雑録

【漫画版】『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第1巻の感想・レビュー

破滅フラグ回避モノを腐女子JKの語り部と乙女ゲーの舞台装置と敵キャラ悪役令嬢で表現する。
どーせ粗製濫造される同工異曲の類似品なんだろーと偏見持って斜め読みしたら結構面白かった。
腐女子JKの「脳内会議」がウリで、破滅フラグを次々と破壊していく爽快感が得られる。
トラウマ持ちの登場人物たちの心の傷を、腐女子JKのマッチョな思想が次々と救っていくのだ!
本来の主人公が登場する以前に、悪役令嬢役のはずなのに、全キャラから既に好感度マックス。
他のライバルヒロインである正統派お嬢様や妹キャラと百合フラグまで建てている。
 
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第1章「前世の記憶を思い出す」

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  • 腹黒完璧超人王子ルートにおける破滅フラグを回避するには剣と魔法の訓練
    • 悪役令嬢カタリナ・クラエスの前世は享年17歳の腐女子JKでした。カタリナは8歳の時に頭を打ったことを契機に、前世のJK時代の記憶を思い出します。そして現世は、死ぬ直前までプレイしていた乙女ゲーの世界であり、自分はメインヒロインのライバルキャラである悪役令嬢であることに気付くのです。ゲーム通りにシナリオが進めば、悪役令嬢カタリナは国外追放となるか殺されてしまうのです。このままでは破滅エンド直行フラグまっしぐら。そのため何とかして破滅フラグを圧し折るための作戦が練られることとなったのです。
    • 本作品のウリはまさに新カタリナの「脳内会議」にあると言えるでしょう。カタリナが脳内で生み出した自分の分身たちと打開策を練るのです。この会議で出される結論は基本的に脳筋パワープレイ。第1章では婚約者でもある腹黒完璧超人王子「ジオルド」ルートにおける破滅フラグ回避を目指しますが、国外追放されても良いように魔力を磨き、殺されそうになっても反撃できるように剣の腕を磨くことになります。中身腐女子JKの庶民派的行動(土魔法強化の為に畑作りをするなどといった行為など)は、貴族社会の常識を次々と打ち破っていくという爽快感を見せます。まず手始めにゲーム内では婚約者であるにも関わらずカタリナに1ミリも好意を抱いていなかったジオルドをして、興味を持たしむことに成功するのでした。

 

第2章「義理の弟がやってきた」

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  • 孤独に陥りがちな義弟ルートにおける破滅フラグを回避するには姉弟愛を注ぐ
    • 第二の攻略対象はカタリナの義弟キース。本来のゲームでの設定では、キースは貴族社会におけるありがちな展開により孤独に陥ります。キースはクラエス家の分家の当主が娼婦に孕ませた子だったのですが、高い魔力を見込まれてカタリナ家に引き取られます。もともと妾腹の子であったため分家ではうまく行っておらず、クラエス家の養子となっても疎んじられるという設定です。キースルートでもカタリナは国外追放かデッドエンドになってしまうのです。
    • それではキースルートで破滅フラグを圧し折るためにはどうすればいいのでしょうか?またもや脳内会議が展開され、キースを孤独にしないという選択をチョイス。姉弟愛でキースの孤独を癒します。しかし結果的にキースが魔法でカタリナを傷つけてしまい、ヒキコモリになりかけてしまうという流れになります。このままでは折角回避しかけた破滅フラグが立ってしまうということで、カタリナはパワフルプレイに走るのです。義姉を傷つけショックを受けるキースは引きこもってしまうのですが、カタリナはバトルアックスを用意しその扉を破壊するのです。こうしてカタリナの行動はキースの心を打ち、孤独を癒すのでした。

 

第3章「初めてのお茶会と新しい友達」

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  • 百合ゲーフラグ!同じライバルキャラとしての友達!
    • 本来のゲームの設定だと、正統派お嬢様として主人公の少女の前に立ちはだかるライバルキャラがメアリ・ハント。メアリもカタリナの義弟キースと同様に貴族社会の婚姻関係により傷ついた存在です。設定では、そんなメアリを第四王子のアランが癒したことにより、メアリはアランにゾッコンとなり、ゲームの主人公と対峙するという展開になるそうな。アラン√の場合、カタリナは殆ど登場せず、アランはハッピーエンドでは主人公のヒロインと結ばれるが、バッドエンドでもメアリと幸せになるというアランにとってはどちらに転んでもハッピーやんけ!という結末が待っています。
    • しかしここで前世の知識を持つ新カタリナは無意識に原作改変を行ってしまうのです。つまりはメアリを癒す役をアランから奪い、ゲーム内でアランが使う台詞を使ってメアリを百合沼に落としてしまうのです。新カタリナの趣味は魔力訓練の為の畑作りとなっていたのですが、メアリが庭園の花を見事に咲かせているのに感激し褒め称えることになります。そして上手く育たない自分の作物を見て欲しいと言葉巧みにメアリを誘い、一緒に作物を育てるという共通体験をすることになります。こうして今まで貴族の家庭で疎んじられ自信を喪失していたメアリの自己肯定感を生み出し、攻略完了☆新カタリナの友達ができたのでした。

 

