1.【イギリスから始まる産業革命】
(2)産業革命は綿織物から始まった!
- ①輸入代替…インド産綿布(キャラコ)が大人気となり、イギリス東インド会社により大量輸入されたので、しばしば議会により規制された。これにより「輸入代替」として綿織物を国産化する動きが強化され技術革新が起こった。
- ②織機と紡績機の発明
- ☆織機とは綿糸から織物を作る機械のこと。紡績機は綿花から糸を紡ぐための機械。
- a.ジョン=ケイによる飛び杼(梭)の発明(1733
- →布を織る装置。幅広布の製造を容易化。糸不足を引き起こす。
- b.紡績機の発明
- ハーグリーヴズ のジェニー紡績機(多軸紡績機)…1764頃。糸の大量生産が可能になる
- アークライトの水力紡績機…1768。水車を動力源とし、熟練不要・連続作業を可能
- クロンプトンのミュール紡績機… 1779。ジェニー紡績機と水力紡績機の長所を取り入れた紡績機を発明(ミュールとはロバと馬の混血ラバの意)。細糸の製造を可能。インド産に劣らない高品質。
- c.カートライトの力織機…1785。動力源に蒸気機関を利用した織機。速度は飛び杼の4倍。
- ③綿花生産量の増大
- アメリカのホイットニーが綿繰り機を発明(1793)。手作業に比べて50倍(のち300倍)早く作業が進み、アメリカ南部の綿花生産高を激増させた。
2.鉄・石炭の産業革命と交通革命
(1)工業用燃料の転換
- 木炭…木炭の火力は弱く膨大な量が必要となり、イギリスの森は次々と伐採され、歴史上「森林の枯渇」として知られる環境破壊が起こる。
- コークス…石炭を燃料としては良質な鉄を生み出すことができなかったためにダービー父子により開発された石炭加工燃料。石炭を空気と遮断した状態で燃焼させて、硫黄・コールタールなど不純物を除くことで高温燃焼を可能とした。
- →コークスによる鋼鉄製造で鉄の生産量が急増!鉄製機械が普及する。
(3)交通革命
(4)産業革命の波及
3.資本主義の進展
(1)産業革命の歴史的意義とは何か?
- ①生産技術の進歩…マニュファクチュア(工場制手工業)から工場制機械工業へ
- ②産業資本主義社会の成立…小規模な独立生産者が競争によって二大階級(資本家・労働者)に分解
(2)賃金労働者
- ①賃金労働者の誕生…大量生産により熟練技術工が失職。第二次囲い込みにより独立自営農民から転落した人々と共に賃金労働者となる。
- ②賃金労働者の悲哀…長時間重労働・都市における貧民屈(スラム)の形成・女性や子どもの雇用。