日満関係史フィールドワーク(1)「【訪問】満蒙開拓平和記念館(長野県下伊那郡阿智村駒場)」

長野県の阿智村に満蒙開拓を題材にした民間の博物館が存在する。
その満蒙開拓記念館とは一体どのようなものなのか。
実際に行ってきたので、雑感を記しておきたいと思う。

f:id:h30shimotsuki14:20190323114442j:plainf:id:h30shimotsuki14:20190323114437j:plain


常設展示で冒頭からピックアップされていたのが、阿智村と同じ長野県にある大日向村。大日向村は分村移民として満洲に村の半分を送出したことで有名で、和田伝の小説に描かれ、国策映画も作られ、満洲移民のモデルケースとしてもてはやされたとのこと。

f:id:h30shimotsuki14:20190323114433j:plain:h300
これの本物が展示されており閲覧ができる。(※この画像は本館の展示を撮影したものではない。)

この前、戦前における満洲国に関する朝日新聞の記事を眺めていた際、「大日向村がモデルケースとして宣伝されたため、移民で渡ったお婆さんが観光資源になっていた」というものを発見した。それゆえ、コンテンツツーリズムの良い題材になるかと思ったのだが、もう既に大日向村がメディアにおいてどのように描かれてきたという研究は進んでいる模様。筑波大学の教授が2018年にちょうどそのテーマで本を出版したたとのことであった。
 →満州分村の神話 大日向村は、こう描かれた (信毎選書) -【アマゾンリンク】

それはともかく、大日向村の分村移民を題材にして『大日向村』という作品が作られ、小説から映画にメディアミックス展開し、さらには「満洲大日向村」という満洲視察旅行の訪問地が生み出されたことは注目に値する。そしてその旅行行動により、単なる村人のお婆さんが観光資源の対象と化したことは実に興味深い。さらには戦後、分村移民の引揚者が戦後開拓で軽井沢に入植し、第三の大日向村が作られた。そこが新たなる観光資源として現在も訪問地の対象となっているので、現代との繋がりも生み出している。

小説版『大日向村』は読んでいるので、ちゃんと映画も見なければならないなと思った。

f:id:h30shimotsuki14:20190323114429j:plainf:id:h30shimotsuki14:20190323114425j:plain
食事ネタ