第4章「挑まれた勝負とその結末」

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  • 本来のカタリナ√では無関係の第四王子アランも攻略してしまう。
    • 作中の中での原作ゲームでは、カタリナが関わるのは第三王子のジオルドと義弟のキースのみです。しかし、新カタリナは意図せずアランをも攻略してしまうのでした。第3章で植物系フレンドのメアリと百合フラグを建てた新カタリナでしたが、メアリがカタリナにゾッコンになってしまったため、婚約者である第四王子のアランが嫉妬し乗り込んでくるのでした。最初は大人な対応を取ったカタリナでしたが、アランの言いがかりについブチギレてしまい、何故か勝負をすることになります。ここでカタリナは得意の木登りをチョイスしアランを返り討ち。こうしてアランはしばしばカタリナに勝負を持ちかけてくるようになるのですが、カタリナ家で第三王子ジオルドと鉢合わせしてしまうのです。アランは完璧超人の兄であるジオルドにコンプレックスを抱いており精神崩壊の危機に陥ります。このアランの兄に対する引け目を本来ならばメインヒロインが癒すのですが、カタリナが癒してしまうのですね。さらにカタリナはここでジオルドが蛇に弱いという欠点を見抜き、おもちゃの蛇を投げつけてビビる様子をアランに見せることになります。アランは完璧超人の兄も弱点を持っていることを知って肩の力が抜け爆笑し、人間性を取り戻したのでした。第四王子アランも攻略完了!

 

第5章「麗しの美形兄妹との出会い①」

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  • シスコンキャラを攻略する為にはまず妹を攻略する必要があるというギミック
    • 作中の乙女ゲームの設定では、メインヒロインのライバルキャラとして悪役令嬢カタリナ、正統派お嬢様メアリ、シスコンキャラの妹のソフィアの3人が登場します。メアリとの百合フラグにより第四王子アランをも攻略したカタリナは、続いてソフィアとも百合フラグを建てていきます。メアリとは植物フレンドでしたが、ソフィアとはロマンス小説フレンドとなります。新カタリナは前世で腐女子であり、アニメや乙女ゲーにどっぷり浸かっていたので、現世ではロマンス小説に嵌ります。しかし周囲に語れる人がいなかったため、オタ友に飢えていたところ、同じくロマンス小説好きのソフィアと出会うことになるわけです。趣味友とは良いものでありソフィアともすっかり仲良くなるカタリナ。そして知らず知らずのうちにソフィアの心の傷を癒すことになります。ソフィアはいわゆるアルビノであり、乙女ゲーの世界でも偏見と差別にあってきました。そのため自分の容姿にコンプレックスを持っていたのですが、カタリナはその髪を美しいと褒め称えるのです。こうした新カタリナの率直さはソフィアを救済し、またしても百合フラグが建設されたのでした。

 

第6章「麗しの美形兄妹との出会い②」

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  • 妹と百合フラグを建てたので、シスコンの兄も攻略完了☆
    • アルビノ文学少女ソフィアの家に遊びに来たカタリナ。そこでは期せずしてソフィアの両親から直接の挨拶を受け、これによりソフィア一家の家族愛を体感することになります。そしてソフィアとの楽しい百合タイムが過ぎていく中で、何気にソフィア兄ニコルとカタリナの義弟キースが仲良くなっています。門限の時間が迫った帰り際、ソフィアがカタリナに布教したい本を取りに戻ったところで、ニコルと会話をすることになるのです。不愛想で鉄面皮なニコルに話題を振っても淡々と返されるだけで間が持たず焦ってしまうカタリナ。そんなカタリナは前世の知識を活かし、話が長いことで有名なお隣のおばあちゃんのスキルを駆使して、家族を褒める作戦に出ます。これが見事に大当たりでして、両親や妹を大切にしているニコルの心を打つことになり、攻略完了となるのでした。

 

第7章「ついに迎えた誕生日」

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  • 乙女ゲーのメインヒロインが登場する前に全攻略対象及びライバルキャラたちとフラグを建ててしまったカタリナ
    • 時間軸は一気にスキップし、炉利カタリナ編は第6章で終了。第7章では成長した姿を見せ、乙女ゲーの舞台となる魔法魔術学校入学前夜となります。破滅フラグを回避するために行動した結果、登場人物たちのトラウマを解消していったため、既に好感度マックス。新カタリナ15歳の誕生日には盛大なパーティーが開かれ、社交ダンスを踊ることになります。必死の訓練の結果、女性パートをこなせるようになったカタリナは、ジオルド、アラン、ニコルとダンスを踊っていくことに。さらに一息ついたところで百合フレンズたちも登場し、カタリナと踊るために男性パートを覚えてきたと息巻くメアリや、カタリナと一緒に踊りたいと申し出るソフィアが良い感じですね。カタリナを巡ってメアリとソフィアで一触即発か!?とも危惧されましたが、メアリとソフィアも結構楽しそうで百合は素晴らしいな!
    • こうして漫画版第1巻は、乙女ゲームの主人公であるメインヒロインが登場する前の前日譚が語られました。もう既に悪役令嬢キャラであったカタリナが登場人物全員を攻略しているので、この状態にどのようにメインヒロインが絡むことになるのか非常に気になります。

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