雑録

【史料】満洲国における各観光事業団の年度別事業(昭和13年度~昭和16年度)

満洲国の観光政策は、国務院総務庁弘報処内に設置された観光委員会が担い、満洲観光連盟を設けて各都市の観光協会を加盟させこれを統制した。

ここでは昭和13年度~昭和16年度に行われた満洲観光連盟及び奉天・新京・哈爾濱各都市の年度別事業をまとめておくこととする。
出典は昭和14年~18年版の『満支旅行年鑑』。昭和19年版は後で追加する予定。
 
【目次】

満洲観光連盟

昭和13年

  • 6月8日錦州観光協会加盟承認
  • 観光案内所開設
    • 4月新京観光協会に於ては駅降車口前に案内事務所、休憩所、売店、土産物陳列所を有する案内所を開設。10月哈爾濱観光協会はキタイスカヤ街に土産物の標準価格に依る即売をも取扱ふ陳列所を有する事務所開設。大連観光協会では駅前連鎖街に設置。
  • 満洲観光写真募集
  • 満洲観光論文懸賞募集
  • 米加女教員団満洲招聘-今夏米国及び加奈陀のハイスクール女教員団日本訪問を機に一行中16名を満洲に招聘し多大の成果を収めたことは当時各新聞に発表された一行の感想談によつて明かである。
  • 観光座談会-7月中旅順及び大連の二箇所に於て開催。

昭和14年

  • 一、各地観光案内所開設指導並援助
  • 二、満文観光論文懸賞募集
  • 三、第二回観光写真懸賞募集
  • 四、満人ガイド養成
  • 五、連盟第一、第二、第三号発行
  • 六、日満観光双六作製
  • 七、観光写真絵葉書第一ー第三発行
  • 八、観光写真展(十箇所)
  • 九、旅行団招聘(蘭印ハイスクール女教員団、米加女教員団、印度人教育家団、朝鮮新聞記者団、其他作家、作曲、作詞家等)
  • 一〇、日満綴方使節援助其他

昭和15年

  • (一)満洲観光資源募集(4月)
  • (二)第4回観光協会事務打合会哈爾濱市公署に開催(1月)
  • (三)鉄嶺観光協会加盟(1月)
  • (四)連盟報隔月発行認可(2月)
  • (五)第4回連盟総会鉄道総局に開催(4月)
  • (六)満洲観光百選決定発表、一等当選鏡泊湖、横道河子、大陸科学院、大豊満ダム、二等当選、閭山、輯安、王府長白山、建国大学、雉猟、阜新炭坑、興京興城、以下略。
  • (七)満洲観光写真の作製(日本より専門大家二名を招聘)
  • (八)満洲観光美術展奉天、新京、哈爾濱、大連に開催(9月ー10月)
  • (九)満洲忠霊塔、絵ハガキ輯の発行
  • (十)満洲産業叢書の発行
  • (一一)英文ツーリストライブラリー発行
  • (一二)満洲戦跡絵ハガキ輯発行
  • (一三)蒙古連合自治政府要人一行文芸春秋社(大洋)(オール読物)両編輯長及写真作家木村中山両名招待
  • (一四)ポスター「聖地満洲」配布
  • (一五)野間口理事長全満に放送4月
  • (一六)興亜観光特産品展後援(4月ー7月)
  • (一七)第5回観光協会事務打合会大連に開催(5月)
  • (一八)国務院総務庁次長薄田美朝氏退官、新任松木侠氏満洲観光委員会委員長に就任(5月)
  • (一九)満洲戦跡写真懸賞募集(9月)
  • (二〇)京城博覧会に観光写真、土産品出陳(9月)
  • (二一)満洲綴方使節日本へ派遣(7月)
  • (二二)観光週間実施(9月15日ー9月21日) 
    • 第1日、ラジオ放送(松木観光委員長、野間口連盟理事長全満リレー交換放送)、市街美化運動 
    • 第2日、市街美化運動 
    • 第3日、市街美化運動ラジオ放送(ラジオ・ドラマ) 
    • 第4日、聖地参拝、満洲戦跡写真懸賞募集発表、満洲観光美術展(哈市) 
    • 第5日、満洲観光美術展(哈市) 
    • 第6日、交通道徳強調日 
    • 第7日、交通道徳強調日、満洲観光美術展(哈市)
    • 尚此外全満各観光協会をして地方色豊かな各種催行を為さしめ、国土宣揚、観光観念の正しき認識の強調に予期以上の成果を収め、茲に満洲最初の観光週間は滞りなく終了した。
  • (二三)連盟招聘並斡旋欧米人団体
    • 4.2 メキシコ新聞記者アルバレス女史
    • 4.26 米国アイダホ州ポカテロ市ポカテロトリビューン紙社長ニコラスイフト夫妻
    • 5.6 サンパウロ大学生1行22名
    • 5.21 ドイツ学徒使節カールツアール氏1行3名
    • 5.23 米国留学生ヤルマウイリアムシヨウ女史
    • 5.24 ブラジル前文芸院長ソウザ博士夫妻
    • 6.9 関東学院教授ホルトム博士
    • 6.19 米国大学教授カーチスアレキサンダー氏並ラバツトサイモン氏
    • 7.11 スペイン経済使節団一行
    • 7.19 米国人ジヨンフエ・オライアン氏一行5名
    • 7.20 東洋文化夏期大学講師ライルルスペンサー博士一行4名
    • 7.25 キャンベル博士一行35名
    • 7.29 日米協会(ロスアンゼルス市)会長ルイズ・ワトキンス女史並令嬢
    • 7.31 第7回日米学生会議出席ノ米国大学生1班(42名)
    • 8.1 同第2班(35名)
    • 7.28 米国教育家レイノヅル博士並マーツイ博士
    • 8.4 米加女教員団1行16名
    • 9.30 米国旅行業者1行11名

