ラブライブ!スーパースター!! 第2話「スクールアイドル禁止!?」の感想・レビュー

スクールアイドルを部として認めさせる条件として実績を求められる話。
具体的には指定されたそれなりの知名度を誇る代々木での大会で1位となること。
登場人物たちは誰もが負の感情を相当拗らせておりそれを燃料にしてアイドルする。
合唱部の歌声を聞き拗らせた主人公が「諦めないキモチ」を滾らせる場面は最大の見せ場!
また「諦めないキモチ」に執着する上海人の母国での境遇も伏線が張られましたね。
ポニ子が生徒会運営を母親へのコンプレックスにより私物化していることも明らかになりました。
彼女らが抱える負の感情エネルギーがアイドルとしてどのように昇華されるのか楽しみ。

挫折・嘲笑・劣等意識。負の感情エネルギーをアイドルとして昇華せよ!

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母親のコンプレックスに起因する私怨を断罪されるポニ子
  • ポニ子が母のコンプレックスに起因する私怨でスクールアイドルを潰そうとするところがポイント
    • 人前で歌えず第一志望の学科に落ち人生が終わったと思い込んでいた主人公。しかし上海人の影響でアイドルとしてなら歌えることが判明し、トラウマ解放の手段が見つかってウッキウキになります。一方で行動力のカタマリである上海人はさっそく部として承認させようとしますが、難敵ポニ子が立ちはだかります。ポニ子の論理は一見すると正しいようでいて完全に私的な理由。ママンへのコンプレックスが酷い。フツーの作品だとポニ子はアイドルしたかったのに毒親ママンによって禁止されその反動が出ているのではないかと推察するわけですがはたして。ポニ子の拗らせ物語が今から楽しみですね!閑話休題。スクールアイドルが部として認められなかった上海人はノリで退学しようとしますが、さすがに主人公に止められたため、デモ行進のシュプレヒコールに切り替えます。これが功を奏し、学校経営者の判断によりポニ子が私怨で生徒の自主的な活動を潰していることが断罪されます。ここでポニ子がまたもやママンを持ち出し切って捨てられるところが見どころ。この学校経営者、実にまとも。主人公たちはスクールアイドルとして認められるのですが、それを学校の部活とするには、それ相応の覚悟と決意と実績が必要。課題としてそれなりの規模の大会で1位になることが条件として出され、代々木の大会に出ることになり、それに向けて猛特訓が始まったのです。展開のテンポも早くサクサク進みます。

 

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合唱部の歌声を聞き「諦めないキモチ」を発動する主人公
  • 合唱部の歌声でトラウマを発動させた主人公が「諦めないキモチ」を発動するところが好き
    • 大会で1位になるためには歌と踊りのスキルを磨かねばなりません。ここで登場するのが主人公の幼馴染。実力派のダンサーということで主人公たちは教えを請います。ここで注目すべきは幼馴染の拗らせ。上海人は例外なく幼馴染もスクールアイドルに誘うのですが、返答する前に主人公が断ってしまいます。なぜなら幼馴染がダンスに青春を賭けていることを知っているから。しかし幼馴染はどう見てもスクールアイドル、というか自分のマブダチがポッと出の少女と仲良くしていることにソウルジェムを濁らせており、百合的展開になりそうな空気が立ち込めています。
    • そうとは知らぬ主人公は、歌を担当することになり、上海人が作った歌詞をもとに曲を作り上げていきます。この上海人の歌詞は主人公の心を打つことになり、特に「諦めないキモチ」が突き刺さるのです。この作詞が出来るということは上海人もかつて相当叩き潰されてきたことを暗示しており、母国でスクールアイドルが劣等視され嘲笑の対象であったと語るシーンもあるので上海人の過去編も期待されます。
    • 幼馴染の指導の下、訓練に励む主人公と上海人。運動音痴な上海人はスクールアイドルのために苦手な運動も頑張ります。そして個人的に今回最大の見せ場であると考えるお時間がやってまいります。それが、合唱部の歌声を聞いた主人公がコンプレックスを爆発させるところ。ダンス練習のノルマのセットを終えて休んでいたところ、合唱部の歌声を聞くと「諦めないキモチ」を滾らせるのです。自分が望んでも手にすることが出来なかった理想とすべき憧れの青春。そんな負の感情を燃やしつつ曲作りに邁進し、とうとう曲を完成させるのです。徹夜ハイテンションとなった主人公は、運動苦手な上海人が朝のジョギングで特訓している姿を見ると嬉しくなり一緒にバビューンするのでした。

 

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朝焼けの描写による感情変化
  • 朝焼けのシーンはエモくて百合友情尊い
    • ラストの場面で、主人公が上海人に感情を吐露するところは最高にエモい。音楽科に落ちて、自分の人生が全て終わったと思って、望んでもいない普通科に学歴コンプを抱えながら通うという苦行。そんな終わってしまった(と思い込んでいた)状況から新たに前に踏み出せた「始まり」。それが上海人だったのだと語るのです。「私ね、音楽科の受験に失敗した時に、何もかも終わったって思った。卒業式があって、春休みがあって、高校の入学式があっても、ずーっと終わったって思ってた。このまま終わりが続くんだなって思ってた。でも、やっと始まった!!次の私が!始まった!」
    • 朝焼けに照らされながら始まりを感じ、曲が出来上がったと告げる主人公。恥ずかしいから後でデータを送るというのですが、そんな主人公に、今、聞きたいとねだる上海人。彼女が主人公を必要とすることで、主人公の人前で歌えない、恥ずかしいという気持ちが塗り替えられていくのです。本当にこの朝焼けのシーンとか感動させるための装置が上手く作られています。

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かのクゥ百合友情尊い

【感想まとめ】ラブライブ!スーパースター!!


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