雑録

pieces/渡り鳥のソムニウム 体験版の感想・レビュー

夢に介入できる少年が、他者の悪夢に感応してしまうメインヒロインを救う話。
体験版では主人公が攻略ヒロインを結集し、悪夢問題解決大作戦を敢行する。
一つの事例を見事解決に導きメインヒロインと交友関係を築いた所で体験版はお開き。
メインヒロインの特異体質の根本的解決が製品版での目的となりそう。
個人的な雑感としては、テキストは面白みに欠けるし、問題解決も茶番だと思われる。
最近のプレイヤー層は、こういった文章を楽しく感じるのかしら?
このメーカー2013年の地雷『まじかりっく⇔スカイハイ』の二の舞にならないことを祈る。

日常パートのテキスト及びヒロインが抱える問題の解決方法について

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  • 中身のない日常パート
    • 作品の分類としては少女救済系。他者の悪夢に感応してしまい苦しんでいる少女を、夢へ介入する異能をもった主人公くんが助けるというのが全体的な物語の流れとなっています。一応シリアスパートも用意されていて、「事故により主人公くんは過去の記憶をほとんど欠落しているにも関わらず、幼少期の自分と晩年の母とのやり取りの夢を見てしまう」という設定が伏線となっています。ここまでだけだと、それなりに内容重視のシナリオゲーのように思われますが、体験版の時点ではほぼキャラゲーでした。そしてこのゲームを楽しめるかどうかについては、いくつかのハードルが待ち構えています。
    • 文章を楽しんで読めるかどうかの第一関門が、悪友やヒロインとの日常パートです。主人公くんは基本的にちゃらんぽらんで軽薄で浅はかな感じがとても強いです。そしてそれを際立たせているのが悪友ポジションの男友達であり、二人の会話のテキストは本当に中身のスッカラカンなやりとりになっています。出番が一番多いヒロインは、世話焼きツンデレ幼馴染ですが、このヒロインとの会話も粗製乱造されたテンプレテキストを読まされるようなもの。また「眠りながら社会貢献する」とかいう昼寝部の存在やそこで寝てばかりいる先輩とかいうキャラには荒唐無稽っぷりを感じましたし、自分の事を可愛い妹ポジションキャラとか言い出す後輩もチョロチョロしています。特に印象に残っているどうでもいいテキストが洋菓子店での会話。昼寝部の先輩と自分カワイイ後輩がエクレア派とシュークリーム派に分かれて趣味嗜好を主張し合うというテキストが挿入されるのですが、とてつもなく不毛。最近ではこういう文章が受けるんですかね?
    • ただ先輩&後輩は病院を連想させる描写が散見されるので、実は体験版の舞台がユメセカイなのだ~とかいう展開にもなりそう。

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  • 茶番な問題解決方法
    • そして問題解決方法について。他者の悪夢に感応してしまう少女をどう救うかがこの作品の面白さの根源だと思います。それ故、少女がどのような悪夢に苦悩し、どう解決するかが一番のポイントだと言えるでしょう。ではその面白さをプレイヤーに伝えるための体験版では、どのような内容が扱われたのでしょうか・・・。・・・。はっきりいって茶番でした。クラスメイトAがホラー映画を見た結果、夢見が悪くなっていたのですが、その状況にメインヒロインが感応していたというオチでした。解決策としては、主人公くんが他者の夢に介入する異能を使って、そのホラー映画の夢を、ギャグコメディに変えてしまいます。こうして悪夢問題はホラーから喜劇にとって代わって見事解決。夢に感応してしまう少女の苦しみを一つ取り除いてあげました~とかいう流れになります。こうして主人公くんとメインヒロインの間に交流が芽生え、体験版はお開き。メインヒロインが他者の悪夢へ感応してしまうという問題の根本的な解決を目指すという目的が提示されたのでした。いや、悪夢問題というから、もっとこうイジメとか虐待とかパワハラ等の人間社会の闇から生じる悪夢かと思っていました。そういった内容をいくらでも扱えるのに、シリアス展開にしないことからシナリオゲーというよりかは、キャラゲー寄りのように感じられました。

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