略核による一掃を試みるが失敗。ベルクトは犠牲になるのだった。

SFでは避けては通れないお約束!!「人工知能と人間との恋愛」

  • ベルクトちゃんとロシア人科学者の恋愛を通して主人公くんとグリペンちゃんの関係性を見つめ直すの巻き
    • 4巻のゲストヒロインはロシアから亡命してきたベルクトちゃん。亡命受け入れの際にはロシア軍とドンパチした小松基地陣営でしたが、その後は特に外交ルートからも音沙汰がありませんでした。そのうえ、ベルクトちゃんを受け入れてから侵略者の襲撃回数が跳ねあがります。これはいったいどうしたこと!?記憶喪失のベルクトちゃんの深層心理を探るために、無意識下の心象風景にダイブします。すると、どうでしょう。機械兵器、演算装置であるはずのベルクトちゃんがロシア人科学者と恋仲になっていたことが判明します。なんでもベルクトちゃんは異星人侵略者を引き寄せるために開発されたとのことで、異星人侵略者を一ヵ所に集めて戦略核で吹き飛ばそうという方針が打ち出されていたのです。これを憐れんだロシア人科学者は撒き餌機能を封印し、記憶を削除して日本に亡命させたのでした。しかしながら撒き餌効果は封印されていなかったので、小松基地は次々と襲撃を食らってしまうというわけなのでした。
    • こうして危機に陥った小松基地は、ロシア軍の方針に則り、ベルクトちゃんを犠牲にして戦略核で異星人を一層するしかないという結論に至ります。しかし、ただ単にベルクトちゃんを見捨てるのではなく、ロケットでベルクトちゃんを成層圏外に打ち上げて空の上に設置しておいた戦略核を発動させるというものでした。こうすればベルクトちゃん帰ってこられるかもしれないでしょ?作戦はうまくいきかけるのですが、異星人侵略者は戦術核を使用して、こちら側の戦略核を吹き飛ばしてしまいます。作戦は失敗。ベルクトちゃんは大気圏外に出て軌道に乗ったまま、帰ってこられなくなったエンドを迎えたのでした。
    • ここでベルクトちゃんが示唆したのは、自らの意思を持った人工知能との恋愛観。グリペンちゃんと主人公くんは恋人関係に至れるのかという問題意識を投げかけ、二人にそれを認識させたことが、ベルクトちゃんを用意した最大の意図だったのかもしれません。