夏海公司『ガーリー・エアフォースⅢ』(KADOKAWA、2015年)の感想・レビュー

世界設定考察系展開に突入。地球を守り人類を生存させるために人類を間引いてやろう思想。
侵略者の目的が人類の殲滅ではないことが判明。主人公くんたちに接触してきます。
また侵略者と演算装置少女は表裏一体であり、手段が違うだけだと示唆されます。
故に人間というのは地球にとって癌のようなもので都市文明は害悪である展開。
このままでは人類自体も滅ぶので、それを防ぐために口減らしを行うというものっぽい。

ノアの箱舟思想 人類調子こいてるから一回リセットね~

人類を守るために、現在の人類の文明は滅ぼし、新世界に期待! これが1巻冒頭の出会いの時のセリフにつながるのね。たぶん。

  • 現代文明批判
    • 侵略者の手に堕ちた中国大陸への反攻作戦に従事することとなった主人公くんたち。米軍との共同作戦のために厚木へとやってきます。そこで主人公くんとグリペンちゃんはパラドゲーや光栄ゲーのようなシミュレーションゲームをやることになります。主人公くんは何回やっても人類滅亡エンドとなるのですが、グリペンちゃんがプレイすると1回で人類生存エンドでゲームクリア。ではどのようなプレイスタイルをとったかというと、都市を放棄して周辺地域へ分散させ、発展はないけれど生活の維持を図るという作戦でした。ひゃっはー、資本主義批判・現代文明批判・アンチ発展革新拡大ゲーじゃないですか!分相応な暮らしをすれば滅ぼされることはないという伏線が張られるのですね。
  • 人類を救済するためにこそ、現代世界は滅ぼします。
    • そして反攻作戦中、異星人侵略者から接触が図られます。演算装置少女も異星人侵略者も目的は一緒。手段が違うだけ。異星人侵略者の目的は地球を守りたい・人類に滅んで欲しくないというもの。人類滅ぼしたくないからこそ、現代世界の人類は放っておくと自分たちで滅びの道を歩んでしまうので、現代の人間は人類という種の生存に値しない。だから、いったんリセットする。そうすれば人類生き残るでしょ?みんな幸せ☆新世界へGO!というようなノリっぽいですね。文脈から判断すると。
    • で、演算装置少女たちも異星人侵略者の一部から組成されているので、暗黒面に堕ちかけるわけです。実際に、米軍所有の演算装置少女はアッサリと寝返りをかまします。一方でグリペンちゃんは主人公くんとの絆があるので現世回帰。主人公くんも世界の真相に朧気ながらも触れることになりますが、異星人侵略者たちの目的にも納得しかけてしまうのですが、ここで死んだ母親により現世の人類側に踏みとどまるのです。
    • 演算装置少女たちはいつ異星人侵略者側にまわってしまうか分からない。それを防ぐためには、現世の人類を好きになってもらわなければならないのさ、という助言が与えられ3巻はエンドとなります。