【アニメ版】『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第11話「幼馴染の絆!トラウマ救済カタリナハーレム」の感想・レビュー

トラウマ救済ゲーの真骨頂。過去にカタリナに救われたキャラ達が今度はカタリナを救う。
各々が如何程カタリナに救われたかを想起するシーンがグッとくる演出となっています。
やはり破滅フラグを回避するため試行錯誤する幼少期編が一番面白いよね!
カタリナが前世の生活を懐かしむも主体的な選択で現世を選び取る場面が見所。
しかしアニメ版でも何故あっちゃんがソフィアに転生したのかは謎のままであった。

トラウマ救済返しと主体的意思決定

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  • トラウマ救済
    • 今回の面白さは、過去にカタリナに救われたキャラたちが、カタリナ喪失の危機に際し、如何程自分らがカタリナに救われたのかを噛みしめる場面にあると言えるでしょう。ここからはめふらが持つ構造的面白さに迫ることができます。
    • はめふらの面白さの一つとして、異世界転生モノとトラウマ救済を組み合わせたことが挙げられます。幼少期のカタリナが破滅フラグを圧し折るという目的で、「前世の知識」と「現代社会に育まれた心性」により、次々と各キャラの「トラウマを解放」していったところに「異世界転生俺TUEEEチート系」が持つ「爽快感」がありました。
    • ノベルゲーのシナリオ技法の一つにトラウマ救済というパターンがあります。主人公との関係性を深める手段として各キャラにあらかじめ様々な問題が付与されており、それを解消することで好感度蓄積が成されるという展開です。ゼロ年代に所謂「泣きゲー」が流行った際には、各キャラに与えられるトラウマが次第にエスカレートしていき、親による虐待や学校でのイジメ、格差社会や貧困問題、果ては精神障害や肉体的欠損になどまで至り、一時期はノベルゲー=トラウマ救済ゲーと化していたほどでした。
    • はめふらの登場人物たちにもそれぞれにトラウマが付与されており、それらは虚無感(ジオルド)、疎外感(キース)、劣等感(アラン)、無理解(ニコル)、自己肯定感(メアリ)、他者排斥(ソフィア)、家族崩壊(マリア)、自己の拠り所(アン)等々が挙げられます。トラウマ解放は一種のテンプレと化していますが、普遍性を持つテーマだからこそ読者に訴求するところがあり、これらの問題から救われたキャラたちが救ってくれたカタリナの為に立ち上がる流れは様式美とは言え、グッとくる面白さがあります。

 

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  • 主体的意思決定
    • 今回もう一つのテーマとなっていたのが、主体的な意思決定です。昏睡状態に陥ったカタリナは前世の人生の続きを体験することになるのですが、ここで前世の現代での生活か、転生した乙女ゲー世界の生活かの選択に迫られるわけです。前世を選んでしまうとカタリナは死亡し文字通り破滅エンドなのでしょう。ここでカタリナを救うために大活躍するのが我等があっちゃん。あっちゃんもまた前世においてカタリナによって救われていたのです。あっちゃんは社会から承認されにくい趣味(腐女子趣味)を愛好しており、それ故に孤独な生活を送っていました。しかし趣味を同じくする親友が出来たことにより、中学から高校までの学園生活が一挙に華やいだのです、青春。そんなあっちゃんだからこそ、親友と別れるという辛い思いを乗り越え前世と決別するための引導を渡す役が大いに映えるのですね!突如の事故死によりきちんとしたお別れができなかったカタリナがあっちゃんに別れを告げ転生先を自己の人生として自ら選び取ったため、会長の闇魔法の呪いを解除できたのだと言えるでしょう。
    • でもまぁそうするとなんであっちゃんがソフィアに転生することになったのかは描いて欲しいところではあります。漫画版だとあっちゃんがソフィアに転生した謎は明かされませんでしたが、原作小説版では描写があるのでしょうかね?気になるところ。

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