2020-08-10 前近代東アジア史 朝鮮半島史 受験世界史 前近代東アジア史 1.箕氏朝鮮(?~前190ころ) 朝鮮古代の伝説的王朝 2.衛氏朝鮮(前190ころ~前108) 都:王険城(現在の平壌) 3.前漢の支配 4.朝鮮半島の三国時代 5.統一新羅 6.高麗 (都:開城) 7.李氏朝鮮 (都:漢陽) 1.箕氏朝鮮(?~前190ころ) 朝鮮古代の伝説的王朝 ①建国:周の武王が殷を滅ぼした時、周王族の賢人箕氏が朝鮮王に封じられたという。 ②滅亡:前190頃、衛満に国を奪われる。 2.衛氏朝鮮(前190ころ~前108) 都:王険城(現在の平壌) ①建国:燕から亡命した衛満が箕氏朝鮮を倒して建国。 ②滅亡:前108年、前漢武帝によって滅ぼされる。 3.前漢の支配 ①朝鮮4郡…前108年、前漢武帝が衛氏朝鮮を滅ぼして設置。楽浪郡・真番郡・臨屯郡・玄莵郡 →楽浪郡…現在の平壌付近。4郡の中心的地位。中国文化伝播の拠点。 4.朝鮮半島の三国時代 ①北部 高句麗 前1世紀頃、中国東北地方南部にツングース系民族により建国される。 313年、楽浪郡を滅ぼし、朝鮮半島北部を支配。 広開土王(位313~412)の時、最盛期 →広開土王碑文に百済・倭との交戦の記録 ②南部 3世紀…三韓(辰韓・馬韓・弁韓)が成立 4世紀半ば…辰韓(東部)に新羅、馬韓(西部)に百済が成立 4世紀後半…弁韓(南部)で加羅諸国が形成 → 日本が支配?かつては任那日本府の説あり。 7世紀後半…新羅が唐と同盟し高句麗・百済を滅ぼす 663年白村江の戦いで百済の残党と日本が組んで新羅と戦うが日本は敗北。 5.統一新羅 ①朝鮮半島の統一 676年 唐と結んで百済・高句麗を滅ぼしていた新羅が唐を排除して朝鮮半島統一。 ②骨品制 新羅の王族と貴族対象とした特権的身分制度。王族である骨階層と一派貴族の頭品階層からなり、階層間の婚姻や就任できる官位・官職に厳しい制約があった。 ③仏国寺 唐から高度な仏教文化を吸収し、首都慶州に仏教寺院を建立。 ④滅亡 10世紀前半、唐が滅亡すると、周縁地域の律令国家も滅亡。諸民族・諸勢力が自立し、分立状態となる。朝鮮半島では新羅が倒され、王建により高麗が建国される(都;開城) 6.高麗 (都:開城) ①建国…唐の滅亡後、新羅分裂。10世紀前半豪族の王建が半島を再統一。 ②小中華思想…中華文明に憧れと劣等感を持つ東アジア諸地域で、自国を中華王朝と並ぶ存在とし他地域より上位と位置づける思想が生まれる。 ③支配体制…仏教を国教化、科挙制も導入 ④両班…特権身分の官僚の呼称。文官(文班)と武官(武班)を総称することばとして使われた。 ⑤文化 a.高麗青磁…宋磁の影響を受けた陶磁器の中でも、ヒスイ色に文様をつけた。 b.世界最古の金属活字…素材は不明だが、印刷に用いられたとされる。 c.高麗版大蔵経…高麗で刊行された大蔵経。11世紀のものは消失。13世紀半ばにモンゴル退散を祈願して彫られた版木は現存している。 ⑥対外関係…宋と通交しつつ、キタイ・金から冊封を受け、政治的自立を守りながら国家体制の整備。 ⑦武臣政権 1170年から1270年の100年間にわたり、国王や文官ではなく武臣が朝廷の政治を掌握していた時代。 7.李氏朝鮮 (都:漢陽) ①建国:1392年、李成桂が高麗を倒して李氏朝鮮を建国し、明の冊封を受ける。 ②内政 a.漢陽(現ソウル)を都とし、朱子学を導入して科挙を整備。 b.訓民正音…15世紀前半の世宗の時、表音文字としてハングルを制定して公布。 c.銅活字による出版が盛ん。 ③両班…高麗や朝鮮の特権的支配階級。文官(文班)・武官(武班)の総称であったが、朝鮮時代には官僚を事実上独占した家柄や身分を指すようになった。厳格な儒教主義を背景に出身地と婚姻関係の絆を重んじて階層の固定化をはかり、免税など様々な特権を保持した。 ④対外関係 日朝関係:朝鮮国王と徳川将軍(大君)とを対等とする外交関係を結び、朝鮮からたびたび朝鮮通信使が派遣された。貿易は対馬氏が担う。 中朝関係:清から冊封を受ける。 ⑤国内経済…銀ではなく土地からの生産物に基づいた自給的な国内経済。