【発売前予想】2019年4月発売 新作ノベルゲームの趨勢について【下馬評】

2019年4月の新作は何を買います?GWで10連休ですよ!!
私は研究報告と授業準備があるので『缶詰少女』だけやるつもり。
余力があったら『恋音』もやるかも?

目次

  • 体験版の時点で一番面白いのは『缶詰少女』。
    • 2019年4月のノベルゲーで最も注目されるのは、『缶詰少女』。『3くる』や「みさきち」で有名な渡辺僚一先生の最新作です。4月発売の体験版の中でも屈指のシナリオの面白さを誇っていました。下記(1)に詳細があります。
  • 分割商法の小作品群
    • 体験版の無かった分割商法の作品群としては、和泉つばす先生の原画ゲー『9-nine-』やFrontWingのグリザイアシリーズがあります。『9-nine-』シリーズは3年目に突入しますが、ここまで中二系異能バトルがイマイチ盛り上がっておらず、完全に和泉つばす先生頼みゲーとなってしまっています。またグリザイアシリーズですが、果実系3部作では雄二さんが強烈な個性を放ち魅力的であったのに比べ、ファントムトリガー系のハルトさんはイマイチ活躍しません。今回はハルトさん回だそうですが、評価待ってからでもイイカナーって感じです。(『9-nine-』も『ファントムトリガー』も前作までプレイ済みなので惰性でプレイしてしまうかもしれない。)


以下では実際に体験版をやった作品を踏まえ、下馬評を述べていきます。

(1)体験版のシナリオの面白さでは断トツ! 終末思想系少女救済アクション

  • 『缶詰少女ノ終末世界』
    • 『はるくる』、『なつくる』、『あきくる』の三部作の系統を継ぐ哲学思想系ゲー。今回は終末思想を扱いつつも、日常パートでは『ヤマノススメゆるキャン』を、シリアスパートではスパイ活劇を繰り広げます。当初は終末思想に傾倒する鬱屈した少女を救済するような感じでしたが、安易な展開にはならず、本当に終末を生き抜く展開になるかもしれない予感(外れるかもしれませんが・・・)。主人公くんも一見すると良識派であり社会に適応していますが、一皮むければ何か大きな力に吹き飛ばされてしまいたいという危うい思想の持ち主であり、ヒロイン達に感化されながら、どこまで振り切れてしまうのかにワクワクが止まりませんね。藪漕ぎをしながら世界の果てを感じるシーンは体験版の中でもグッとくる展開となっております。体験版終了時にはザッピングで交互に提示されていた日常のAパートとシリアスのBパートが結合して終わったので、本当にこれからの続きが気になってしょうがありません。終末は本当に起こるのか、少女は個人を社会に帰属させられるのか、小型核爆弾はどうなるのか!?目が離せません。

 


(2)ヒロインの可愛さは随一!音楽を題材にしたテーマ性も面白い!

  • 『恋音セ・ピアーチェ』
    • ピンヒロインもの。ヒロインがとても可愛い。近年まれに見る可愛さ。しかも単なるキャラゲーではなく、シナリオもしっかりしており音楽を通して二人三脚していく関係性がとても素晴らしく描けています。音楽で食っていきたいと願う主人公くんは自己の理想を他者に押し付けてしまいバンドを崩壊させてしまった過去を持っています。一方でヒロインは飽きっぽくて色々なことに興味を示すが何一つやり遂げられず宙ぶらりんになってしまっているという状態です。ヒロインがギターに興味を持ち、主人公くんがそれを教えるという関係から、二人のバンドはスタートするのですが、お互いが自分の劣等感や引け目を感じながら、少しずつ距離を縮めていく描写がグッとくる展開になっています。面倒くさがり屋のヒロインが冒頭では自主トレをサボっていたのに対し、主人公くんに影響されて自然とモチベーションを高め、何も言われずに自らトレーニングをしてくるようになる展開は胸が熱くなる展開です。後輩に慕われて主人公くんもトラウマを克服していくのもイイですね。

 


(3)『加奈』、『家計』、『クロチャン』、『最果て』とノベルゲーム史に残るシナリオをお書きになられた超有名なライターさまの最新作

  • 『和香様の座する世界』
    • 超有名ライター様がシナリオを担当なさることで話題の新作なのですが、個人的には余り面白いと感じませんでした。本当に加奈・家計・クロチャンのライター様なの?という印象です。寧ろ最近では『人退』のあとがきで見られるように、逃げたライターの代筆をしたことやエゴサをしまくってることが何度も繰り返して語られており、自我の強いライター様という風に感じられます。
    • 『和香様の座する世界』についてですが、ひたすらマップ選択するだけのお使い妖怪バトルという印象です。バトル描写も薄っぺらく瞬時に終わってしまいます。また和香様は天孫降臨の際に従わなかった国津神という設定であり、自分たちを封印したはずの天津神の姿が見えないと訝しがるのですが、天照大神の子孫は天皇家だから威光バリバリやで!?って感じ。しかもちょうど即位の日前後の10連休に発売されるので、現代社会における天皇制の可視化が顕著な時期であり、或る意味タイムリーであるとも言えます。体験版の時点では、物語の目的は提示されないのですが、即位の日前後に天津神との戦いを繰り広げる展開というのも時事ネタを掬い上げたのかもしれません。(もしかすると、天津神の戦いはメインにならないかもしれませんが・・・)『荒野を目指す』がコケているので、基本的にはスルーで様子見がベターであり、高評価だったら中古を買えばいいかなって位置づけです。

 


(4)バブミ系アンドロイドがウリかと思いきや何かやたらと長いサイバーパンク系になる

  • 『Missing-X-Link ~天のゆりかご、伽の花~』
    • 主人公くんは家庭環境により精神的に閉じこもった生活を送っていました。母親は自分を産んだせいで死に、母親代わりであった姉も自分を事故で庇ったため死んでしまいます。父親は主人公くんに対しニグレクト状態であり家にも碌々帰ってきません。そんな孤独を抱える主人公くんを癒すのがバブミ系アンドロイドであり、主人公くんを全肯定して立ち直らせます。冒頭ではこのバブミ系アンドロイドと主人公くんを中心に話が進むのですが・・・おーっと、何と2年も時間軸が飛んでサイバーパンクな事件解決モノに早変わり!!ここからシナリオがクソ長くなっていきます・・・。人間の上位存在としてのアンドロイドというのも使い古されたテーマなので、どこまで戦えるのかは未知数かもしれません。体験版の時点では製作者たちが頑張ってる感は伝わってきましたが・・・。