昭和16年

  • 国際観光宣伝強化と外人接遇改善座談会新京に開催(1月)
  • 産業叢書『製塩の話』発行(2月)
  • 第2回非常時客荷輸送訓練旬間参加(1月)
  • 連盟報月刊となる(1月)
  • 第5回満洲観光連盟総会奉天に開催(3月)
  • 写真帳『満洲』刊行(3月)
  • 伯国フレイタスラニヨス氏に便宜供与(3月ー4月)
  • 春のハイキングコース第1回分として大連、奉天、新京、哈爾濱近郊を選定発表(3月)
  • 南米智利の三教授招聘(3月)
  • 作家中谷孝雄、青柳優雨氏招聘(5月)
  • 第2回観光週間開く(6月)
  • 中華民国教員団19名招聘(6月)
  • 第3回懸賞募集「満洲観光写真」発表(8月)"

奉天観光協会

昭和13年

  • 6月、千代田公園内にスポーツ遊戯場開始、観光懇談会開催(満毛)、土産品座談会開催
  • 7月、カメラハイキング会員募集、写真懸賞募集、カメラハイキング
  • 8月、夕涼渾河下り、奉天八塔巡り、観光展覧会開催(満毛)
  • 9月、ハイキングと渾河下り、奉天戦跡巡り
  • 10月、秋の行楽藷堀、英絡山ハイキング、観光座談会開催(大和ホテル)

昭和14年

  • (3月)戦跡巡拝団催行
  • (4月)東陵撫順見学団催行
  • (6月)観光協会案内所新設
  • (9月)観光展覧会開催(満毛)奉天観光地のパステル書、満洲観光地写真資料日満支観光ポスター、観光パンフレット及リーフレット奉天観光写真懸賞展覧会(満毛)奉天戦跡巡拝団催行
  • (10月)東陵芋掘り
  • (11月)東洋土産品博覧会京都大丸呉服店にて開催されるに付き人形陶器二十点出品す。
  • 一、観光バス乗車券発売
  • 一、北陵東陵参拝入門証発行(自8月至12月) 北陵39183名、東陵5374名

昭和15年

  • (一)観光バス券代売
  • (二)北陵、東陵参拝入門証発行
  • (三)旅館従業員講習会
  • (四)奉天日露戦跡巡拝団実施
  • (五)東陵撫順見学団実施
  • (六)植樹祭(北陵公園に苗木五百本植樹)
  • (七)鉄嶺ハイキング団実施
  • (八)宮殿下御来奉ヤマトホテルに於て土産品を陳列台覧に供す
  • (九)大連旅順見学団実施
  • (一〇)元帥林ハイク団実施
  • (一一)橋頭ハイク団実施
  • (一二)東陵ハイク団実施
  • (一三)第2回大連見学団実施
  • (一四)奉祝紀元2600年鉄嶺煙火大会参加団実施
  • (一五)法庫刊行視察ハイク団実施
  • (一六)日本主要都市訪満視察団懇談会開催
  • (一七)満洲観光連盟美術展開催
  • (一八)第1回観光週間
    • 第1日、健康ハイク 
    • 第2日、観光座談会及戦跡写真懸賞審査会 
    • 第3日、草分人奉天今昔を語る集会 
    • 第4日、満洲事変戦跡巡り 
    • 第5日、接客従事員講習会及接客従事員功労者表彰式 
    • 第6日、接客従事員講演会 第7日 講演と映画の夕
  • (一九)海軍士官候補生視察団案内
  • (二〇)鉄嶺ハイクと成吉思汗料理試食会
  • (二一)仙山ハイク団実施
  • (二二)鉄嶺ハイク団実施

