0.なぜ源流思想を学ぶのか
1.神話から哲学へ
1-1.ポリスと市民
- 重装歩兵民主制
- 市民の理想的生き方…それぞれが分を守り、他を侵さないという正義をわきまえ、善と美の調和(カロカガティア)がとれていること。
1-2.哲学への道
- 人間としての生き方、世界の形成は当初、神話によって説明される。
- 神話によって世界を解釈した者たち☆
- 民会の発展と知的探究心の養成
- 神話による世界解釈を脱却、人間の理性(ロゴス)により真理を見出そうとする。
- テオーリア(観想)…個々の事物を見つめ、それを超えて存在する普遍的・客観的原理をとらえようとする。
- フィロソフィア(愛知)…自由に真理を求め愛するという精神。世界や人生に関する根本的な真理についての知恵を愛し求めるということ。
2.自然哲学の誕生とソフィスト
2-1.自然哲学の成立
(1)自然哲学
(2)アルケ-の探求
- タレス…最初の哲学者。「万物の根源は水」とし、神話的世界観を脱却。
- アナクシマンドロス…性質的・量的に「無限なもの」。「限られないもの」(ト・アペイロン)
- アナクシメネス…永遠に動き続ける「空気」。空気の希薄化と濃厚化により万物を説明。
- ヘラクレイトス…「火」。「万物は火の交換物」であるとし、「万物は流転する」と説く。
- ピタゴラス…「数」。厳格な規律により音楽・数学・体操により魂のカタルシス(浄化)。
- パルメニデス…事物の生成消滅・変化を否定。「あるものはただ一にして一切の存在である」。
- エンペドクレス…「火・空気・水・土」の四元素が事物の生成消滅・変化を起こす。
- デモクリトス…「原子」(アトム)。原子が運動し、分離結合することで自然を説明する原子論
3.真の知への道-ソクラテス
3-1.哲学的出発点「無知の知」
- ①デルフォイの神託「ソクラテス以上に知恵のあるものはいない」
- 賢者たちと問答…相手は知らないのに何かを知っていると思っている。自分は知らないと思っている。
- 無知の知…自分の無知を自覚しているという点で、自分は他人よりも優れている。
- ②「汝自身を知れ」
- 人間としてのあるべき生き方は、自己の無知を自覚し、無知であるからこそ知を愛し求めることにある。
- ③問答法とエイロネイア
- エイロネイア(皮肉)…自分が無知であるかのようにふるまい、反対に相手の無知をさらけ出させる。
- 問答法(助産術・産婆術)…問答を繰り返すことによって、相手に無知を自覚させ、思索を深めさせて真の知にいたらしめた。
- 知を外から教え込むことは出来ず、知を教えるのではない。相手が自ら知を深めていく事の手助けができるだけである。
3-2.真の知とは何か
- あらゆるものには「固有の役割」がある → その役割を果たすのに要求される能力・資質がアレテー
- 人間としてのアレテーは「徳」=「魂への配慮」…魂(プシュケー)を良いものにすること。
- 魂の本質は理性→理性が固有の機能を果たせば魂は良くなる→理性の機能は真理を知ること→魂を良くするには真理を愛し求めればよい。
- 知徳合一…魂のそなえるべき徳が何かを知れば、徳についての知識に基づき正しい生き方へ導かれる。
- 知行合一…真の知とは必ず実践へと向かうので、現実の行為と一体のものであるということ。
- 福徳一致…徳をもつことがよく生きることであり、幸福であるという考え方。
5.現実主義的なあり方-アリストテレス
5-1.イデア論批判 形相と質料
5-2.知性的徳と倫理的徳
- 魂
- 理性的な領域 →知性的徳…観想的生活に即した徳 (例:知恵、思慮、努力)
- 感情、欲望の領域→倫理的徳…過度と不足の両極端を避ける中庸を選んで習得する習性的徳。
- ☆アリストテレスは数多の倫理的の中から正義と友愛を重視!
- 「人間は本性上、ポリス的動物である」… ポリスを離れて人間の生活は成り立たない!
- ※共同生活を理性で結びつける原理が正義であり、情意で結びつける原理が友愛である。
- 正義
- 全体的正義…すべての市民がポリスの法を守ること
- 部分的正義…状況に応じた正義。公正をいかにして実現するか。
- 配分的正義…個人の地位・能力・功績に応じて報酬や名誉を配分
- 調整的正義…利害得失の不均衡を調整する