『マルコと銀河竜』(製品版 game disk ) の感想・レビュー

ぶっ飛んだテキストでお馴染み!はと先生によるバカギャグの皮を被った哲学ゲーシリーズ。
今回は銀河系を巡る宝玉争奪戦を通して家族愛と百合友情が描かれることになる。
ノベルゲーの枠組みを超えるためカートゥーンが組み込まれているためかシナリオは短め。
感情が無い別の銀河系から侵略してきたアスタロトを大団円で打ち砕くことが目的となる。
銀河竜は記憶を食らう存在であり、最後はマルコとの思い出を食らって別離エンド。
しかしトレジャーハンターをしている限り二人は再会するだろうことが提示されて終わる。

家族愛と百合友情

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  • マルコ誘拐編
    • 幼少期のマルコはピアノの発表会の当日に誘拐されます。上手く弾けたことを母親に報告しに行った際、母親が倒されている所を目撃。さらにマルコ自身も地球から連れ去られるのでした。この誘拐の原因を作ったのは、ラスボス:アスタロトの娘のハクア。アスタロトが支配する銀河系は無感情が正常とされたため、感情を有するハクアはつらい思いをしてきました。そんなハクアの興味を惹いたのが、別銀河の地球から聞こえてくるマルコのピアノ演奏だったというワケ。こうしてマルコはアスタロトの手の者に誘拐されることとなったのでした。マルコの育ての親であるマフィアのボス:ドスゴロは、マルコを奴隷商から買ったとされていましたが、別銀河からの侵略者を快く思わなかったため、マルコをアスタロトから奪ったことが判明します。

 

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  • 記憶を食らう銀河竜
    • ドスゴロの下で盗みを覚えさせられながら飼育されていたマルコでしたが、銀河竜:アルコに出会います。体験版の時点ではマルコを肥えさせて一番美味しい時になったら食わせるという契約が結ばれたとされていました。しかし本編では孤独であった銀河竜がマルコの絶望の瞳を見て同類だと思ってシンパシーを感じていたのです。この銀河竜は肉ではなく記憶やつらさを食う竜でありマルコは一度食べられた際に母親や誘拐の記憶を無くしていたのでした。それゆえ、マルコは母親の記憶や幼少の記憶が無かったことが判明するのです。ちなみにマルコの母ミツコも記憶を食われており、別の家族を持っているようです。本編ではヤンキーの桜子と喫茶店の游子がマルコの姉であると分かるのですが、じゃあ桜子・游子とミツコの関係性ってどうだったんだい?と疑問に思ってしまうのでした。私が読み過ごしてしまっただけか!?

 

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  • 地球防衛学園編
    • 銀河を支配するアスタロトの事を良く思わない娘のハクアは、父を殺そうと画策します。宝玉が地球にあればアスタロトは自らやってくるるであろうと予測し、アスタロトに一族を殺されたガルグイユを仲間に引き込みます。アスタロト以外にも地球は宇宙の諸族から侵略を受けているということで、マルコ・ハクア・ガルグイユは地球防衛をカリキュラムに取り入れている学校に通うことになり、そこでミュータント退治に協力することになります。game diskで扱われた戦いは「愛」によるミュータントの侵略。暴力による支配ではなく、地球に入り込んで「良い思い出」だけを作り上げて支配をしていくという寸法です。その「良い思い出」というのは自分に都合の良い甘い罠。ここでの見どころは、マルコにおいて母親との幸せな思い出が創り上げられ、それに気づいだマルコが母親の姿をしたミュータントをぶっ殺す場面です。

 

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  • マルコ腕吹っ飛ばされて治療編
    • なんか突如ハクアが裏切ってアスタロトが宝玉を手にしてしまいます。ガルグイユは戦闘シーンすらなく退場(のちに回収される)。腕を吹っ飛ばされたマルコは治療を受けることになり、視聴者は深層心理をドタバタギャグコメディー形式で見せられることになります。麻酔による幻覚として、これまでの登場キャラたちがギャルゲーのごとくマルコを攻略しようと言い寄ってくるのです。マルコの腕は元には戻らず銀河竜の歯が移植されることになり、ロボットアーム化します。この移植の拒絶反応に苦しむ様子が深層心理編だったというわけで、最終的にロボットアームは適応します。

 

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  • 銀河竜奪回編
    • 銀河竜アルコは、侵略者のアスタロトと最終決戦しに向かいます。マルコもガルグイユを回収し乗り込んでいきます。このガルグイユ回収編からアスタロト対面編まで、いくつかミニゲームが用意されていて、カートゥーンのアニメとともにノベルゲームの枠組みを超えようとする工夫が随所にちりばめられているのです。ガルグイユが雑魚を蹴散らしハクアとのバトルを引き受けている間に、マルコはアスタロトの下へ向かいます。そこにはアスタロトに敗れ去り瀕死となっている銀河竜の姿が!!宝玉を装備したアスタロトは無限の強さを誇ります。で、アニメ描写のバトルシーン。銀河竜アルコの活躍もありマルコの剣が宝玉を貫いて討滅完了。最後はアルコがこれまでのマルコと培った思い出を走馬灯のように回想しながら食らっていき別離エンドとなります。地球に戻ってきたマルコは桜子と游子を姉として認識。ミツコにも対面し、記憶を失ったミツコが新しくつくった息子にも対面しプラモデルを渡します。ドスゴロがアスタロトからマルコを盗んだ真相も明かされます。そして最後は再会を予感させる流れへ。アルコはトレジャーハンターを続けマルコのアカウントでオークションに出品を続けていたのです。マルコがトレジャーハンターを続けていればきっとアルコにも会える!というオチとなりgame diskは幕を閉じます。

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