ヤクザの内部抗争に関してバッティング大会で勝負をつける話。
主人公が属する派閥では頭首が高齢で舎弟と若さまで跡継ぎ争いが内在していた。
両者は虎視眈々と争いに備えるが頭首が命じたのはバッティング大会であったというオチ。
この大会を主軸としながら西国のヤクザの進出や、主人公の相方の兄の話が展開される。
最後は猫エンドとなり不安定な将来に対する漠然とした不安が語られて幕を閉じる。
人類は争いをやめられず、スポーツは代理戦争という話
- ヤクザの内部抗争がバッティング大会!?
- 主人公はヤクザに飼われている末端の殺し屋。しかしその所属のヤクザでは内部抗争の火種を内包していました。ヤクザのトップが高齢であり、その後継者争いが水面下で行われていたのです。対立するのがヤクザの舎弟と若さま。順当にいけば若さまが後継者なのですが、まだ若年であるため権力基盤が安定しているというわけではありません。さらに若さまが台頭すれば当然割りを食う連中もいるので、舎弟頭を支持する人々もまた多かったのです。
- こうして内紛が現実のものとなる寸前のところまでいったのですが、ここで危機を感じた(のかはどうかは知らんが)ヤクザの首領はバッティング対決を催すことになったのです。さらにこのバッティング対決に西日本から進出してきたヤクザ抗争が絡み合います。この作品の設定では東西にヤクザの二大勢力があるらしく、歌舞伎町のヤクザ組織の内紛に乗じて橋頭堡を確保しようとしている伏線が張られます。バッティング対決の際に、西日本のヤクザが襲撃してくるかもしれないことを予想した主人公はバッティング対決のメンバーとして参加することになったというワケ。しかしこのバッティング対決。最後の最後で主人公の連れの女が放ったホームランのボールが球場を貫通して爆発が起こるというトンでも展開に。騒動が大きくならないうちに逃げ出すことになり対決はお流れ。
- 最後はなんか人生訓が垂れ流されて幕を閉じます。結構この人生訓好き。かつては名声を極めたものの今は落ちぶれて風俗嬢の運転手などの雑用をこなす老紳士系ヤクザが野良猫に自分重ねて勝手に励まされている気分になるというもの。安定などほど遠く将来に対する見通しなど持てない自分の立場が野良猫に類似しているのだと述べるのでした。こういったうらびれたおっさんやジジイがたくさんでてくるのでグッときますね。