『100人彼女』70話まで読んだので感想・レビュー

恋愛競馬ではなくハーレム内の百合的コミュニティを重視したおバカなギャグ系ラブコメ
主人公は中学卒業までに100人に告って振られるがそれはバランス調整のためであった。
高校に入学するとフラグ規制が解除され100人のヒロインを攻略していくことになる。
100人分キャラクター表現を用意するとかスゲーなと思いきやデレステは190人いたわ。
既存のキャラ属性の配列と組み合わせのオンパレードで、記号的消費のバーゲンセール。
それでも1人の原作が見せ場作ってキャラ立たせてヒロインの魅力を引き出すのは尊敬する。
万人受けしそうなのは吃音少女・機械系クーデレ・薬物変化炉利。私も好き。

吃音であることがトラウマだった少女が皆と歌いたい一心で障害を克服したシーンは感涙

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多分一番人気ありそうなキャラ。本が大好きな小動物系吃音ヒロイン。好本静は図書委員をしており、恋愛小説好きな主人公がおススメの本を聞いたことからフラグが成立する。好本静は吃音を患っているのだが、全文を暗記している本があり、その文章を指して会話をするキャラというトンデモ設定をされている。その反面、背負っているものはシビアであり、吃音であることからイジメを受け続け、母親からもなぜ喋れないのかと虐待されていたのである。主人公は本の内容を通して好本静と仲良くなっていくが、それは静にとって感情を共有するというこれまで経験したことのない出来事であった。さらに主人公がケータイのアプリに静が暗記している小説の全文を打ち込み、音声読み上げソフトで自由な会話ができるようにしてあげたことで、静は陥落する。こうして静はハーレムの一員となるが、その小動物的可愛さによりバツグンの地位を獲得。ONEの上月澪とシャニマスの霧子とデレステの七海を混ぜ合わせたような感じ。その可愛さはメンバーの中でも溺愛されており、野球回において盤外戦術で罵られミスを誘発された際には、ファミリー全員が奮起しスーパーサイヤ人になるきっかけとなった。そんな静のスペシャルエピソードと言うべきなのがベストシナリオ賞に輝いたカラオケ回。吃音で喋れない静にとってカラオケは苦痛と思われたが主人公の精神的ケアにより歌えるようになった所はまさに感涙である。主人公とのデュエットでファミリーたちが尊死していたが、まさに読者の心情をも表現していたと言える。
 

機械系クールが皆との交流で感情を獲得し、かつて切り捨てた友情を取り戻す場面には涙

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合理性と効率を重視し、機械のようにクールなヒロインが栄逢凪乃。俗にいう素直クール/クーデレに分類されると思われ、デレ表現の破壊力は凄まじいものがある。元々は役に立たないものを一切合切切り捨ててきたのだが、主人公との出会いにより感情を手に入れフラグが成立。さらに主人公のファミリーメンバーと交流する中で、その感情を育てていくことになる。ファミリーの中では落ち着いた物静かな部類であるため好本静と仲が良く、着実に百合友情を育んている場面はホッコリする。そんな栄逢凪乃だがギャグ回にも見せ場があり、フードファイトの早食い部門で高所恐怖症設定を活かしながら高らかに寿司を食べきる姿は美しさと共に笑いを誘うというギャグで輝いている。栄逢凪乃の見せ場となるのが10人目のヒロイン美杉美々美を攻略する際において。かつて美々美はビューティーコンテストにおいて栄逢凪乃に惨敗した。それでも美々美は凪乃とトモダチになりたかったのである。しかしこの時の凪乃は感情を手に入れておらず、友情など無駄だと切り捨ててしまう。これが美々美のトラウマとなると共に美しさを求道するための根源ともなった。美々美をハーレムに迎え入れる際、自ら友情を断ち切った凪乃が、その行いを反省し、もう一度友情を結ぼうと今度は自ら手を差し伸べるシーンは涙無しには見られない。
 

シナリオを回すのに便利すぎる存在。薬物で炉利化している天真爛漫少女

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よくいるマッドサイエンティストなお姉さん枠。それが薬膳楠莉。当初はデレスレでいうところのしきにゃん的なポジションであった。一見すると本作で一番真っ当な常識人なのだが、狂気に駆られる余り幼児退行する薬で炉利になってしまう。この炉利化した楠莉がシナリオを回すのに超便利なのである。本作は基本的にノリと勢いだけの突拍子もない展開で進んでいくのだが、その時にこのお薬系科学者という設定が重宝し、様々な効能があるお薬を開発してご都合主義的展開を進めていくのである。あまりにも便利すぎるためか大人化した本体は殆ど登場せず、常に炉利状態で天真爛漫さを振りまいており、静とともに作品を和まさせている。実験に熱中するあまりトイレに行くのが面倒で常におむつを履いているという設定でもあり、嬉ションをすること多数な聖水キャラにもなっている。どこ需要だ?たまにしか登場しない大人バージョンも結構破壊力があり、炉利化している時にやった行いを顧みて恥ずかしがるところがポイント高い。ペンギンのお人形遊びの回では静と共にお人形遊びに興じるのだが、途中で炉利化が解けてしまい恥ずかしがりながら続行するシーンは見どころである。ついでにこのシーンは静の可愛さもスゴイ。高1なのに精神年齢8歳の楠莉と共にノリノリでお人形遊びをした静の可愛さがこれまた引き立つ内容になっている。静と凪乃の落ち着いたコンビがグッとくることは上述したが、炉利組として幼女的可愛さを醸し出す楠莉と静のコンビも作中で際立っている。

伝説のカラオケ回

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その他みどころ(くすしず・なのしず)

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