雑録

【下馬評】2021年5月発売新作ノベルゲーは何を買ったら良いですか?

私は『ハッピーライヴショウアップ!』を買ったよ。

5月の新作で体験版をやったのは5本でした。①いまだにループモノ書いてる竜騎士先生の『LOOPERS』、②FAVORITEの新ライターが描く挫折系主人公モノの『ハッピーライヴショウアップ!』、③萌木原ふみたけ先生のケモミミ原画集、④しらたま先生の新規キャラデザが拝める『あまショコ2』はこちらもケモミミがウリです。⑤雛祭桃子先生原画の異世界転生モノ、そして体験版は出ていませんが⑥ままれがEmily先生原画でFDを出します。よって今月はほぼ原画ゲーが中心と言えるでしょう。シナリオ目的で買うなら竜騎士ゲーor新ライターなので、フツーに安パイで考えればKeyに軍配が上がりそう。竜騎士ゲーは未だにループモノかよという手垢塗れ感をいかに払拭できるかに勝負がかかっています。FAVORITEの新ライターは挫折系主人公というこれまた粗製乱造されるシナリオ展開なので、マジックショーという舞台芸能の中でヒロインの専門性を如何に描けるかに注目が集まります。

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ループモノ×リアル宝探しゲーム『LOOPERS』 (Key)

竜騎士またループモノ書くん?と思った人は挙手。エンドレスエイトならぬエンドレス8月1日であり、同じ日を一生繰り返すことになってしまいます。ループを繰り返し続けると脱落して意識喪失。主人公及び新規参入組以外のメンバーたちはもう既に幾重ものループを繰り返しまくっておりかなり疲弊気味。そんなメンバーたちにアクセントを加えることになるのが、作品のもう一つのテーマであるリアル宝探しゲーム。主人公はスマホGPSアプリを活用した宝探しゲームに嵌っており、その魅力を堪能していました。この宝探しゲーにより合理的思考が培われ、明るく前向きな人格が形成されていきました。体験版のウリとなるのが、感情の起伏が少ないクール炉利に宝探しゲーを体験させ、感情を発露させることです。結構グッとくる展開。この宝探しゲーがその他のメンバーたちに対してどのように作用し、キャラクターの掘り下げが行われるかに期待が集まります。真面目にループ脱却を目指すのか、それとも発狂して殺戮ゲーになるのか、竜騎士マジックが発動するのか、そういった意味でもある意味楽しみなゲームです。

舞台芸能をどこまで描けるか!?『ハッピーライヴ ショウアップ!』(FAVORITE)

期待の新星ライターが送るマジックショーで舞台芸能ゲー。構造としては手垢塗れの挫折系主人公モノ。明るく前向きな初心者のヒロインが登場し主人公に教えを請うという展開。ヒロインへの指導を通して、主人公が感化されていき、もう一度トラウマに向き合って救済されるという構造を取っています。有名どころですぐに出て来るものといえば、らりる、あおかな、パラレログラム、ルペルカリアといったあたりです。挫折系主人公モノはドラマを創りやすく感動するものですからね。しかしながらここで問題になってくるのは、それぞれのヒロインに付与された専門領域。マジックショーを専門とするメインヒロインを筆頭に、大道芸、楽器、バレエと揃っています。これらは各種専門領域に通じ、それを踏まえたシナリオを描かない限り、単なるキャラ属性と化し、シナリオが薄っぺらくなってしまうという欠点があります。体験版はこれらのヒロインが自分の専門を活かして舞台芸能を作り上げることが目標として提示されます。おそらく共通√では一致団結大団円シナリオが挿入され、個別ルートでそれぞれの専門領域が掘り下げられ、グランドエンドでもう一度みんなで一つのショーを作り上げるのであろうということが予想されます。大道芸、楽器、バレエできちんとそれぞれの人物像と抱える問題を掘り下げられればかなり面白いシナリオにはなりそう。

萌木原ふみたけ先生原画集『まどひ白きの神隠し』 (Lump of Sugar)