昭和16年

  • (一)観光バス代売
  • (二)東陵北稜参拝入門証発行
  • (三)第7回日露戦跡巡拝団実施、接客業従事員講習会(以上3月)
  • (四)植樹祭に当り北大営、北稜、南公園に一千五百本苗木植樹、東陵撫順見学団実施、湯崗子廟参拝団実施、大連都市見学団実施、第3回千山ハイキング団実施(以上4月)
  • (五)安東都市見学団実施、東陵青空学校開始、撫順ハイキング団実施、元帥林ハイキング団実施(以上5月)
  • (六)第2回観光週間、聖地巡拝と清掃、観光展、観光座談会、講演と映画の夕、観光サービスデー、陸軍病院映画慰問、戸外デー(以上6月)
  • (七)カメラハイキング団実施、撫順見学団実施、第8回戦跡巡拝実施(以上9月)
  • (八)第4回聖徳古蹟視察団実施(10月)
  • (九)鳳凰五龍背紅葉探勝団実施、新京都市視察団実施、巨流河兎狩ハイキング実施(以上11月)

新京観光協会

昭和13年

  • 一、案内所開設(旅館、土産、市内案内、乗物其他観光に関する案内相談の取扱、観光バス及浄月潭行バスの切符取扱)
  • 二、刊行物(国都新京案内、新京の栞、新京観光地図、絵ハガキ観光の新京等)
  • 三、接遇改善事項(旅館業者サービス座談会、主要旅館視察及批評会、職業別サービス座談会及市内市内名所見学会、観光関係者招待観光バス試乗及批評会、観光サービス講習会、観光客の感想調査)
  • 四、土産物研究に関する事項(満洲土産物品評会ー自7、26至7、31於宝山百貨店入場者4万余)
  • 五、観光施設(新京駅前美化運動)
  • 六、観光観念普及事項(観光スタンプ展ー自8、1至8、7於宝山百貨店入場者7万余、石碑嶺ー浄月潭コース、金銭保コースの徒歩旅行コース設定、大屯娘々祭の後援、浄月潭探勝会)

昭和14年

  • (一)観光サービス陣の徹底強化
    • (イ)リーフレット国都新京案内5万部小型パンフレット新京の栞1万部、新京観光地図1万部、新京ハイキングの栞5千部発行
    • (ロ)日満人ガイドの設置
    • (ハ)メッセンヂヤーの実施
    • (二)旅館女中、女給等春秋2回に亘り観光バスの試乗を開催す
    • (ホ)佐藤博、野元伊太郎両氏を講師として接客サービス講習会開催(5月)
    • (ヘ)按摩業者理髪業者等業別によるサービス座談会を開催した
    • (ト)十月京都で開催される東洋土産品博覧会に際して協会が主催で全満各地観光協会、商工公会土産品組合に呼びかけ満洲土産を出品した。
  • (二)観光施設の充実促進
    • (イ)新京駅構内に観光地図板の建設に着手
    • (ロ)石碑嶺、浄月潭両ハイキングコースに標識を設置した。
  • (三)観光客を対象とする躍進国都の実情紹介
  • (四)観光に関する観念の普及
    • (イ)新京観光写真の募集及展覧会の開催
    • (ロ)接客従事員の戦跡参拝デー
    • (ハ)浄月潭探勝大会
    • (二)各地ハイキングの主催後援

昭和15年

  • (一)満洲観光ホテル株式会社創立に関し全面的斡旋、大阪商船観光会社350万円出資、3月21日児玉公園前に地鎮祭を挙行
  • (二)国都のペスト禍と車両不足にもかかはらず観光バス客4万3千826名を算し昭和14年度3万9千68名に比し約5千名の増加、之に土産部其他の利用者を加へて15万乃至20万人とされる国都観光客の誘致宣伝、斡旋
  • (三)「新京の栞」1万部印刷配布
  • (四)「新京観光地図」1万部印刷配布
  • (五)「新京絵ハガキ」5千部印刷配布
  • (六)サービス座談会
  • (七)模範接客従事員表彰
  • (八)第3回土産品品評会
  • (八)(ママ)第1回観光週間
    • (イ)観光写真展
    • (ロ)記念スタンプ展
    • (ハ)新京郊外ハイキング
    • (二)観光標語募集
    • (ホ)日満児童綴り方作品募集
    • (ヘ)日満観光映画の夕等、観光写真展、記念スタンプ展は会期6日間入場8万2千966名を数へた。
  • (九)旅館女中其他接客関係者の観光バス試乗会
  • (十)観光写真懸賞募集
  • (十一)カメラハイキング等々。

