雑録

小林さんちのメイドラゴンS 第2話「イケメン、小林!(いろんな意味で)」の感想・レビュー

イルル過去回。幼少期における種族を超えた融和とその裏切りによる人間不信が描かれる。
幼少期のイルルは人間の子どもと仲が良く、ドラゴン側では人間との和解が試みられていた。
しかし人間たちの侵略によりドラゴンの里は焼き討ちされてしまう。
以来、イルルは生き残った大人たちから人間憎しの思想を押し付けられてきたのだが……
その本質では人間との和解を求めており、小林に救われたことで、改心する。

「常識」という社会に自発的に隷属させるための価値観からの解放

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  • トールから社畜であることを解放された小林が種族間差別を刷り込まれたイルルを救う
    • 小林に執着するイルル。今回はなぜイルルが小林に対してこだわりを見せるのかが描かれていきます。幼少期のイルルは人間の子どもたちと仲が良く、親も人間との融和を考え始めていました。しかしその矢先に人間が侵略を開始。ドラゴンの里は焼き討ちされてしまうのでした。イルルの親も亡くなり、生き残った大人たちは人間憎しの価値観を醸成、イルルにもそれを強要します。以来、イルルは人間=滅びるべきという「常識」を抱いて生きて来たのですが、常識とは一部の社会の中の規範意識であることを知れ。本質的にイルルは人間と仲良くしたいと思っており、その心情が小林によって解放されるのが、今回のハイライトとなっています。
    • 一方で小林は小林で、なぜそんなにイルルを受容するのか。その背景にはトールの存在がありました。社会人としての常識を植え付けられていた小林は、ただひたすらに社畜となりました。しかしその結果、大切なものを次々と無くしていき、孤独のうちにアルコールを啜るだけの毎日となったのです。くたばれ資本主義。そんな無味乾燥な小林の毎日を変えたのがドラゴンのトール。常識というものは社会を疑わせず自ら隷属させるために作られた価値観であることが暴露されたのでした。社畜から解放された小林はその想いを還元しようとしたのでしょう。かつての小林のように「常識」に盲従するイルルを助けてあげたかったのかもしれません。「イケメン、小林!」とはまさにこのことでありタイトル回収。
    • こうして小林はトールがいたからこそイルルを助けることができたのに、トールは小林がイルルに懐かれるのを見てジェラシー感じちゃうのがコミカルさを表しています。ここでトールが変に物分かりが良かったら物語が転がりませんからね。小林に頼まれたからイルルの世話をするも、イルルが贔屓されるように見えて嫉妬するトールをお楽しみください。いわゆる、新しい猫を飼う時は前からいた猫に配慮しなければならないというアレ。

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