前近代西アジア史【2】ペルシア史

1.メディア(前8C末~前550)

  • イラン人最初の国家。新バビロニアと組んでアッシリアを倒すがアケメネス朝により滅亡。

2.アケメネス朝ペルシア帝国

(1)建国期

  • 初代キュロス2世(位前559~前530)
    • メディア、リディア、新バビロニアを滅ぼす。バビロン捕囚中のユダヤ人を解放。支配下の諸民族の融和に努め、帝国の基礎を築く。
  • 2代カンビュセス2世(位前530~前522)
    • 前525にエジプトを征服し、オリエント再統一。
  • 3代ダレイオス1世(位前522~前486)…王位簒奪者。
    • 最大領土…インダス川エーゲ海に及ぶ大帝国。
    • 中央集権…総督を監察官に監視させる。金貨・銀貨の製造。税制整備。宿駅制度(王の道)。
    • 対外遠征…ギリシアに遠征し、ペルシア戦争を開始。以後、ペルシアはギリシアに干渉し続ける。
      • →帝国内の反乱に断固たる姿勢を示す。
      • 支配下の諸民族を遠征に動員することで、強大な権力を実際に行使し誇示する。

(2)アケメネス朝の統治政策

  • ①中央集権的な統治
    • 地方支配…帝国全土を20の州に区分し、総督(サトラップ)を任命して統治させる。
    • 総督監視…「王の目」、「王の耳」と呼ばれる監察官に州を巡察させ、総督を監視し地方を支配。
    • 交通整備…中心都市スサから小アジアのサルデスまで「王の道」を建設し駅伝制を整備。
    • 巨大王宮…ダレイオス1世以来3代かけてペルセポリスを建設。宝庫、ハーレム、謁見の広間、列柱殿の遺跡、豪華な大円柱や浮き彫りなど壮大。アレクサンドロス大王により破壊されてしまう。
  • ②民族融和…服属民族の伝統・慣習を尊重。

 

(3)アケメネス朝の社会

  • ②経済
    • 金貨・銀貨の発行。フェニキア人やアラム人などの商業活動を保護。

(4)アケメネス朝滅亡までの流れ

3.アレクサンドロス大帝国

4.セレウコス朝シリア(前312~前64(63))

  • アレクサンドロスの部下セレウコスを祖とするアジア地域を支配したギリシア系王朝。前250頃バクトリアとパルティアが自立。以後シリアを支配していたがローマのポンペイウスに敗北。

5.アルサケス朝パルティア (前248ころ~後224) 中国名「安息」

  • ①建国…遊牧イラン人のアルサケスがカスピ海東南地域で独立。
  • ②繁栄
    • 前2世紀半ば ミトラダテス1世がメソポタミア併合 → 都クテシフォン建設
    • 東西貿易路(シルク=ロード)の要衝をおさえる (※中国と最初に交易した西アジアの国)→ 前97 後漢の班超が大秦国に派遣した甘英が到着。
  • ③滅亡…セレウコス朝の滅亡後ローマとの抗争で衰退しササン朝のアルダシール1世に滅ぼされる。
  • ④文化
    • 初期にはヘレニズム文化の影響を受けるが、1世紀以降はイランの伝統文化。

6.ササン朝ペルシア (224~651)

  • ①建国…226年、農耕イラン人のアルダシール1世がパルティアを滅ぼし建国(都:クテシフォン)
  • ②拡大…第2代皇帝シャープール1世が中央集権的支配体制を確立
  • ③後退…5世紀後半、中央アジアからエフタルが侵入!
  • ④全盛…ホスロー1世(位531~579)時代
    • →西方:ビザンツ帝国(東ローマ)のユスティニアヌスと戦い優勢
    • →東方:突厥と組んでエフタルを討つ!
    • →内政:マズダク教弾圧・アテネのアカデメイアから逃れた学者を保護・『アヴェスター』文字化
  • ⑤滅亡…642年ニハーヴァンドの戦いでヤズデギルド3世が第正統カリフ第2代ウマルに大敗→651滅亡
  • ⑥文化…イランの伝統文化を完成。銀器・ガラス器・毛織物などの美術工芸品が東西伝播

7.ゾロアスター教マニ教

(1)ゾロアスター教

(2)マニ教