昭和16年

  • (一)国都のペスト禍及び9月よりガソリン統制のため観光バスの一時中止等のため前年度4万3068名に対し、本年度は4万815名にて約3千名減少。協会案内所利用者は約10万人にして之等観光客に対する貸切バス、乗用馬車、タクシー其他乗物旅館及土産品の斡旋をなせり。
  • (二)接客業者の接遇講習会、新京を語る座談会、模範接客員顕彰。
  • (三)第2回観光週間、会長ラジオ放送、聖地写真の懸賞募集同展覧会、演芸慰問、聖地清掃、観光映画の夕。
  • (四)新京駅構内に地図版の設備。
  • (五)郊外ハイク、婦人歩行会、魚釣ハイク、カメラハイク、青空学校、紅葉狩等厚生運動に努力。

哈爾濱観光協会

昭和13年

  • 一、志士碑境内に無料茶湯接待事務所設置
  • 二、南満各都市に於て哈市観光写真展開催
  • 三、日満連絡船にハルピン案内カード作製配布
  • 四、松花江に煙火大会開催
  • 五、グランドオペラ開催
  • 六、東京の満洲産業博覧会にヂオラマ出品
  • 七、観光案内地図の作成
  • 八、スタンプ観光展開催(於登喜和)
  • 九、哈爾濱観光ポスターを日満に配布
  • 一〇、哈爾濱観光案内を全満に放送
  • 一一、観光案内所、土産品即売所開設
  • 一二、松花江畔にロシア料理店観光亭を経営
  • 一三、旅館女中の哈爾濱観光斡旋
  • 一四、交響管弦楽団の併置経営

昭和14年

  • 一、日本観光施設視察団に参加、観光事業の調査
  • 二、哈爾濱土産品商組合の結成に対する斡旋、
  • 三、土産品に対する座談会開催
  • 四、夜の観光座談会
  • 五、観光バスコース選定に参加
  • 六、旅館の女中の市内観光指導
  • 七、広告塔の経営
  • 八、協会会員に土産品五分引券発行
  • 九、観光バス乗車券代売
  • 十、観光客休息所設置
  • 一一、観光並びにサービス読本の出版
  • 一二、観光絵葉書の出版
  • 一三、レストラン観光亭の経営
  • 一四、ショーウインド装飾競技会の後援
  • 一五、英字紙並に英文単行本による対外宣伝
  • 一六、大毎観光号による対日宣伝
  • 一七、鮮字紙による対鮮宣伝
  • 一八、モーターボート観光艇の運航
  • 一九、煙火大会の開催
  • 二〇、市街美保持座談会の開催
  • 二一、東洋土産品博覧会へ出品
  • 二二、満洲工芸展へ出品
  • 二三、パンフレット「観光のハルピン」出版
  • 二四、興亜産業展へ出品
  • 二五、時間表の作製
  • 二六、哈爾濱観光写真展覧会の開催
  • 二七、史蹟名所案内標識設置
  • 二八、全満観光絵葉書展の開催
  • 二九、観光客の案内事務一切
  • 三〇、其の他新聞雑誌に依る宣伝

昭和15年

  • (一)点滅式電気市内案内板建設
  • (二)東洋一(経3尺)記念大スタンプ作製
  • (三)接客業者懇談会
  • (四)同サービス講習会
  • (五)松花江煙火大会
  • (六)ロシア料理店観光亭の経営
  • (七)パンフレット「北満の雄都ハルピン」出版
  • (八)観光バス乗車券発売
  • (九)市内自動車及びバス乗車券発売
  • (十)ロシア式市内広告塔経営
  • (十一)優良ポーター表彰
  • (十二)観光写真製作
  • (十三)土産品の創案助成(露人)
  • (十四)外人飲食店の指導
  • (十五)観光客の案内事務等

昭和16年

  • (一)清風郷施設の完備運営
  • (二)市民ハイキングコース設定並に奨励
  • (三)協会内観光旅客「サービスステーション」の経営
  • (四)観光客記念写真撮影
  • (五)煙火大会開催
  • (六)土産品販売並斡旋
  • (七)観光亭、清風亭経営
  • (八)市内広告塔経営
  • (九)哈爾濱観光案内出版
  • (十)各種展覧会開催
  • (十一)其他必要事項