Lump of Sugarの作品のうち萌木原ふみたけ先生の原画で成功したのって『いつそら』ぐらいじゃね?他にもあったら買うので教えてください。今回も原画ゲーとなりそう。話の流れとしては主人公たちが入り込みミラーでパラレルワールドに行ってしまい、元の世界に戻るために思考錯誤するというもの。神話伝承信仰などをモチーフとしているのだから『いつそら』のように振り切ってガチでシナリオ書いてくれれば面白くなりそうなものですが、スゲーライトでぬるい感じ。ウリといえばパラレルワールドはケモナーの世界であり、獣耳を拝むことが出来る事くらいでしょうか?体験版で元の世界に戻るまでを散々やってしかも戻れなかったので、製品版でこれを繰り返されると、正直辛いぞ!!

しらたま先生原画集『あまいろショコラータ2』 (きゃべつそふと)

もしかしてしらたま先生は自分でライターを連れてきて同人ゲーを作った方が売れるのではないだろうか?(『星空鉄道』参照)。きゃべつそふとの新作では続編FDであり、あまショコ無印で人気の高かったサブヒロイン2人を昇格させて新規キャラを追加したという感じ。あまショコ無印のヒロインは拗らせ系面倒くさい炉利とアホの子ヒロインでしたしね。当時からサブキャラが何故攻略できないと散々言われていましたので。その他、さらにしらたま先生キャラデザの新キャラが二人も出ます。ウサギ耳姉妹。体験版をやった限りでは姉は攻略できないっぽいけど、出来るのなら購入を検討してもいいかもしれません。シナリオとしては、新しく和風カフェを出すことになったウサギ耳ヒロインのお店を主人公が手伝うという流れを取っており、内向的なウサミミ妹がオープンハートしお兄ちゃん呼びしてくれるようになるところがハイライト。ケモミミシリーズでは発売日的に萌木原先生と殴り合う形になってしまいましたね。

雛祭桃子先生原画集『ぱられるAKIBA学園』(panache)

延期して2021年5月に飛んできた作品。粗製乱造されまくっている異世界転生モノで、ファンタジー世界にオタク文化を根付かせるために学校を作るぞとかいうノリ。主人公はオタク文化をこよなく愛するが異世界にはアニメもゲームも漫画もラノベもようつべも無い。無いのだったら自分たちで作りましょう精神。学校を作ってイロハを教えて、創作活動を身につけさせれば、異世界でもメディア文藝やコンテンツ産業が楽しめちゃうという感じで進んでいきます。アレ、この設定ならシナリオでも勝負できそうじゃね?と一瞬思われますが、中身は抜きゲー要素が強い雛祭桃子先生の原画集です。雛祭桃子先生の絵柄に関しましては、個人的には『きゃん☆フェス!』の頃の画風が一番好きです(誰も聞いていない)。

Emily先生原画集『イチャ×2スタディ』(ま~まれぇど)

ままれのファンディスク。スタステの中で一番人気の高かった素直クール系しっとりバブミ先輩をピンヒロインとして続編を描きます。本編はEmily先生の他にもう一人原画師が起用されていたのですが結果は御覧の通り。いや、もう一人の方はシナリオにも恵まれていなかったのです。ままれは自らシナリオには期待するなとユーザーに述べているメーカーなのですが、それにしてもライターの質が酷すぎた。具体的には中学国語で誰もが習うであろう旧暦を間違えてしまうほど。義務教育の敗北もさることながら、ライター会議はおろかろくにデバッグをやっていないことが晒されてしまったのでした。Emily原画を担当したライターさんは結構キャラゲーとしてはステキなシナリオを書いておられて、個人的にはもう一人の炉利を担当したヒロインのシナリオも好きでした。家庭的なヒロインでお母さんへの複雑な愛情を主人公が解きほぐしてあげる展開が良かったです。今回FDの攻略対象となる黒髪ロング先輩シナリオは製品版で「しっとり」展開をやってしまっているので、FDでどのようにシナリオを転がすのかに注目が集まります。公式サイトからはそこはかとなく粗雑さが垣間見れるので、地雷にならなければいいのですが。