museum studies(final)「Packaging and transportation of cultural properties in museums」

梱包作業と輸送に関する体験型講座。運送業者美術品事業部の方からレクチャーを受ける。
※参考→公益財団法人日本博物館協会 主な事業:美術品梱包輸送技能取得士資格認定事業
現場作業の時には館長から「見て覚えろ」式に実地で教わっただけだったので体系的に学べた。
時間の関係上、白薄葉紙の使い方・壷の梱包・掛け軸の取り扱い・紐の結び方パターンが中心。

メモ

  • (1)白薄葉紙
    • 博物館の梱包には欠かせない例のあの薄い白い紙。第二段階で壷の梱包をするので、それに使う紙紐と綿布団を作る。これは現場作業の時たくさん作ったことがある。白薄葉紙を裂いて紐を作るときは紙の繊維に沿って裂くときれいに作れる。綿布団はテープではるのがが難しい。一気に長さ分テープを引き出して止めるので、下手するとテープがぐにゃぐにゃになってしまう。テープ引き出す→貼る→切る。切ってから貼ろうとすると間違いなく捩れる。あと、テープを手で切れることが大事。
  • (2)壷の梱包
    • 壷が入っている桐箱の紐の掛け方が地味にムズイ。
    • 壷は基本的に下から上に向かって梱包していく。下の窪みに綿布団紙紐→上の窪みに綿布団紙紐→胴全体に綿布団→上下中の順で固定→上下に正方形の綿布団→対角線上に紙紐をかけていく→最後に側面を上下中の順で固定。
  • (3)掛け軸の取り扱い
    • 掛け軸を扱うのは初めて。
    • 学芸員が梱包を出来ないと、貸主がブチ切れる展開がよくあるとの訓戒を頂く。外梱包はまだ運送業者の美術品事業部にしてもらっても許されるが、内梱包を学芸員ができないと不審を買い、さらに専門じゃないと言い訳すると最後。専門じゃないやつをよこしたのか蔑ろにしていると説教タイムがはじまり、運送業者は待たされる羽目になるとのしくじりあるあるを聞く。
    • 箱の出し方・陳列・撤収・収納のレクチャーを受けるが、難しい。陳列での矢筈の使い方の場面では、運送業社美術品事業部の説明中にキョージュがカットインしてくる現象が発生する。撤収作業では掛け軸を巻く時、だるんだるんになったり端がずれたりする。巻き紐の巻き方も一苦労であった。
  • (4)紐の結び方のパターン
    • 段ボールで紐を結ぶときのパターン。結構ある。段ボールの角で結ぶのがポイント。
  • (5)質疑応答:運送業者美術品事業部が遭遇する学芸員のよくあるしくじり
    • 質疑応答が盛んでないと「カルチャースクール ジャ ネーンダゾ」とキョージュに揶揄されるので結構必死である。掛け軸の取り扱いの時に貸主が学芸員にブチ切れるエピソードが紹介されていたので、「運送業者が遭遇する学芸員のしくじり」を聞いた。運送業者から見たよくある学芸員のしくじりとしては、絵画や掛け軸の大きさ「だけ」を業者に連絡してしまいがちだとのこと。つまり、額縁や桐箱を含めた大きさじゃないと梱包できないのに、そのまま伝えてどーすんねん!とのことであった。その際業者は寸法に合わせた箱をその場で段ボールが作り出すと述べていた。
      • 質疑応答の際、「運送業者が遭遇する」と前置きをつけたのに「学芸員のしくじり」の方を捉えられ、運送業者じゃなくて学芸員への質問かーい!?と第三者からツッコミが入ったが、業者にはちゃんと伝わっていて、学芸員のしくじりで運送業者が困った話に上手く軌道修正され助かった。ありがたや業者サマ。