【感想】ラブライブ!スーパースター!!第7話「決戦!生徒会長選」【レビュー】

ポニ子回(上)。天涯孤独となった葉月恋の最後の拠り所が一族が残した学校であった。
それ故、自己の尊厳を守るためには学校が「音楽の名門校」である必要があったのである。
私立と公立で一番異なるのが「学校の理念」。今まさに経営難のため理念が失われつつある。
音楽の名門校で無くなれば創始者の理念は失われ葉月を支えている唯一の根幹が崩れ去る。
だからこそ葉月は学園を音楽の名門で有り続けさせることに拘っているというワケ。
葉月攻略の鍵は、新たな拠り所を作る事。それが友情でありスクールアイドルになるのだ!

自己を形成する拠り所 ~葉月恋が縋ったのは親が遺した学園~

f:id:r20115:20210913073426j:plainf:id:r20115:20210913073430j:plain

  • 音楽の名門校に拘るワケ
    • 葉月恋は学園創設者の一族の娘。しかしながら現在学園は理事長が変わり普通科を募集。葉月恋が愛した「音楽の名門」としての学園は姿を変えようとしていました。私立校は民間企業と同じく利潤が第一です。少子化でパイを奪い合わなければならない状況で学校を維持していくためには、広く門戸を開くしかなかったのでしょう。これに納得がいかない葉月恋。死んだ母親の遺した学園こそが、天涯孤独となった自分の最後の拠り所なのに、その学校の「理念」を変えられたら、自分が縋るものが無くなっちゃう。最後の希望に縋ることしかできない葉月恋は、文化祭に一縷の望みをかけます。文化祭が対外的な宣伝効果の機能もあり、生徒募集の餌の一環ですしね。葉月は生徒会選挙時の「普通科と音楽科が手を取り合う」という公約に反してまでも、文化祭を音楽科主体のものに強行しようとしたのでした。
    • 葉月がなぜスクールアイドルを目の敵にするのか。その理由が知りたいかれんは会話を試みます。パックジュースを差し出し葉月を誘うシーンは結構好き。しかしまだ好感度が足らなかった!会話を拒まれオープンハートは程遠い!最終手段として尾行を決行し、実家までスネーク。そこで目にしたものは、東京都心の中に燦然と輝く富裕階層が住まう広大な邸宅の屋敷でした。しかし相続税は凄まじかったのでしょう。女中に給金を出せず、最後に残った一人も退職するという場面に遭遇してしまいます。
    • 別れを惜しむ女中に対し「まだお母さまが遺してくれた結ヶ丘」があると述べたり、そのシーンを盗み聞きしていたかれんには「母が遺した学校を続ける」ためには自分が頑張るしかないと宣言したり。凝り固まったプライドにより意固地になっている姿が分かります。葉月にとって自分の拠り所となる最後のものが学園であり、それは母親が遺したものでなければならず、その母親が遺したというのは単なる学校という箱ではなく、学校の理念、即ち音楽の名門校というわけです。高い品格を持つ音楽の専門校にとってアイドルなど単なる低俗なサブカルチャーにしか過ぎないと思い込んでいることでしょう。そんな頑なな少女の心を溶かすには、新たな拠り所が必要。おそらく強行しようとした音楽科主体での学園祭が生徒の反対で頓挫し精神崩壊した葉月にかのんたちが友情パワーで救いを与え新たな拠り所としてスクールアイドルを見出すという展開が予想されます。ポニ子がどのようにデレるのか、楽しみですね。

f:id:r20115:20210913073434j:plainf:id:r20115:20210913073438j:plain

f:id:r20115:20210913073442j:plainf:id:r20115:20210913073447j:plain