1.古学のおこり
- (2)「誠」の重視
- 儒学における「誠」…自他をあざむかない真心に徹したとき、道がおのずと実現される考え
- 日本の古道における「誠」…私のない心情の純粋さとして尊重される
2.士道としての儒学 【山鹿素行】 『聖教要録』
- (2)武士の存在意義とは何か…「士の本とするは職分を知るに在り」
- 武士道を批判
- 名と恥じを重んじ、死をおそれず主君に献身することが理想→武士道による「殉死」の習慣が君子の道に反するとして批判
- cf.山本常朝『葉隠』
- 戦国時代の武士の気風を受け継ぎ、主従関係が恋にたとえて説かれる(恋の至極は忍恋と見立て候。逢いてからは恋のたけ低し、一生忍んで思い死することこそ恋の本意なれ)。
- 「武士道というは、死ぬことと見付けたり」と主君への絶対随順と不断の死への覚悟が重視される。
- (3)士道の提唱
- 武士の職分…農工商の三民は生業に忙しく、人倫の道を追究できない→武士が民の道徳的指導者となって天下に人としての道を実現する!!
- 武士の理想像…道の実現者としての責任に耐えうる、清廉で厳かな人格こそが、平和な世の武士の理想像
3.真実無偽の道【伊藤仁斎】
4.先王之道【荻生徂徠】
- (1)先王之道…中国古代の理想の君主が、国を治める民を安んずるために人為的につくった経世済民の道。具体的には礼楽(礼法と音楽)と刑政(刑罰と法律)の諸制度
- (2)古文辞…古代の経典を解釈するための方法。徂徠は六経を重んじたため、解釈の方法をおさめることを強調し、古代中国語の研究に努めた。
- (3)安天下の道…道(礼楽刑政の諸制度)は天下を安んずるものあること。徂徠は為政者の主観的な感情よりも、具体的な行為が民にどのような結果をもたらすかが問われなければならないと主張。
- Cf.太宰春台…徂徠の弟子。主著『経済緑』では経世済民を強調し、政治経済の現状批判。富国強兵を主張し、藩による専売制などを論じた。